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2009年4月29日 (水)

音合わせ、チューニングのよろこびと井上陽水の「つめたい部屋の世界地図」

私のブログの右サイドで紹介させていただいているさる子さんのブログを訪ねたら、
クラシックコンサートが始まる前の音合わせの時間が大好きであることを書かれていました。

私も「音合わせの時間大好き!」なので、今日はこの話題で。

スポーツ選手でいうところの、試合前のストレッチみたいな、
楽器が本番の「よそいき?」の顔をする前の素顔の音を披露するみたいなところが好きです。

フィギュアスケートなどでも、本番で音楽に合わせての振りをみているより、
その前にスケーターが音楽なしで、
頭の中の音楽だけで、すすすってジャンプのあとの手の振りの練習とかしているところをみるとぞくっとします。
「素」がみえるような気がして。

さて、この演奏前の音合わせの時間が大好きという方にぜひ聴いていただきたい楽曲が
♪井上陽水の「つめたい部屋の世界地図」。
出だしが、弦楽の音合わせのような音。
混沌とした雰囲気がすーとひとつにまとまって、少しクレッシェンドしてフッと消えたあと、
ギターが始まって歌がはじまります。

歌の内容もいいです。
♪潮風に吹かれ、何も考えず遠くをみるだけ とか 
♪飛び交うかもめは陸が近いのを教えてくれる とか。

私は、この歌の世界に憧れ、船の上で海を眺めたいがために島へ何度も旅行しました(国内)。
酔うから嫌だという友達と、
「酔っても船に乗りたい」という私で意見が別れ、
飛行機好きの友達と現地で集合したことも。

デッキで音楽を聴きながら、風に吹かれながら、
大海原の景色の中にゆっくり自分が前進していく、のが心地いいんですよね。
この歌は、オカリナの郷愁を誘う音色も、陽水のつややかで耽美な歌声もGOOD。


「つめたい部屋の世界地図」データ:
最初に収録されたアルバムは1972年の『陽水II センチメンタル』のようです。
私が持っているのは1975年リリースのベストアルバム『GOOD PAGES』。
「つめたい部屋の世界地図」は3曲目。白ジャケットが印象的なアルバムです。

2009年4月26日 (日)

涙がとまらなくなった ヴィヴァルディ「3つのギターのためのコンチェルト」

「悲し涙」でも「うれし涙」でもなく、この曲を聴いて、なぜだか涙が溢れてとまらなかった。
そんな経験をしたことはありませんか。

私がそれを初めて経験したのは高校1年の15歳の頃。
ざっと(ざっとじゃなくても)32年前のことです。
Kyukosya

その春、私はマンドリン部に入部しました。
50名以上の大所帯。編成楽器はマンドリン、マンドセロ、マンドラ、クラシックギター、ベース、フルートなど。
私はギターパート(通称ギタパー)になりました。
関東大震災にも耐えた、明治の洋風建築の校舎に部室はありました。
《ベルサイユ宮殿》とも、鳩が建物内に侵入しまくっているから、
《鳩小屋》ともいわれるこの建物内の部室での4月の放課後のある日。

Mandolinbuiriguchi
夏の定期演奏会の練習が行われていました。
マンドリン等を含めず、クラシックギターだけの演奏コーナーが予定されているので、
ギタパーの先輩たちがそこで発表する曲を練習するところでした。
10~15人ぐらいでしたでしょうか。
椅子を弧を描くように並べてギターを構えるその後ろに私たち新入部員は立っていたのですが、
その曲が始まったとたん、
私は、涙があふれてとまらなくなり、腰を抜かすように座り込んでしまったのです。
前の椅子の背もたれに手をかけてかろうじて身を支えるような形で。
涙ぼろぼろ、鼻水ずるずる。
左隣をみると、同じギタパーの新入部員Iさんが私と同じように座り込んでしまって、
お互いにしゃがみながら顔を見合わせたことを今でも覚えています。

