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2009年3月29日 (日)

カロリーヌがロシアに行く絵本をゲット!!

Carolineenrussie

\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/

うれしいことがありました。
海外のアマゾンのユーズドで取り寄せした本が届いたのです。
その本というのは、
ピエール・プロブスト(Pierre Probst)のカロリーヌシリーズの「Caroline en Russie」。
カロリーヌがロシアへいくお話です。

日本語版の出版はなし。
日仏学院の図書室にもフランス版はなし、
フランスからの取り寄せをしてくれる書店でもフランス本国での再販の予定なしということで取り寄せ不可能。
あきらめていたのです。
でも、カロリーヌが好きで、ロシアが好きな者にとって、
ダブルで自分のハートど真ん中を直撃するこの本を見ずにいられましょうか。

先日、海外のアマゾンでuesdで購入できることがわかり、
意を決して四苦八苦で手続きしてみました。
すると、わずか9日間で届いたのでした!

感激です。絵本を実況中継します。
フランス語はわからないので内容は絵で推測。

私の手元に届いた本は背のところが赤い布張りとなっています。
(装丁は2バージョンありそう)。
全編カラーで44ページ。

冒頭ではカロリーヌとおともだちが、カフェオレボウルにクロワッサンを浸して食べるシーン。
おいしそう。ゴクリ。
そのあとロシアの旅がはじまります。
***
イズバー(美しい窓飾りが施されたロシアの伝統的な農村の家屋)。
赤いサロペットでおなじみのカロリーヌが、
鮮やかな赤い刺繍のブラウスとスカートというロシアの民族衣装をまとっています。
おともだちもロシアの民族衣装ルパシカを着ています

イズバーの中ではテーブルをみんなで囲んでいます。
サモワールを真ん中にピクルス、ウォッカやクワスが並ぶ食卓。
黒猫のノアローはバラライカ(ロシアの民族楽器)を弾いて歌っています。
イズバーの室内にはイコン(ロシア正教の聖人画)もあり、
Russiaikon
↑イコン。私物から。
 
ピエール・プロブストがロシアを念入りに調べて描いていることがわかります。

カロリーヌはできたてのブリヌイ(ロシア版クレープ)をみんなにふるまっています。

***

カロリーヌたちは赤の広場にでかけます。
おとぎ話の建物のような聖ワシリー寺院も、
スパスカヤ塔も色鮮やかに描かれていてロシアマニアのハートをくすぐります。
Saintbasilscathedral
↑聖ワシリー寺院。
 私物。仕上げたクロスステッチ。

カロリーヌはなぜかマロージェノエ(アイスクリーム)の売り子さんになっているみたい。
***
クレムリンの中にある王様の大砲も登場。
***
サンクトペテルブルクでは、カロリーヌはエカテリーナ2世に扮しているのかドレスを着ています。
***
オペラ『ボリス・ゴドノフ』をライオンのキットが演じているシーンあり。
赤と金色を基調にしたロシア的色彩をピエール・プロブストがうまく捉えて描いています。
***
ボリショイ劇場ではカロリーヌとおともだちがステージでロシアの民族舞踊を。
犬のユピーたちのコサックダンスも、ノアローや白猫プフのバレエのような開脚ジャンプも見事。
(表紙の絵ですね)
***
凍った川の氷が割れたところで寒中水泳?の場面も。
***
Russiamymato_3
サーカスもでてきます。
大きなマトリョーシカをひょうのピトーがを一つ一つ開けていくと、、、
最後にカロリーヌが中から登場!
***
その後、タイガの雪原をトロイカで走ったり、シベリア鉄道の旅も。

この「Caroline en Russie(ロシアでのカロリーヌ)」が出版されたのは1993年。
プロブスト氏が80歳の時になります。
晩年は小学館の絵本の時と比べ、タッチがあっさりしています。
小学館の絵本のころは、全頁に渡って細部まで描かれ、
それぞれの動物がページごとにいろんなことをしでかしているから、
絵をずっと眺めていても、何度眺めていても飽きない。
というよさがありました。
晩年の作品はそれぞれの動物の描き方もあっさりしています。

それでも、このCaroline en Russieは、
カロリーヌとおともだちとロシア的なものの組み合わせが十分魅力的。
聖ワシリー寺院やロシアの風景が楽しめる絵本としてだけでも価値ある美しい絵の中に、
カロリーヌたちが登場するのですから!!

