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2009年10月25日 (日)

江戸時代へタイムスリップの医療ドラマ「仁」にはまっています

日曜劇場「仁」にはまっています。録画されたものを3回ぐらい見直してしまうくらい。最初駅のホームで宣伝のポスターをみたとき、失礼ながら、こけると思ってました。医者が江戸にいく、ありえない発想。無謀。乗り気なく第一話を家事をしながら見ていたらはまりました。

なにより俳優がいいですね。一人一人が実にいい表情。テレビで甲子園の球児たちを見る時、そのひたむきな顔つき、目に釘付けになります。何も計算せず、何かに夢中になっている人間はこんな顔つきをしているのかと。ドラマは「演技」であるわけだけど、一人一人の俳優が何かをほとばしらせてひたむきに演じている、その炎みたいな真摯さがブラウン管を超えて放熱されているかんじです。

大沢たかお。こんなに素敵な俳優だったとは。へんな癖がなく、素直に演じています。
演ずる南方仁は、医療器具がなくて不自由な時代を、現代の知識を持たない当時の人たちを低くみるのではない様子も好感、共感を持てます。
そして、過去の知識や医療器具の積み重ねがあって現代で医者として手術ができた。それらを持たない江戸時代では痛みのない手術の仕方もわからないやぶ医者だと自分を戒めるところがいいです。
大沢たかおがナレーションがこんなにもうまいとは。うまいからこそ、こういう台詞が本当に心に響きます。

第一話では江戸に行ったとたん「時代劇か」と思ったり、手術をする部屋に入った時、照明が暗いということに語ったり。今の人が江戸時代に行ったらどこに違和感を感じるかというのがきちんと描かれています。

そしてなんといっても
綾瀬はるか演じる「咲」の人物像が秀逸。可憐な武家の娘だけど、気丈そして、利発。
脚本の節々で、咲の利発さをあらわす描写が丁寧に描かれているのがいいですね。
大沢たかお演じる「仁」が江戸で流行っているコロリを「コレラ」と言ってしまう時、「コレラじゃありません。コロリです」という台詞ではなく「コレラともいうのですか」。
枝豆売りの子が負傷したおかあさんの痛みを減らしたく「ちちんぷいぷい~」とおまじないを繰り返す時、覚えたばかりの「麻酔」という言葉を使って、仁に「これは言葉の麻酔です」と説明したり。
咲は、第二話で枝豆売りの喜一がコレラで倒れ、その吐しゃ物を拭いていると仁に「うつりますからやめなさい」と注意されます。その時も驚いて退くのではなくて、「これはうつる病なのですか」とコレラの治療法を知らないとごまかした仁に詰め寄ります。「医者が人を助けてはならぬ道理とはどのようなものでございますか!」。何度みてもぞくぞくする場面です。
伝染病とちゃんと認識していなくてもコロリになった人から逃げようとする江戸の人が多い中で、「うつる」と教えられても助けようとするその姿。今、外出するたびに、新型インフルに気をつけなきゃ。咳をしているあの人の隣に座るのはやめようと思ってしまう私たち。それよりもはるかに感染力が高く、死の危険があるコロリに毅然と立ち向かう咲。さすが武家の血が流れている、橘家の家風みたいなものを感じさせます。

枝豆の
喜一くんもドラマを豊かにしていますね。演技もうまく笑顔もかわいい。そして少しハスキーな声が絶品。おばけのQ太郎やどらえもんとか、アニメに出てくる人間じゃない主役キャラクターみたいな声。町を見下ろす崖で、仁をお母さんに会わせたくて「いいじゃない。きてよ~」みたいにねだる声のかわいいこと。

内野坂本竜馬も最初はびっくりしましたが、豪放でフランク。それでいて暗殺者をさりげなく阻止する知恵者という人物像が奥深さを出していますね。
洒脱な小日向さんの
勝海舟も今後楽しみ。麻生祐未演じる橘栄が第二話で息子恭太郎に「ずるい言い方でございますね」と返す時の声の震え方も印象的。
喜一の母がコロリでぐったりとなる息子を抱きかかえて介抱する姿も情感があふれていました。
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坂本竜馬は凄い人物だけど同じくらい咲は凄い。自分の死の危険を顧みず、目の前の人を助けようとする。仁の医学の知識を吸収しようとする貪欲さ、緒方洪庵に直談判したり、大名行列を駆け抜ける時には「産婆です」と機転を働かせたり。
咲はもちろん架空の人物なんでしょうけれど、彼女のように、世の中は大きな歴史の主流に関わらなかったために「歴史上の人物」には認定されないけれど、自分のいる場所で、死を省みず偏見を持たず、まわりの人を支え、助けようと尽くした無名の古人がいっぱいいたんだろうなと改めて感じさせられます。

そしてこのドラマにはわかりやすいコミカルな演出が一切ないのもいいです。わかりやすいコミカル、いかにも脇役が脇役っていうドラマは苦手。
あざといコミカルな演出がなくても、第一話で、仁にガーゼの用意と言われて、耳慣れない言葉に「グァ、ガッ」とどもる咲には十分クスッとなるし、第二話の、江戸時代の歯ブラシを試す仁の姿もクスッとなります。
演出の力なのでしょうか。江戸の長屋のみんなにしても誰一人、脇役です、という感じじゃなくて真剣に生きている様子が伝わるのもいいです。

このドラマをみていると、私が同じ江戸時代に行ったら何ができるだろうと想像します。時代を変えることがいいかどうか抜きにして、日本史が得意な人は要人に未来を教えてあげることもできるでしょう。染色技術や農作物の技術を持っている人は役に立てるかも。
科学や技術知識がなくても、マイケル・ジャクソンのムーンウォークができたりヒップホップが踊れる人はそれを江戸の街中で披露してブーム興して一生食べていけるかも。

私だったら、大好きなブームの「島唄」や「アヴェマリア」やジョン・レノンの「イマジンを」唄って流行らせて音楽史を少し変えてしまうとか。
一番現実的なところでは、喜一くんの枝豆をすりつぶして砂糖をまぜて、江戸に大「ずんだ餅ブーム」を巻き起こす、ことでしょうか。

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emi (秋田恵美)

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。
    コンタクト: メールアドレスはhoshibiyorihappy*yahoo.co.jp このyahooの前の*を@に変えてご連絡下さいませ
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