Bushitsu

自分でもなんで涙がでるのかわからない、そんな衝撃。
体中に電流が走ったような。
その時はその感覚を分析する余裕もなかったわけですが、
要するに「魂が揺さぶられた」「心の琴線が激しく振るわされた」ってことなのでしょう。
ヘレン・ケラーが水に触れて「WATER」という言葉を思い出す衝撃ってこんな感じかなと。

木造校舎にある大きな部室。
50人分以上の椅子と譜面台と楽器置き場もあるその広い空間に
ギターの甘美な和音が充満して、
「耳で音を聴く」というよりも、「体中に音を感じる」、そんな体感でした。

その曲がなんという曲かといいますと、
ヴィヴァルディの「3つのギターのためのコンチェルト」。
「調和の霊感」の中の楽曲をギター用にアレンジしたものであるということを後になって調べてつきとめることができました。

「3つのギターのためのコンチェルト」がCDになっていたら買いたいと、
以来、折々調べているのですが、いまだにみつけられていません。
ただ、ネットで調べると、マンドリン部やクラシックギター部の演奏会では比較的定番の曲ではあるようなので、
今度、縁もゆかりもなくてもどこかのクラシックギター部の演奏会に足を運んで、
生であの曲をもう一度聴いてみたいなって思っています。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
32年も衝撃を忘れない、運命の1曲。
なぜ今日のタイミングでブログでご紹介させていただいたかというと、
久しぶりに「ネット刑事(デカ)」となって調べていたら、
この「3つのギターのためのコンチェルト」の演奏をみつけることができたからです。

3つ、ご紹介させていただきます

 

1.youtubeで。「ハウザートリオ 調和の霊感 OP 3-8 第1楽章 Vivaldi」で検索されるとヒットします。(2009.4.26現在)

文字通り、3人による3つのギターで演奏されています。
あくまでも部屋らしき空間での生演奏。
後半、失礼ながら少したどたどしいところもありますが、
この楽曲の魅力が引き出されています。

2.youtubeで。「L'estro armonicos Op.3 Concerto No. 8 RV 522 - A. Vivaldi I. Allegro」でヒットした、crazylee77さんによる投稿(5分12秒)。こちらも3人による3つのギターの演奏。
韓国の方によるライブ演奏を仲間が録ったもののようです。
音量が小さいですが、テンポに慌ててもたつかず、丁寧に弾いています。

3.東京にある芝学園のギター部による演奏会の音源。
ギター部のTOPページ(ttp://shiba-guitar.sakura.ne.jp/)からMP3ライブラリ→2005年度ウインターコンサートOB合奏の1曲目「調和の霊感 op.3-8(1)がそうですね。直接のアドレスは(ttp://shiba-guitar.sakura.ne.jp/sounds/mp3/2005win-ob3-8.mp3)になります。

こちらは合奏なので
この曲を複数のギターで演奏した時の重厚感を感じていただけるでしょう。

 

 

 

知人でも関係者でもないまま、ご紹介させていただきました。
いずれも、生演奏一発録りだと思うので、ノイズもありますし、
プロがスタジオで何度も録音して編集して仕上げた完璧な音源を聴くのとは違うのですが、
部室での先輩の演奏で魂を揺さぶられた私としては十二分にあの時間を思いださせ、
そしてこの楽曲のすばらしさを十分に感じさせてくれる演奏となっています。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「調和の霊感」。
元はバイオリンをはじめとする協奏曲です。
こちらは世界各国いろんな演奏者によるCDがあります。
まず、通常編成の楽曲を聴いてから、
ギター用アレンジの「3つのギターのためのコンチェルト」を聴いていただけたら。

楽曲名。
協奏曲集「調和の霊感」作品(OP)-3  第8番 
2つのヴァイオリンのための協奏曲イ短調 RV522 第一楽章 - Allegro


(メモ)
アントニオ・ヴィヴァルディ/Antonio Vivaldi
調和の霊感/L'estro Armonico/Harmonic Inspiration
調和の霊感 OP3-8/L'estro Armonico Concerto No. 8 in A Minor 1ST MOV.
ALLEGRO/
No 8 en la menor(RV.522) para dos violines I mov.
「調和の霊感」は「調和の幻想」とも。
手元にあるロンドンの出版社の楽譜では
該当スコアは
『CONCERT GROSSO, A MINOR,OP.3 NO8』のタイトルが。