*カロリーヌの絵本の表紙以外の画像は、
イメージをお伝えするために私の私物からアップしました。
聖ワシリー寺院は自分で仕上げたクロスステッチの刺繍です。

*「今日も星日和」の中で、カロリーヌが月に行くお話のご紹介はこちらに
 前編 後編

(2009.4.7補足)
上記に画像をアップした聖ワシリー寺院のクロスステッチのキット。
私はモスクワで購入しましたが、日本でも取り扱っていらっしゃるところがあります。

スワロフスキークリスタルを使用したオリジナルデザインアクセサリーetc.を
販売されていらっしゃる
リュボーフさんです。

私はリュボーフさんで、
別の絵柄の聖ワシリー寺院(雪のある冬の風景)のクロスステッチキットをみつけて早速購入しました!
惹かれる方はどうぞ訪ねてみてください。

2009年3月27日 (金)

雪と桃と雷と

20090326momo10120090326momo22 20090326momo303

昨日のブログにも1枚アップいたしましたが、
26日、保木の桃源郷にいってきました。
朝はぼたん雪がちらつく天気。それが急速に晴れた昼下がりに。

桃源郷は、桃の花が盛りをほんの少しすぎて、枝先は花が散って葉となっていましたが、
あいかわらずうっとりする風景でした。
桜(ソメイヨシノではないと思うけれど)の薄いピンク色や、
黄色い花とのコントラストも、青々とした木々がなだらかに描く線も、起伏ある土地がつくりだす奥行きも見事。
美しいパノラマ風景、私の生涯のベスト3に入ると思います。

桃畑の中にはいることはできません。
おそらく個人の所有地。
ガードレールの手前で私たちはこの風景を眺めます。
毎年、多くの人が楽しみにしているのでしょう。
老人ホームや介護関係のワゴン車も2台みました。
この風景をお年寄りの方たちに楽しんでいただくために車でお連れしたのでしょう。

目の前にあるのに彼岸の、異次元の景色みたいに感じます。
人は亡くなったら、魂はこんな世界をふわふわと漂っていくのかも・・・
空では鶯や鳥がのどかに鳴いて・・・

穏やかで満ち足りた景色に浸っていると、黒い雲、天気雨、そして雷まで。

雪と雷が大好きな私としては、同じ一日で雪も雷も、桃源郷の景色まであじわえるなんて贅沢すぎます。
これで、雨上がりに虹でもでたら、飛び跳ねちゃうところですが、虹はみられませんでした。

別のアングルからも。
いずれも携帯で撮っているので鮮明ではないですがパノラマ感を感じていただけますでしょうか。
20090326momo420090326momo520090328momo61

2007年の桃源郷
はこちら
2008年の桃源郷はこちら
2010年の桃源郷はこちら

桃源郷シリーズINDEXはこちら

2009年3月26日 (木)

今年も桃源郷にいってきました

桃源郷。
それは田園都市線たまプラーザ駅からバスで少し行ったところにある桃畑。
今年も行ってきました。
今日はまず1枚だけアップいたします。
20090326tougenkyo1_4

詳細は27日

桃源郷シリーズINDEXはこちら

2009年3月20日 (金)

星のささやき---その11.シベリアを体験した作家の言葉

ロシア人作家シャラーモフ(1907~1982)が、
詩の中で「星のささやき」を書いていました。

政治犯としてシベリアのコルィマ地方でラーゲリ(強制収容所)生活を余儀なくされ、
釈放された後に執筆活動を送った人物です。

「星のささやき」という言葉が登場するのは
Колымские тетради/コルィムスキエ・チトラージ(コルィマノートブックの意味)」という詩集の中です。
ネットで原文が閲覧できました。

 

Шепот звезд в ночи глубокой,
深い夜の星のささやき
Шорох воздуха в мороз
マロース(極寒)の中での大気のざわめき 
Откровенно и жестоко
非常に露骨に
Доводил меня до слез.
私を涙にむかわせる

Я и до сихпор незнаю,
Мне и спрашивать нельзя
Тропка узкая лесная 
Это стежкаильстезя ?

