グランプリファイナルでは鈴木明子のステップに鳥肌!!!
フィギュアの全日本の時期になりましたが、グランプリファイナルについて。
じっくりみていないのですが、一番印象に残ったのは鈴木明子のフリー。
リベルタンゴのプログラムと同じくらい気迫がありましたし、
ジャンプ、スパイラル手堅かったけれど、
ジャンプのあとのポジション等こまかなところではキムヨナの方が洗練されているかなとは思いました。
ただ、ステップでは、鳥肌が立ちまくり!!!。
心を揺さぶられ涙が出ました。
多彩な身体の動かし方。弾けて、情熱的で、コケティッシュで。
疲れをまったく感じさせず、輝いてリンクを駆け抜ける姿。
すべての人に、「今の私を見て見て。楽しいの。今滑っているの」って
オーラをほとばしらせているのが、ブラウン管越しにも伝わってきました。
女子フリーで「わあ!」と心動かされたのは鈴木明子とワグナー。
ワグナーは曲も好みですし、スパイラルに入る時の足の上げ方、伸ばし方、
ジャンプを降りた後もそのままアラベスクのようなポジションになっていたり、
こまかなところまで美しいポジションが計算されつくしてそれをこなせているところが素晴らしいと思いました。
やわらかさとゴム鞠のような瞬発力。
技術と表現力はまだまだ磨かれ、今後も名プログラムをつくってくれることでしょう。
キムヨナ。音楽がはじまった途端、カメラで表情がアップになるとか、
リンクの上だけじゃなくて、カメラでの放映の仕方まで計算されているようなプログラム
(カメラがキム・ヨナを把握しているのでしょうが)、
飛距離があることがわかるようにカメラで撮ってもらっています。
すべてのジャンプが流れの中でおこなわれていて
、指先から足の先までどんな時も洗練されたポジションで
「でくのぼう」になっている時がない
(ただ、スパイラルの時のポジションはどこか無防備ですし、決して美しいとは言い切れないところも)。
キムヨナは音楽そのものに身体全身が共鳴してスイングして、
指先からメロディが流れているようにみえるところが最大に惹かれる魅力。
ではあるけれど・・・グランプリファイナルではキム・ヨナ、
安藤美姫に心はあまり動かなかったでした。
彼女たちの方が総合的な技術が鈴木明子より上だとしても。
「挑戦」するよりも「ミスしない安全策」で4分間をそつなくまとめた印象。
もちろん、彼女たちの「そつ」のない、っていうのは他の選手に比べたらとても高レベルなのかもしれない、
ジャンプだって少し難易度を簡単にしても「挑戦」より「ミスせず完璧に」の方がプレッシャーがかかるものかもしれない。
それでも、鈴木明子が全身で
「見て見て。渾身のエネルギーでみんなに今の私を伝えたい!」
と発するような強いエネルギーを二人からは感じられませんでした。
80のレベルの人が「60」に演技をまとめるのと、
50のレベルの人が渾身の力で「55」の演技をするのであれば、
55の人の方が心を打つ、そういうものかも。
だから、思いました。浅田真央がトリプルアクセルを飛ぶのはもう宿命なのかしらと。
彼女は今の採点では不利なプログラム。
挑戦をしないでそつなく加点してもらえるプログラムを滑ったらいいのに、とも思いました。
でも、浅田真央がトリプルアクセルを飛べるのを見てしまった私たちは、
彼女が安全策としてトリプルアクセルを3回転やダブルアクセルに代えたら、「物足りなさ」を感じてしまう気がします。
たとえその技が成功して、順調にプログラムが進んでも、
「気迫」という見えないエネルギーが薄まってリンクを包むでしょう。
だからこそ、浅田真央には失敗のリスクを恐れず、自ら「賭ける」道を進んでほしいと思いました。
記録よりも価値があるのは「記憶」。
その場のすべての人の心を動かすのはプレッシャーと戦って自分の限界を超えようとする人。
たとえそれが失敗で終わっても。
氷上に私たちがみるのは「演技」ではなくて「渾身」から生まれる輝き。
ファイナルでキム・ヨナ、安藤美姫よりも鈴木明子が鮮烈に心に残る今。
すべての選手が思う存分、自分を出し切ってほしい。
演技の後、こんなことができたなんて自らの演技に震えて感動してしまうような瞬間をいっぱいみたいって思いました。
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