デュエムその2 これもデュエム、こちらもデュエム
一目ぼれして、フランスから取り寄せまでして手にいれた絵本『Grain d'aile』ですが、
この絵本に出会う直前からわずか三日間、シンクロしている出来事が続いてびっくりしました。
①2010年に続き、2011年の月の満ち欠けカレンダーのミニエッセイを担当させていただけることになり、
月についてエピソードの洗い出しをする。
『つきのオペラ』というファンタジックな絵本を思い出す。
つきのオペラ (至光社国際版絵本) | |
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②翌日、「フランスの子ども絵本史」という本を手に取り、『Grain d'aile』という絵本に一目ぼれ。その絵を手がけたデュエムは、『つきのオペラ』の絵を描いた女性だとわかる。
フランスの子ども絵本史 | |
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Grain d'aile | |
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③図書館から、『Grain d'aile』を借りて、絵本好きの友達にみせる。
友達が、「フランスの絵本といえば『みどりのゆび』という作品が大好きなの」と語る。
デュエムを知ってから彼女について調べまくった私は
『みどりのゆび』という作品の絵もデュエムだったことをすでに知っていたので
(デュエムに出会う前はまったく知らなかった作品)、
友達に「その『みどりのゆび』の絵もデュエムなのよ!」と伝え、二人で驚く。
みどりのゆび | |
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④ ③の友達と私がフランスのヴァンスにあるマティスが手がけたロザリオ礼拝堂が大好きであることがわかる。
友達は旅行で訪ねたけれどちょうど改修かなにかで入れなかったとのこと。
しばしロザリオ礼拝堂の話題で盛り上がったあと、友達から私にメール。
「『みどりのゆび(愛蔵版)』のデュエムのプロフィールをみていたら、
マティスの助手をつとめたと書いてある!!」と。
マティスのロザリオ礼拝堂 | |
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整理しますと、
①月について調べる→絵本『つきのオペラ』を思い出す←挿絵はデュエムだった。
②カロリーヌの絵本のシリーズが載っているかなと『フランスの子ども絵本史』を読む。
デュエムの挿絵の『Grain d'aile』に出会う。
③友達に『Grain d'aile』を見せる。
友達が「大好きな絵本は『みどりのゆび』」と語る。←デュエムが挿絵。
④友達とマティスのロザリオ礼拝堂いいよねと盛り上がる。←デュエムが助手をしていた。
ということがわずか三日間に展開したのでした
メモ
『Grain d'aile』/フランスの詩人ポール・エリュアール(Paul Éluard)が晩年に書いた童話。
デュエムの挿絵のものは1977年、1995年版がおすすめ。
『わたげちゃん』/『Grain d'aile』の日本語版。
至光社から出版1977年版の絵をそのまま使用。絶版。
『Grain d'aile(グランデール)』/エクリ社から出されたもうひとつの日本語版。
絵はデュエムではなくてオードリー・フォンドゥカヴ。
ジャクリーヌ・デュエム/Jacqueline Duhème。
日本語ではデュエームという表記もあり。
フランス人のイラストレーター。
「Jacqueline Duhème」でグーグルで画像検索すると、彼女のイラストの数々を見ることができます。
ご本人の姿も。
ショートカットのはつらつとした年配女性。
プロフィール・・・
(1927-)ヴェルサイユ生まれ。
18歳でパリに出て、ポスター製作などで著名なポール・コランのもとで学ぶ。
アンリ・マティスの助手をつとめ、モデルにもなったといわれている。
(『みどりのゆび』愛蔵版岩波書店より引用)
ロザリオ礼拝堂/マティスが手がけたステンドグラスがとても美しいです。
切り絵タッチの青いステンドグラスを通して差し込む陽光が礼拝堂の白い床に青い影を落とす様子が素敵。
荘厳というよりも清らかな軽やかな光に満ちた聖なる空間。
デュエムとマティスのつながり/「レジナ」時代にマティスの助手をつとめたデュエムが
その時の様子を『マティス 色彩の交響楽』(創元社)p150~で語っています。
「マティスの1日は五線譜のように規則的です」。
マティスのデッサンに関して「フォルムとともに量感や光まで暗記してから、筆を一気に走らせてデッサンするようでした」。
マティスのアトリエ兼寝室に関して
「ヴァンスのドミニコ会修道院に建築予定の礼拝堂の模型が、早くも真ん中に陣取っています」(青字は引用部分)
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コメント
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たった3日間の間に、数珠つなぎで
こんな素敵な出来事が、起こったのですね! さすがemiさん♪
私も、地元の図書館にあったら
借りてみます☆
素敵な絵本の紹介どうもありがとう
ございます!
投稿: おんぽたんぽ | 2009年12月28日 (月) 18:21
グランデールのフランス語版のイラスト、素敵ですね。日本語版のもお洒落だけれど、私はフランス語版のイラストのほうが好みだなー。
投稿: ポポ手 | 2009年12月28日 (月) 21:43
おんぽたんぽさん。そうなんです!できすぎるような話でした!特に友達が『みどりのゆび』の絵がデュエムと思わず、この絵本が好きなのと口にした時は。そしてまさか友達と「海外の美術館に絵を見に行ったのに他の国で開催の美術展のために作品が展示されていないと悲しいよね」というところから「そういえば、ロザリオ礼拝堂に行ったのに入れなかった」という話になったわけですがそこからさらにデュエムにつながったとは。
さて、おんぽたんぽさんがおすまい(と想像している)市の図書館、県立図書館を調べたところ、フランス語版、日本語版ともないようでした(見落としていたらごめんなさい)。
ただ、国立国会図書館には日本語版の『わたげちゃん』があります。お近くの図書館にない場合は図書館で申しこんで、国立国会図書館の本を取り寄せ(ただし自宅には持って帰れず館内閲覧のみ)できるはずですので機会がありましたら、ぜひ
ポポ手さん。ご覧いただきありがとうございます。1977年版のフランス語版&それを忠実に再現した日本語版『わたげちゃん』、本当に素敵です。至光社さんが再販してくれるといいのですが!
投稿: emi | 2009年12月29日 (火) 09:36