Я тогда лишь только дома,
Если возле ? ни души,
Как вхрустальном буреломе,
Вхаотической глуши.


詩は訳すのが難しいです。
5行目以降は星のささやきとは直接関係ないので、最初のくだりだけ訳してみました。

「星のささやき」という言葉、
中学生の女の子でもロマンティックな響きからポエムに使いそうですが、
シャラーモフの場合、
この言葉を「星のささやき現象」を知った上で使っていることが、
「マロースの中で」「Шорох (ショーラフ)」という言葉から確信できます。
なぜなら、
「星のささやき」はマイナス50度ぐらいのマロースの時にこそ起こる現象だから。そして、「星のささやき」の音はサラサラ、カサカサ、衣擦れのようだと言われており、
「ショーラフ」という言葉が
サラサラ、カサカサ、がさごぞという音や、
衣擦れや枯葉などの音に使われる言葉だから。

 

と思っていると興味深い記事をネットでみつけました。
マガジン『Совершенно секретно(サベルシェンナ・セクリエトナ/極秘という意味)』
(ttps://www.sovsekretno.ru/)2007年6月号です。

シャラーモフの生前のインタビューのよう。
「星のささやき」現象を体験していたことを明確に書いていました。
抜粋で。訳は少し自信ないです。

 

Ловили вот этот 56-й градус Цельсия, который определяли по плевку, стынущему на лету, по шуму мороза, ибо мороз имеет язык, который называется по-якутски 《шепот звезд》.  Этот шепот звезд нами был усвоен быстро и жестоко. Первое же отморожение : пальцы, руки, нос, уши, лицо, все, что прихватит малейшим движением воздуха.
摂氏マイナス56度という温度は、
地上に落ちるまでに氷結する唾や痰によって、
マロースのざわめきによって把握することができた。
なぜなら、マロースは言葉を持っているのである。
それはヤクート語で「星のささやき」と呼ばれている。
この星のささやきを私たちは非常に早く覚えた。
最初は凍傷。すなわち、指、腕、鼻、耳、顔、すべて最小限の空気の動きで凍りつかせる。

 

◆このインタビューによると、シャラーモフがシベリアで「星のささやき」現象を体験して知っていることは明らか。
◆注目すべきは、по-якутскиという言葉。「ヤクート語で」という意味です。
今まで私が目にした文献は<ヤクートでは「星のささやき」と呼ばれている>というものばかり。
ヤクートでの公用語がロシア語とヤクート語であるため、
元の言葉がロシア語なのかヤクート語なのかまではわからなかったのです。
シャラーモフの言葉によると「星のささやき」の原語はヤクート語となります。
ただし、その原語を彼は明かしていません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
マロース(氷点下50度ぐらい)の厳寒の中での星のささやき。
それはけっしてロマンティックなものではなく、
凍傷や死と隣り合わせに今自分が置かれているかを示すもの。
強制収容所にいる方たちにとって、温度計を持たずに生命の危険を感知できる
アラーム、センサーだったのだと思うと身につまされます。

 

メモ
①『Колымские тетради』(コルィムスキエ・チトラージ/コルィマのノートブックの意味)
1937~1956年の詩作を集めたもの。
おそらく日本では翻訳本は未出版。
日本でも翻訳されているシャラーモフの代表作『コルィマ物語』とは別物です。

②上記の詩が閲覧できるページ ttp://shalamov.ru/library/11/6.html

③『Колымские рассказы
(コルィムスキエ・ラスカーズィ/コルマ物語の意味)
日本では
『極北コルィマ物語』のタイトルで高木美菜子訳(朝日新聞社)が出版されていますが、
この本に収められているのは『コルィムスキエ・ラスカーズィ』の33編のうちの8編。
全訳ではありません。
『極北コルィマ物語』には「星のささやき」に関する記述はありませんが、
原書の未翻訳のところで「星のささやき」が登場するかは
原書を閲覧しておらず、未確認。

④コルィマ地方とは
シベリア極北の地名。インディギルカ河上流をも含めたコルィマ河流域一帯のこと。
『極北コルィマ物語』の解題から引用。

コルィマよ、コルィマ 奇しき惑星(ほし) 
十二ケ月が冬で あとは夏  
哀愁と皮肉をこめて人びとにこう歌われるコルィマは、
零下50度、60度の冬が果てしなく続くかと思われる厳寒の地。
ごく短い夏には、沈まぬ太陽のおかげで終日明るく、
野花が短い生を謳歌する。


