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2010年2月20日 (土)

バンクーバー五輪 フィギュアスケート男子シングル

五輪で一番気になるのはフィギュアスケートです。独断の感想です。

【ショート】
プルシェンコ。巧いけれど、限界まで自分を追い詰め、すべて出していますという気迫を感じませんでした。
高橋大輔。素晴らしかった。特にステップ。<音楽にピタッと合わせて踊る>のを見る心地よさ。ピッと止まる。くねっと背をそらすetc.踊る楽しさが伝わってきました。こういう音楽でも上品さを失わないのは彼の天性の魅力。
ランビエール。ジャンプは残念だったけれど自分の強みを見せきった最後のスピンは音楽とともに気持ちが盛り上がりました。サーキュラーステップなどのバレエダンサーのような動きもしゃれていました。
織田信成。すごかった! 
誰もが凄い気合と集中力で臨むショートの中で一番気合が入っていたのでは。長身のランビエールのあとに滑ったのに、小柄な織田が大きくダイナミックに見えました。迫力のジャンプや着氷のやわらかさを見せる最後のジャンプ。ジャンプ3つも多彩な表現。「死の舞踏」のおなじみのメロディーが始まった頃の、タタタタとステップを踏むところも素敵。
ウイアー。素晴らしい。耽美的蠱惑的な持ち味を存分に生かしたプログラム。コスチュームもいいですね。ハードな黒の中にピンク色の甘さ。というバランスがまさにこのプログラムとウイアーそのもの。シットスピンもかがんだ背中の位置がまったく動かなくて、そこにみかんを置いても落ちないぐらい正確。とんでもない体育会系なのにおねえっぽい雰囲気が素晴らしい。でも点が伸びないのは意外。
ライサチェク。素晴らしかった。ジャンプのあとも「どうよ」といわんばかりにフォームを保って、たっぷりと余韻をみせて。休みどころなく、スピード&迫力を
ずっと高いボルテージでキープして最後にさらに盛り上がる。本人が感極まるというような素晴らしい演技に立ち会えるのはうれしいものですね。

