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2011年1月30日 (日)

『実隆公記』で発見! 彗星、日蝕月蝕、夜の虹?も

1月27日のブログの続きです。
『実隆公記』。
あまりにボリュームがあって、
続群書類従完成会から出されている20巻の5巻までしか目を通していませんが、
とても面白いです。

実隆が筆でさらさら書いている原文は私には解読不可能。
この本は活字で起こしてくれているのでありがたいです。
すべて旧暦で書かれています(
※)は暦変換サイト「換暦」(ttp://maechan.net/kanreki/)で私が変換した西暦、ご参考までに。
『実隆公記』からの引用部分は青文字。
旧漢字の一部はこのブログの入力の都合で現在の漢字に直しています。
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実隆 彗星を見る!

延徳2年11月22日(※西暦1491年1月11日)の日記より


抑西方如彗星之星光現 (巻二下 p504)

抑=そもそも。接続詞。
<西方に彗星のような星の光が現れた>となるでしょうか。
1491年に彗星なんてきたのかしら、とネットでみてみると。

国立天文台のニュースを2つ発見!

★1996年3月7日の天文ニュース(21)

【もっとも地球に接近した彗星の話】の中で
1491年2月に1491 B1彗星が0.0094天文単位にまで近づいたといわれてはいますが、この軌道は正確なものではありませんので、この表には含めてありません。
と書かれています。(ttp://www.nao.ac.jp/nao_news/mails/000021.txt)

★2003年12月11日の天文ニュース(688)より
1979年に長谷川一郎(はせがわいちろう、大手前大学教授)さんは、東洋の古記録を調べて、1491年初頭に現れた「C/1490 Y1」という彗星がりゅう座流星群の母天体の可能性があると指摘していました 
と書かれています。(ttp://news.local-group.jp/naoj_news/688.html)

実隆がみたのはこの彗星に間違いないでしょう。

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実隆、隕石の音を聞く?

文明10月14日(※西暦1483年11月23日)の日記。
今夜有流星云々、鳴動驚聴了 (巻一下 p466)

<今夜、流れ星があって、大きな音がして驚いた>という意味でしょうか。隕石が大気中を通過する時の音を聞いたのかしら。

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金星が木星を隠す?

文明15年9月28日(※西暦1483年11月7日)の日記

聞、去廿六日太白侵歳星、将軍愼、大喪連、萬民飢、兵革□、占文旨可愼者也 (巻一下 p461)
太白は金星、歳星は木星のことです。となると、
<さる26日に、金星が木星を侵したことを聞いた>という意味でしょうか。

金星が木星を侵すという意味がわからないのですが、金星が木星の前を横切って隠したということなら、天文用語でいうところの「掩蔽(えんぺい」かなと…。ネットで少しみた限りでは1483年にそんな現象があったという記録はみつけられませんでした。

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実隆、夜の虹(ムーンボウ)を見る?

文明17年5月16日(※西暦1485年7月7日)の日記

天快晴、及晩雨濺、虹霓現 (巻一下 p593)
<空は快晴、晩に雨そそぐ。虹が現れた>と書かれています。

この虹が謎です。「晩」の雨の後に現れたということですよね。となると考えられるのは二つ。
(1)「晩」が何時頃か。古語辞典で「晩景」は夕方の風景とでるので、雨が降ったのは夕方でそのあと西日を受けて虹が現れた。
(2)「晩」が現代のように夜になってからの時間だとしたら。虹が出たのも夜となります。
となると・・・・・意味するのは「ムーンボウ」。
虹というと太陽の光がつくるものというイメージが強いですが、満月などの光量の多い月だと、太陽と同じように虹を作ることができるのです。太陽が作る虹ほどカラフルなものにはなりませんが。
旧暦は月の満ち欠けとリンクしていて15日前後が必ず満月となります。
旧暦の5月16日の月も満月か月齢14、16日ぐらい。となるとムーンボウも十分みることができるのです。

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日蝕

文明16年9月1日(※1484年9月29日)の日記

今日日蝕巳午刻也、但分明不現、後聞、八分蝕云々、暦面所注十五分半云々 (巻一下 p514)
<今日日食が午前9時~午後1時の間にあった。みることはできなかったけれど、あとで聞いたころによると部分日食(8割)だった>ということでしょうか。

