雪の異名「六出」「六花」「むつのはな」・・・日本では
中国で雪の結晶を「六出」「六出花」「六花」と表現した作品、文献を追ってきましたが、
それは、日本で雪の結晶=六角形がいつぐらいの時代から認識されていたかを確かめるため。
日本で雪の異名に
「六出(りくしゅつ)」
「六出花(りくしゅつか)」
「六花(りっか)」
「六つの花(むつのはな)」がありますが、
これは文字通り、中国語の「
六出(リュウチュー)」
「六出花(リュウチューフア)」
「六花(リュウフア)」をそのまま日本の読み方にしたものなのでしょう。
これらの日本語がいつぐらいから使われていたのか。
雪の結晶に関する文献やサイトではこんな風に記されています。
(青字は引用部分)
①国立国会図書館のサイトの(ttp://rnavi.ndl.go.jp/kaleido/entry/jousetsu134.php#1)
【雪 冬に咲く華】という常設展示のコーナーの【II. 雪華紋様】の項jでは。
日本では平安時代から、雪は「六つの花」と呼ばれ、文学作品の中でよく使われていました。
しかしそれは中国から輸入した知識によるもので、
実際に雪の結晶が六方対称であることは認識されていなかったようです
②数々の雪に関する本を出版されている小林禎作氏は著書『雪華図説新考』(築地書館)
の中で土井利位の『続雪華図説』の本間遊清のあとがきを紹介しています。
雪の異名をもろこし尓天(にて)六出登(と)いひ、和歌丹(に)むつ能(の)花とよみ~
(以下私による略)と。
小林氏自身の言葉でも
古くから雪が六つの花とよばれ、歌などにも詠まれてきたことは、遊清があとがきに述べている通りである
と書いています。(以上p46~48より引用)
③『雪花譜』高橋喜平・古川義純他著では。高橋雪人氏が雪のデザインについて、
平安期に「六花」や「六つの花」と呼ばれ、今日まで盛んに歌に読まれている~(p55)と記しています。
でも、①②③とも具体的に「むつのはな」と詠った日本の作品が紹介されているわけではありません。自力で確かめる必要があります。
私が知りたいのは以下の3つです。
1)日本で平安時代から雪を「むつのはな」と呼んでいたのか。文学作品で使っていたというのなら具体的な作品は。
2)中国で雪を「六出」「六花」と呼ぶ知識が日本に輸入されたのはいつぐらい。どんな文献で確かめられるか。
3)中国からの知識の影響で、雪を「六出」「六花」と呼ぶようになった時、
当時の日本人は雪が六角形(六方対称)であることも知っていたのか。
ただ言葉を借用しただけで雪の結晶が6弁の花であることは認識していなかったのか。
次回はこれらの疑問を解決すべく追っていった日本の文献をご紹介します。
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