バンクーバー五輪、フィギュアスケートのEX
EXをみました。氷上に思わぬサプライズゲストの登場・・・日本地図との競演で。
エキシビションの面白さは、
バックフリップ(宙返り)他競技ではできない技、小道具、ボーカル曲使用OKなこと。
さまざまな照明の元、ドラマティックな演出が可能なことetc.。
選手達にとっては、自分の一番得意なことで観客を楽しませたり、
コミカルな面もあります、こんなアクロバティックなこともできますよ
と、自分の引き出しの豊かさをジャッジにアピールする場でもありますね。
さて、高橋大輔。ビヨークの曲を使ったEXもよかったですが、
LUV LETTER(ラブレター)も名プログラムですね。
日本の情緒。はんなりした雰囲気。
テーマは知らないのですが、桜の頃の甘く儚い気持ちを思い出します。
空から舞う桜の花びらと戯れているような美しいスケート。
振り付けを覚えて滑るというのをはるかに超えて、
この曲が持つ魂に心から同化して演じているのを感じます。
いい意味でナルシスト。
曲の甘さもベースのリズムの力強さも高橋大輔のスケートの魅力と重なります。
和風のコスチュームも素敵。
最後のスピンを上から撮った様子は万華鏡のようでした。
彼がもしピアノやバイオリンに取り組んだらその演奏を聴いてみたいです。
技術うんぬんじゃなく、曲調を自分なりの解釈で豊かに表現できそう。
安藤美姫。ショート、フリーよりすごくよかったです。
観客のために滑っているというよりも自分が音に身を投じて、一筋の想いをこめている。
そんな様子が伝わってきました。
長洲未来。EXでも16歳、初出場を思わせない堂々とした演技。
高い技術、表現力をアピールしましたね。
これから欲が出て、世界の大会で「4位で満足」から「4位で悔しい」に変わる実力者となるでしょう。
川口悠子のペア。ロシェットへの配慮でもあったのかと思うくらい、
コミカル、陽気なプログラムが少ないEXで、明るい演技でしたね。
アクロバティックなリフトのバリエーション、さすが。
浅田真央。あでやかでした。
モチベーション、体力とも疲れが極限にきていると思うのにスピード、キレ、鮮やかなステップ。
美しくて、きっぷがいい。茶目っ気があって。
そんな女性像が浮かぶます。
何か感情を表すような動作をするでもなく、
全体の動き(活発、軽やか、少し挑発的)や表情から、ある女性像を現すことができる、
これも立派な「表現力」ですよね。
プルシェンコ。まるで王者の貫禄。
誰よりも観客が湧いていましたね!
ショートやフリーよりEXが一番全身全霊を注いでいるようにみえました。
激しくて熱くて、煽るのが天性でうまい。
よくぞリンクに戻ってきてくれました。
プルシェンコの経歴は浅田真央と重なりますよね。
15歳の時は五輪に出られず
(プルシェンコは長野、浅田真央はトリノ。
その後、シニアの大会で数多くのメダルを獲得。
ライバルといくつもの一騎打ち(プルシェンコはヤグディンと。浅田真央はキムヨナと)。
初めて出場した五輪ではライバルに負けて銀というところも。
スケートそのものも、卓越したジャンプと、音楽に乗り、リズミカルに踊れる天性の素質があるところも。
プルシェンコが浅田真央を応援するアピールをするのもうなづけます。
浅田真央とキムヨナはツインソウルかもと思うのですが、
浅田真央とプルシェンコももう一つのツインソウルかも。
プルシェンコが銀の次に金を取ったのですから、浅田真央も4年後はきっと。
ランビエール。ジャンプはもう大変そうですが、それ以外で魅せてくれました。
どんな場面もバレエのマイムのよう。
スピンもポジションが優れているだけではなくて、
ちゃんと苦悩とか心の内面が伝わる「ジェスチャー」になっています。
スースーと一足漕いで、もう一足漕いで、手を前に伸ばしながら後ろに滑っていくところも素敵。
キムヨナ。穏やかでやわらかくて、スケーティングの魅力溢れたプログラム。
イナバウアーもきれいでしたが、
上体を起こす時に少しワンクッションがあったので、腰の負担が相当きているのかなとも。
キムヨナと浅田真央のEXは対照的でしたね。
浅田真央がいつものようにメイクを決めて一生懸命滑る様子に、
「まだ勝負は終わらないのよ」と金メダルを逃したことへの意地の美しさを見た気がしました。
キムヨナは女王としての余裕かわからないけれど、
メイクが今までで一番薄く、衣装も地味。
女王になったからこそ「一番輝いていなければ」とメイクをしてゴールドの衣装を着ることもできたでしょうに。
振付、コスチュームともいい意味で昔のロシアや東欧の女子体操みたいな雰囲気がよかったでした。
あげひばりのプログラムの頃のキムヨナを思い出しました。
類まれなスケートの素質のために、五輪で金メダルを取ることが必須となってしまった感がありますが、
本当はシャイな少女のままでいたかったのかなとも。
勝者の君臨というよりも安堵して今までの鎧を脱いで等身大に戻ったような気がするEXでした。
今回の五輪、「自分が見たい自分」を浅田真央はショートで実現し、
キムヨナはEXで実現したのかなって思いました。
観客の盛り上がりがわからず、照明も少し暗く、
金メダリストのアンコールすらないのが五輪のEXとしては異例では。
長野五輪のEXではフィナーレで男子シングルのスケーターたちの挨拶も印象に残っています。
確か金メダリストのクーリックの発案でみんながキャンディローロのダルタニアン風おじぎをしたんですよね。
選手同士が交流して、観客に楽しんでもらおうとしてるいいEXだったと思います。
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毎回emiさんのフィギィアに関するお話
楽しみにしております☆
真央ちゃんとキムヨナ選手は、
ツインソウルー
あっ!それで!と、何だかやっと
色んなことが腑に落ちました。
目標とした課題が違って
それをこなせたかどうか?で見ると
確実にやり遂げられそうな課題を設定し、
後はミスを注意するのみに徹底した
キムヨナちゃんは、金メダル。
真央ちゃんは、次のオリンピックへの
今回は一歩手前のステップと言った
感じの印象を受けました。
そして私は、自分の人生に
どんな課題を設定したら
良いんだろう?って、思いました。
今の自分にも出来そうなこと?
それとも、真央ちゃんの様に
一歩先を狙ったこと?
きっと両方なのかな?
また訳のわからないこと
書いてしまい、ごめんなさいです。
投稿: おんぽたんぽ | 2010年3月 7日 (日) 07:01
おんぽたんぽさん。こんにちは。
>目標とする課題が違っていて・・・
すごく同感です。
私達はどうしたらいいんでしょうね。
成功はできるだけ早く、手ごたえ持って手に入れたいし。
目の前のことで成功を手に入れることを目標。手に入れたらよろこぶ。
手に入れられなかったら、次にもっと大きな成功を手に入れるための布石だわと前向きに考える、でいいのかしら(#^.^#)って思いました。
投稿: emi | 2010年3月 7日 (日) 07:30