中国で雪を「六出花」と表現した作品
中国では雪の結晶が六角形であることが紀元前!に
すでに本に書かれ、そのことが400年代からいくつもの書物に転載されています。
そのため、中国ではかなり昔500年~1200年代(日本で古墳時代~鎌倉時代)に
いくつもの詩で雪の結晶が六角形であることからついた雪の異名「六出」「六出花」「六花」がつかわれているのです。
26日は「六出」という言葉が使われた作品をご紹介しましたが、
今日は「六出花」をとりあげます。
みつけた作品の数は少ないです。
①唐の時代。 宋之問(そうしもん/656-713)の詩「奉和春日玩雪應制」の中で。 北闕彤雲掩曙霞,東風吹雪舞山家。 瓊章定少千人和,銀樹長芳六出花。 注釈として 六出花:雪花,因雪花的結晶:為六角形,故称。と記載されています。 『增订注释全唐诗 第1冊』/主编陈贻焮 文化藝術出版社 2001 p373より抜粋。 ②唐(新羅末期) 崔致遠(さい ちえん/858-)の詩「雪詠」の中で。 五色毫編六出花,三冬吟徹四方誇。 注釈として 六出花 雪花結晶成六角形。太平御覧巻十二引韓詩外傳:「凡草木花多五出,雪花獨六出。」 全唐詩巻五九八高駢訪隠者不遇二首之二云:「六出飛花入戸時,坐看青竹变琼枝。如今好上高樓望,蓋盡人間惡路歧。」の記載あり。 『桂苑筆耕集校注 下』/(新羅)崔致遠撰 中華書局 2007 p588より抜粋。 ③北宋の時代。 ←平安時代。 韓琦(かんき/1008-1075)の詩「喜雪」の中で。 吹開六出花,空際自陵亂。 『全宋詩 第六冊』/北京大学古文献研究所編/北京大学出版社 1992 〔全宋詩 巻三一九 韓琦二〕p3979より抜粋。 ④元の時代。 王仲元(生年没年不詳)の詩「越調 闘鵪鶉 咏雪」の中で。 一色白,六出花,密密疏疏,瀟瀟灑灑。 注釈として 六出:雪花成六瓣結晶,称六出。の記載あり。 『全元散曲 : 广選・新注・集評 (下巻)』/ 吴庚舜、呂薇芬主編/辽宁人民出版社 2000 p987より抜粋。 |
※中国語の簡体字を一部、PCで表示しやすい日本の漢字に直しています。
自分自身で調べてまとめています。十分注意しておりますが加筆修正もあります。
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emiさん、残暑と言いながら、まだ暑いですが、そんな中、雪のことをこんなに丁寧に調べてらっしゃるのですね。。。
そのガッツは、どこから来るのでしょう?^^ 青汁で夏バテ知らずとありましたが、羨ましい限りです。
星空からパワーを、もらっていらっしゃるのかも知れませんね☆
そんなに昔から、雪が六角形だと知っていた中国-大国だなと感じました。
でもやはり、中国もですが
emiさんのこの熱意-恐るべしです!
きっと夏の暑さも、負けそう。。。
投稿: おんぽたんぽ | 2010年8月30日 (月) 19:17
おんぽたんぽさん。読んでくださりありがとうございます。
あのあと実は夏バテしました。食欲は絶好調なのですが、咳の風邪をひきました。どうぞおんぽたんぽさんもご用心くださいね。
雪の結晶はつい調べ者魂が炸裂してしまうのと、ちょっと休むと、せっかく途中まで調べたことが頭から抜けていくのを、ガガーリンシリーズ、星のささやきシリーズなどで実感しているので、余計一気にいこうと思っているところです。(*^。^*)
中国おそるべしですよ!
投稿: emi | 2010年8月30日 (月) 20:47