画像は高校時代の古いアルバムから。
写真をスキャンではなくて、写メールで接写したので、鮮明ではありませんが。
上/洋風建築の旧校舎の廊下。飾りのある窓から差し込む夕日。
中/部室の入り口。「マンドリン部」のポスターが貼られています。
下/部室内部。小学校にあるような小さな木の椅子と譜面台が並んでいます。

2009年4月19日 (日)

ソメイヨシノから八重桜へ春らんまん

ブログの更新があいてしまいました。
4月12日のガガーリンの記念すべき日もスルーしてしまいましたが、
ガガーリンシリーズ、雪の結晶シリーズ、星のささやきシリーズ、
打ち止めでなくて、まだまだこれからも続けていく予定です。

さて、私の住んでいるところでは
ソメイヨシノは10日ぐらい前に見ごろを終えてしまいました。
20090415yaezakura
↑八重桜 三種盛り! 
左、中央の濃淡のピンクと黄緑(右)が綺麗です


<桜吹雪>
ソメイヨシノの散り始めってさみしいですよね。
それでもソメイヨシノは散るからこそ、そのはかなさが満開の美しさを際立てるのでしょうね。
                                        
私がよく利用するバス停。ロータリーになっていて、まわりを桜の木が囲みます。
小高い丘という地形のため、小さなつむじ風が発生しやすいのでしょう。
さーと風が吹いて、桜の花びらが巻き上げられて、
風がなくなった頃に上からはらはらひらひらと降ってくるのです。

見上げると青空しかない。
その奥からまるで天気雨、天気雪のように音もなく降ってくる花びらたち。
ぜひ多くの方に体感してほしい光景です。

今年は、あちこちで、高台にある桜をみつけました。
傾斜地で傍らの住宅や道路からみると4階とか5階部分ぐらいの高さに桜の木がある。
そんな場所をみつけたら、散り際絶景ポイントですね。

このくらいの高さから降る花びらは風に乗って、
イレギュラーにこっちにひらひらしたかと思うと、あっちにひらひら。
滞空時間が長いので、花吹雪の様子をたっぷりと楽しめます。
風が花びらと遊んでいるみたい。
そんなひらひら、はらはらをしばらく眺めていると心が落ち着いていきます。

<八重桜もオツ>

ソメイヨシノの散る頃がさみしく感じられるのは、
色が汚くみえることも要因ですよね。
出始めた葉の「緑色」と、花が散ったあとのガクの「赤紫色」の配色が濁っていて少し残念。

ソメイヨシノと入れ替わるように咲く八重桜。
大人になってからどんどん八重桜のよさもわかってきました。
八重桜は、葉が花とほとんど一緒に出るのに、色が喧嘩してみえないのがいいですね。
なぜなんでしょう。

画像は、とある神社の鳥居の脇にある3本の八重桜。
濃いピンク色、ソメイヨシノに近い薄いピンク色、黄緑色の3本が並んでいて、とても美しいんです。
黄緑がかった八重桜。フランネルフラワーぐらいの薄黄緑色の花でした。
満開になるにつれ、花弁の中心にピンク色が染まるように現れてとても可憐です。

2009年4月 7日 (火)

城址公園風情の桜。桜しか見えない。


Sakuratasogare
私の住んでいるところでは桜が満開。
日曜日はグラウンドで野球を見ながら桜を眺める観戦日和を楽しみました。

里山の風景が好きです。
萌木の芽の色と桜の薄ピンク色で里山が染まります。
まるで巨大なピンクのトピアリーみたいに。

桜の木の下から空を仰いで、目に映るものは桜しかない、
という眺めに身を置くと、
どこか別世界に吸い込まれていく気がしませんか。

青空を背景にしても、曇り空でも、夜でも、桜は魅せる方法をしっていますね。

今日のたそがれ時の桜、きれいでした。
ふと気づくと、向こう側に月が。
Sakuraandmoon
とある駅前の風景の風景ですが、
ここだけ深山幽谷に紛れこんだみたいなかんじでした。

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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