⑤ヴァルラーム・ティホノビッチ・シャラーモフについて。(Варлам Тихонович Шаламов/Varlam Tikhonovich Shalamov)
『極北コルィマ物語』巻末のプロフィールから要約。

1906年北ロシア、ヴォログダ生まれ。
29年に非合法活動で逮捕、ウラル山脈近くに流刑。
32年釈放。
37年前科を理由に再逮捕。極北コルィマ送り5年の有罪判決。
その後2度の逮捕と刑期延長でシベリア各地で強制労働。
53年スターリン死後に釈放。その後雑誌編集と詩作、執筆活動をおこなう。

 

星のささやきINDEXはこちら

2009年3月12日 (木)

星のささやき---その10.オーロラの音

すっかり更新が空いてしまいました。
実は、氷点下50度を体験したくなって、シベリアに行っていたから、
ということはなく、普通の日常生活を送っていただけなのですがぱたぱたぱたぱたしていました。

さて、「星のささやき」シリーズ。

今回は「オーロラの音」についてです。

というのも、バディギンの『グルマントへの道』(cf.その1)、
アラバジの『単純な水の謎』(cf.その3)で、
星のささやきが最初はオーロラのせいだとおもわれていた、
と書かれていたからです。

Ogawaseijisanaurora
緑色の光が美しいオーロラ<撮影 小川誠治氏>

「オーロラ」。
私の専門外なので、文献をいくつかみた範囲での把握となりますが、
・オーロラから音が聞こえたという報告はいくつもある
・だが、まだオーロラの音が録音されたものはない
・オーロラが音を発するのかは科学的に解明されていない ようですね。

オーロラがどんな音だったかを
『オーロラ』ニール・デイビス著 山田卓訳(地人書館) 第17章オーロラの音のミステリー
で取り上げられている証言より。

「遠くでパチパチとかシューパチパチという音を立てながら、頭上で物が引き裂かれるようなススススススッスッスゥスススススという音」
「速いスウィッスウィッという音と、パチパチという音」
「しわくちゃにしたティッシュペーパーを何枚か手でこすったような音」
「柔らかなパチパチという音がしたので、火が完全に消えていないのかと思ってあわてて飛び出した」
「シューという音」「パチパチ」
「長く続く規則的なヒューッヒューッという音。ハープの弦に軽くふれるときに聞こえる音楽のよう」
「紙の上で紙を引きずるような音」
「サラサラ。氷におおわれた柳の小枝が、そよ風に吹かれたときのような音」

『オーロラ』では以上の報告から
・オーロラの音は、Sの音で表現されることが多い。
・シュー、ヒュー、パチパチ。
・タフタスカートの衣擦れ、燃える枯れ草、女性の髪を撫でてとかす、
 油で揚げ物をする、セーターの静電気が放電するときの音のよう

とまとめています。

一方、「星のささやき」はどんな音でしょう。私が今まで調べた文献より。

 

サラサラ、カサカサ、パチパチ。
穀物の粒を注ぐような音
風が木の枝から乾いた雪を払い落とすような音
カチカチと鉄砲を鳴らすような音


→サラサラ、カサカサする音に使われているロシア語の「シャルシャーチ」。
衣服・木の葉・髪などがさらさら、かさかさ、がさがさ音を立てる様子に使う言葉。

→パチパチする音に使われる「トレシャーチ」。暖炉の火が燃えたり、氷がみしみし軋む音などを表現する言葉。

 

オーロラの音の表現の原語が知りたいところですが、
サラサラ。パチパチ。衣擦れのような、木々を風が揺らすような、炎のような
という音のニュアンスは共通していますね。

さて、渋谷星の会の会長の小川誠治さん。
オーロラに魅せられ、オーロラを18回も観測&撮影にいかれ、各地で写真展や講演をされています。
私の星のイベントにいらしてくださったり、
このブログ『今日も星日和』もご覧くださっているのですが、
ありがたくもオーロラの音について言及している本の情報を教えてくださいました。

早速、それぞれのくだりを読んでみると、

 