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月蝕

文明18年7月16日(※1486年8月15日)の日記

晴、月蝕申酉戌刻云々、皆虧正現 (巻一下 p700)
皆虧は皆既のこと。<皆既月食がみられた>ということですね。

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七夕の夜

延徳2年7月7日(※1490年8月2日)の日記

天晴、星夕佳期、幸甚幸甚 (巻二下 p
441)
七夕の日の日記です。佳期はデートのこと。
<空は晴れて彦星と織姫星の逢瀬がうまくいっている、このうえない幸せ>って書いているのですね。

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梅雨の長雨

文明18年5月(旧暦の5月なので今の6月の梅雨の時期)(巻一下 p676~683)
1ケ月間、非常に雨が多かったことがわかります。1ケ月の日記の天気に関するところだけをまとめてみると
1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日(地滑りがあったことが書かれています) 9日 10日 11日 12日 13日 14日 15日 16日 17日 18日 19日 20日 21日 22日 23日 24日 25日時々 26日時々 27日 28日 29日 30日

ひと月の半分ぐらい雨が降っていたことがわかります。

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その他、実隆の風流さetc.がわかる表現。

◆文明18年9月13日(※1486年10月19日)

陰雨降、名月無念々々 (巻一下 p713)
旧暦9月13日の月はいわゆる「十三夜」の月。豆名月、栗名月と呼ばれ「十五夜」の月と並んで名月と言われています。<曇り、雨降る、名月無念無念>と繰り返すところに名月がみられなかったがっくり感がでていますね。

◆文明19年2月9日(※西暦1487年3月13日)

天晴、風静和暖、始而知窓之春色 (巻一下 p759)
 空は晴れてそよ風が吹いてあたたかくて、窓のそとには春の色というどのかな風景が目に浮かびます。

◆日記を読んでいくと、実隆が見てきたこと、感じたことがわかってきて親近感を感じてしまいます。
時々でてくるのが「終日無事」という書き込み。
たとえば文明9年閏正月2日 (巻一上 p204)には
終日安閑無事。7日(p205)には、雪降、終日無事

終日無事が書いていない日は、事件が起きたのかしら。だからこそ、終日無事ってかける日はほっとして筆を走らせたんだわと実隆の様子が目に浮かびます。

◆延徳3年7月26日(※1491年9月9日)

竹取物語終日書写 (巻二下 p614) 
竹取物語を終日書き写していたということなのでしょう。

◆延徳3年8月14日(※1491年9月26日)

今夜月輝清明、言語道断也 (巻二下 p618)
旧暦8月15日は「十五夜」。15日前後が必ず満月となります。きっとこの年は14日が満月だったのかなと思います。言葉にあらわせないほど清らかで美しく輝く月だったのですね。

◆明應2年5月26日(※西暦1493年7月18日)

夕立雨降、雷鳴甚、入夜電光如晝 (巻二下 p710)
晝=昼。<夕立が降って、雷がものすごく鳴っている。夜になって電光が昼のようである>
情景が目に浮かびます。現代と違ってネオン、フラッシュなど人工的な明るいものがない室町時代。雷の明かりは現代の人よりはるかに恐ろしい明るさに感じたことでしょう。

以上、『実隆公記』から、興味を持った箇所をご紹介しました。古典の専門家でも、古天文の専門家でもありません。
「実隆公記に書かれている天文現象は当時、確かにあった」etc.ご存じの方はぜひ情報を教えてくださいませ。

「実隆公記」シリーズは2月8日に続きます。

2011年1月27日 (木)

室町時代の貴族の日記『実隆公記』に出てくる雪の結晶の表現「六花」と「雪花」

日本海側の大雪、大変な思いをしている方も多いことと思います。
『北越雪譜』の「初雪」の項で鈴木牧之は、初雪を観て吟詠遊興を楽しむのは暖国の人がすること、
雪国で暮らす人にとっては苦しみが多いと書いています。

雪の結晶が綺麗、なんて言っている場合ではないのでしょう。どうぞ被害があまりでませんように。

さて、室町時代に書かれた「実隆公記(さねたかこうき)」。
のページを追っています。
というのも、この書物に雪の結晶をあらわす「六花」という言葉がでてくることが『雪華図説新考』小林禎作著(p53)に書かれていたからです。

続群書類従完成会から全20巻で刊行されている『実隆公記』を調べるとすぐみつかりました。
第1巻(巻一上)の文明6年1月。 
9日の日記 天晴、六花少落 (p 5)
18日の日記 六花 (p6)

