エコのアベマリア。おごそかに心あらわれるひととき
12月の足音が聞こえてくる季節。
クリスマス向けに雪の結晶のディスプレイが街の中にあふれる季節。
もっともアヴェマリアが聴きたくなる季節です。
あわただしくなるからこそ、おごそかで清められるような音楽に触れてみたくなります。
このブログでもいろんなアーティストのアヴェマリアやクリスマスソングをご紹介してきましたが、
私がとても愛聴しているアルバムを今日はご紹介します。
それはエコさんの『アベマリア・ミュージックコンセプションズ・ウィズ・エコ』 。
すべての曲が素晴らしいアルバムです。
私にとって4大アヴェマリアは
バッハ-グノーのアヴェマリア、
シューベルトのアヴェマリア、
カッチーニのアヴェマリア、
サンサーンスのアヴェマリアなのですが、この4曲も収録されています。
なんといっても歌声が魅力的。
リキミなくのびやかに広がっていくその声は、透き通ったキラキラ光るヴェールのよう。
オペラ歌手やクラシックの方たちが舞台で歌う時の歌唱法って、
広い劇場の後ろの壁にまで声が風圧ともに「どん」と届く。
そんな印象を受けます。
エコさんは「風圧」を感じさせない、ふわっとした歌声。
空気抵抗がなく、すぅっと溶けるように空間に広がってゆく気がします。
このふわっすぅーという不思議な心地よさ、
あえてたとえるとするとコーセーのスキンケアアイテム「フレッシュコンセントレイト」。
パウダーなのに手のひらに乗せ、指で触るとすうーと液状化していくなんとも不思議なテクスチャを思い出します。
声は「音」だから「聴覚」で認識するものだけれど、
エコさんの歌声は<ふわっとしてすぅ>と触感でも感じさせる稀有な歌声です。
この名盤。
何曲か特にご紹介しますと。
「カッチーニのアべマリア」やアルビオーニの曲は、
重厚にドラマティックに歌い上げるアーティストが多い中で、
エコのこのアルバムの曲は演奏も歌もかろやかに、けれど切々としっとりとしみこむ楽曲となっています。
「サンサーンスのアべマリア」。よろこびにあふれキラキラ。
このアルバムは、エコの歌の合間のインスト楽曲もおごそかなアレンジとなっていて、大人のクリスマスにぴったり。
私は特に最後の2曲、「バッハ-グノーのアべマリア」と「天国にて」の流れもとても好きです。
マリア様を慕い、願う気持ちがこめられているような可憐できよらかな「バッハ-グノーのアベマリア」の後、
少しの静寂があって「天国にて」(インストゥルメンタル)がはじまります。
「天国にて」は同じメロディーのリフレインが少し幻想的でほんの少しSFチック(あくまで私の主観です)。
天国の扉がひらき、
空から光が地上にさしこむ。
気象現象の「天使の梯子」のようなビジュアルがひろがります。
「バッハ-グノーのアべマリア」までの楽曲がマリア様への願いをつづったものならば、
「天国にて」はマリア様からのアンサーミュージック、そんなイメージがしてしまうのです
(またまた主観)。
少し幻想的な明るさで終わるこのアルバム、
天に思いが通じたそんなHAPPY ENDを感じさせる珠玉作です。
このアルバムのプロデューサーの石原眞治さんの音楽を最初に聴いたのは、
映画『地球交響曲ガイアシンフォニー Ⅱ』の中の曲でした。
石原さんご自身のアルバムもとても素敵なので、あらためて近日ご紹介いたします。
※天使の梯子の写真は「フォト蔵」の中からのまあぱんさん撮影の写真です。
雲間から射す光がとても綺麗。
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