◆オーロラ研究の第一人者赤祖父俊一氏の『オーロラへの招待』(中公新書)
何千年も前からオーロラの音を聴いたという人がいることは事実だ。共通しているのは、ヒューッとかスーッという音で、静寂の中で木々が風に揺れる音、着ているパーカなどがこすれる音に似ている。ただし、オーロラの音はいまだかって録音されたことがないので、その実態は不明。(以下略)
赤祖父氏はオーロラが動くと音も変化するという証言に光と音の速度の違いから矛盾があるとしながらも、オーロラが出した電波をとらえて、脳で音として感じている可能性も否定はできないとしています。

◆上出洋介氏の『オーロラ』(山と渓谷社)

オーロラ活動は超高層大気中に衝撃波を生じ、これは地上まで伝播してくるが、超低周波の音波であるので、人間の耳では聞くことができない。(中略)他の可能性として、オーロラは雷場をもっているので、その雷場のため、地上または雪上で特別な放電が起き、その音が聞こえるのではないか、という説がある。あるいはなんらかの錯覚ではないか。

写真家門脇久芳氏の『オーロラの国で』(アスベクト)
多くの人がオーロラを見ると同時に音が聞こえることを報告しているが録音された音がなく、オーロラと音が関係していることは実証されていない。

写真家田中達也氏の『オーロラの本』(学習研究社)
→オーロラの音を聞いたという証言は少なくないこと。ヒュルルルルーとかパチパチといったかすかな音だったそうであること。ただ、オーロラの動きにあわせて音がするというのは音の伝播に時間がかかることを考えると矛盾すること。イメージとして心で音を聞いているのではないかと書かれています。

おなじく田中達也氏の『オーロラ旅物語』(東京書籍)
→詳しくオーロラの音について言及。「シュー」「パチパチ」「サラサラ」という証言があるが田中氏本人はまだオーロラの音を聴いたことがないこと、先住民族から伝わるオーロラ伝説ではオーロラの音について触れている話も多く、イヌイットやサーメ人の中には今でもオーロラの音を聞くことができる人がいるらしいと書かれています。音を聞いたという証言者の言葉の引用は『オーロラ』ニール・デイビス著と重複。

 

と、いくつかの書籍をご紹介させていただきましたが、
私が今まで目を通したこれらの本では、
オーロラの音を、零下50度ぐらいで人の息が凍る時の音と混同した可能性に言及しているものはありません。
証言の事例でも、「最初、自分の息が凍る時の音かと思いました。
でも違いました。明らかにオーロラから音がしています」というような言葉はありません。

あくまでも私の推測ですが、オーロラの音を聞いたという証言の中のいくつかは「星のささやき」現象だったのではないでしょうか。
つまり、「星のささやき」体験談を探そうと思ったら、オーロラの音体験談の中に発見できるかもと思うのです。

小川誠治さんに見解をうかがうと「私自身は聞いたことがない」とのこと。
今年の1月、アラスカでのオーロラ撮影の際、「-52℃」を体験されたのですが、
やはり、音は聞いていらっしゃらないとのこと。
「しかし、オーロラが出現中は撮影に夢中で、音を聞こうとする余裕などない。
従って、肯定も否定も出来ない」とのことでした。
Minus62
↑小川さんが-52度を体験された時のお写真がこちら。
華氏-62°の表示が。
摂氏=5/9(華氏-32)ですので
摂氏-52度であることがわかりますね!!

いつか、私自身が氷点下50度の中に身を置いて「星のささやき」を聞いたり「オーロラの音」を感じてみたいです。

さて、最初にご紹介したオーロラの写真は小川誠治さんが昨年1月にアラスカのチナ湖畔で撮影されたもの。
緑の光がなびく様子がとてもファンタジックで美しいので許可を得てこのブログで掲載させていただいております。

葛飾区郷土と天文の博物館で、2009年3月末まで上映されている、
「ミュージック・プラネット ケルトの調べとオーロラ」にも小川さんはオーロラ写真を多数提供されているそうです。

渋谷星の会
http://www.geocities.jp/shibuya_star/のオーロラ写真館でも、
数々オーロラ写真も披露されています。
オーロラがお好きな方、ぜひ訪ねてみてください。

星のささやきシリーズINDEXはこちら

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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