【フリー】
アドリアン・シュルタイス。この五輪男子でこれからも一番リピートして見てしまうとしたらこのシュルタイスのフリーかも。妙にはまってしまいました!!
4回転に挑むか、そつなくまとめるか、自分の世界をどれだけ出そうとするか。この3つのうち、1つを達成するのも難しい中、シュルタイスは4回転に挑んで成功、しかも強烈な自分の世界を魅せたのですから快挙。
摩訶不思議、近未来的なテイストがいいですね。わざとなんでしょうか。少し猫背気味。膝もしゃきっとまっすぐというよりも曲がり気味。手もすっと伸ばすのではなくてやじろべいみたにブラ~ン。格好全体がゴム人形のようにぐにゃりとした感じ。トリプルジャンプも微妙に回転が遅くて空中での顔の向きがはっきりとみえるのも狙いなんでしょうか。フルフル回転する顔が人形っぽくって少し不気味でいいです。癖になる名プログラム。
なにより五輪の大舞台でミスなく滑れてしまう度胸もアッパレ。スピンも他の選手とは一味違うポジションがあって新鮮でした。
ジュベール。敗者になった時にその人の内面が現れますね。怪我などの影響でジャンプがことごとく決まらない、など不本意な演技になった時、演技の途中からもう投げ出しているのが見えたり、終わったあと観客に挨拶する時に、本来の出来じゃないんだよというような表情をする選手もいます。でもジュベールは(4chではCMで途切れてしまったけれど)演技後もキスアンドクライでも「本当はこれは自分じゃないんだよ」みたいな様子は見られませんでした。今の結果を真摯に噛み締めるように受け止めている表情でした。ジャンプは決まらなかったけれど、技術&表現力の高さ、そして目指しているスケートスピリットの崇高さみたいなものが伝わってきました。負けた時に出る人間性で、勝った時よりも応援したくなる選手もいる。ジュベールはそんな選手。
小塚崇彦。やりましたね!初めての五輪で4回転に挑んで決めて。なにより小塚の「端正でいて実直」なスケートの魅力が存分に伝わった演技。リンクに立った小塚が演技に向かう時、会場の空気も集中させてしまうような力を感じました。白い百合やカラーの花。セロリ。そんな風にみずみずしくすくっとリンクに立つ姿がいいです。
パトリック・チャンはスローパートが素敵でしたが、フリーの点数も出すぎでしょう。
ライサチェク。最終グループの1番手で他の選手の出方がわからず不利。ミスしたら「負け」のプログラムでことごとくジャンプを決める精神力。最後のストレートラインステップからフィニッシュにいたるまでは見事でしたが、ショートの方が感動しました。一番、エネルギーのほとばしりを感じたのは演技よりも最後のガッツポーズ。
織田信成。ジャンプの後の柔らかい膝のクッションでの着氷。本人のユーモラスな陽気な雰囲気にぴったりのプログラム。まさかのアクシデントはもったいなかったけれど、そのあとの踏ん張りと、観客の後押しにじーんときました。アクシデントが減点になるのは痛いですが、逆に印象は残りました。ジュベールとともに厳しい状況に「負けない」姿でこの五輪に輝きを残したでしょう。
ランビエール。致命的な故障を抱えつつなんですよね。表現力がどんどん増すのに、体の故障でやりたい技ができないジレンマはいかほどの悔しさか。それでも、かがんだまま片手だけを天へと伸ばすスピンでその伸ばした手の位置がまったく変わない様子は、上に透明な天井があって手がつっかえているかのよう。こまやかなところで高い技術を保っている意地を感じました。
高橋大輔。素晴らしかった。失敗しても4回転に挑戦したこと。そしてメダルを取れたこと、本当によかったです。手の表情、音への乗り方、表現力、素晴らしいです。こんなに素敵なプログラムをする選手が日本人にいてうれしかったでした。
ただ、テレビで見ていると会場のアウエイさが伝わってきました。演技のフィニッシュに向けて、今ひとつ観客がライサチェクほど盛り上がっていないように感じたのですが、それはそれだけライサチェクファンにとって、高橋が脅威に思える演技をしたということでしょう。インタビューでも表彰式でもすがすがしい顔をしていて、誇りに思える選手です。
ウイアー。息を止めて見入ってしまう美しさでした。連続ジャンプの2番目のジャンプの時に片手をひらっと上にかざして飛ぶとか、頬に両手を当て、首をかしげているようにみえる振り付けとか、男子ではあまり似合わない「仕草」が似合うのもウイアーだからこそ。フリーの点ももっと高くていいと思うのですが。
プルシェンコ。残念。僅差で金メダルを手にしてほしかった。一番印象的なのが演技が終わったあとの目つきでした。ジャンプはクリーンでなかったし、ビールマンスピンもなし。それでも、ステップ他もう少し、これでもかと難度をみせつける印象のものにしていれば金を手にしていたのかしら。
直前の練習も早めに切り上げたようですし、トリノの頃ぐらいのコンディションで競技に臨める状態ではなかったと推測。ライサチェクの演技に敗れたのは悔しいけれど、トリノの頃の<プルシェンコ自身比>でいけば同じ金を手にしたら、かえってトリノの金メダルの価値がすたるというもの。この五輪は金メダル該当者なし。銀メダルプルシェンコ、ライサチェクが妥当かと。

新採点はわかづらいく、競技をつまらなくしている面もなきにしもあらず。加点が望めないけど美しい振り付け、というものよりも効率主義で同じような演技になってしまっている印象が。
プルシェンコは狙って銀になったわけではないでしょうが、4回転回避の選手が金になったことで、彼の4回転にこだわる提言はさらに生きてくるかも。
今回の結果を受け、今後、4回転回避の方が得策という流れになるのでしょうか。4回転を飛ぶ技術も挑む姿勢もスコアで報わない、しかも4回転に挑み続けたアスリートたちが故障を抱えて今回いい結果を残せなかったことなどを考えて、選手生命を長くするためにも4回転は回避、みたいな流れになってしまうのでしょうか。

ジュベールのフリーを見ただけで、同じ音楽を使ったヤグディンのソルトレーク五輪のEXの振り付けが思い出せる。ウイアーのフリーを見たたけで、同じ音楽を使ったベレズナヤ&シハルリトゼのソルトレーク五輪のショートを思い出せる。そんな、記録よりも記憶に残る場面がたくさんほしいです。

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emi (秋田恵美)

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。
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