と雪を「六花」と表現して書かれていました。
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私が、なぜ、「六出」「六花」という言葉を追っているのかといいますと、
日本で雪の結晶が六弁の花の形であることがいつから知られていたのか

を知りたいからです。
『実隆公記』。面白いので、ページをめくっていると、新たに発見。それは第4巻(巻二下)のp480。
延徳二年9月26日の日記です。

雪盈地、九月雪凡近代不聞其例之由耆老皆相談、寒嵐又過法、恰如極寒中
と書かれてあるくだりに、
そめかふる梢の雪に秋もなし
という発句があり、また、
六花所々有贈答詩哥(私メモ/哥は歌のこと)という記述もありました。

『実隆公記』は室町時代後期、貴族の三条西実隆(さんじょうにしさねたか)が書いた日記です。居住は京の都。
9月の雪は近代その例を聞いたことがない、と書いてありますが、この日付は旧暦。西暦でいつになるのか調べました。
手がかりは『実隆公記』延徳2年11月3日の日記。今日が冬至と書いてあるのです(p497)

冬至=西暦でいうと毎年12月22日頃。延徳2年11月3日が12月22日として逆算。9月26日は西暦11月14日あたりでしょうか。

そして、重宝なサイトをみつけました。「換暦~暦変換ツール」というサイト(ttp://maechan.net/kanreki/)です。
このサイトで入力すると、延徳2年9月26日は西暦(グレゴリオ暦)11月17日と出ました。

環境省のインターネット自然研究所→四季の自然学習室→初雪前線を辿ると(ttp://www.sizenken.biodic.go.jp/pc/ikimono/thema/10/setsumei/yuki02.html)、
近年、京都の初雪の平均は12月15日、この100年ぐらいでもっとも早かったのが11月4日であることが書かれています。

実隆の時代も11月中旬の雪は珍しかったのでしょう。

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「実隆公記」、非常に面白いです。約60年間日記を続けていて、日々の天気やお勤めのことを書いています。

現代に実隆が生きていたら、ブロガーになっていたことは間違いなし!

(巻一上)
文明8年正月の章では

9日  晴、雪霰時々降
10日 晴、雪時々降
11日 晴、雪時々散 (p135~136)
というように、この日記ではほとんどが、雪散、雪降という書き方(巻一上~巻三上をチェック)で「六出」「六花」がでてくるのは上記のみ。

ただ、雪に関しては、「雪花」とも表現しています。

(巻一上)
文明8年1月28日の日記で 
暁天嵐氣甚雪花

(巻一下)
文明13年2月15日の日記では 
なかはなけ春を時かは雪の花 (p382)

文明15年11月10日の日記では
雪飛耶絮落
という表現があります。 (p473)
絮は草木の綿毛のこと。綿毛のように雪が舞い降りている様子を表現しているのでしょうか。

文明18年7月4日の日記では
詠寄月十如是和哥として和歌が十編記されており、<如是縁>として
雪花のなかめにわきて月をのみめつるもよゝのえにしありけれ (p695)


ただし要注意です。<雪の結晶を六出、六花と表現している>=<雪の結晶が六弁であることを知っている>とは限りません。中国から雪の結晶を「六出」「六花」と表現した漢詩などが伝わっていますが、「言葉」として伝わっただけかもしれないからです。
「雪花」という言葉も、結晶の形が花のようだった、と当時の人が認識していた証拠にはなりません。
というのも、雪が舞い散る様子を花びらが散る様子にだぶらせたり、雪が枝に積もる様子を枝にたくさんの花が咲く様子に見立てただけかもしれないからです。

そうそう、文明17年11月22日(巻一下 p636)の日記では、雪合戦のことかなって思う記述も発見。
雪が続いたあとのこの日、児女等打雪有興と書いてあるのです。子供や女性たちは雪を投げあって遊んだという意味でしょうか。

さて『実隆公記』には彗星や虹などの記述も興味深いです。続きは1月30日に。

【雪の結晶の文化】INDEXはこちら
雪の結晶全般はこちら

2011年1月23日 (日)

私流『戦争と平和』(トルストイ著)の読み方(その4)響く箇所を

その3の続きです。印象に残った言葉をいくつかご紹介します。

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2011年1月22日 (土)

私流『戦争と平和』(トルストイ著)の読み方(その3)ラインマーカー出動

その2のつづきです。

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2011年1月20日 (木)

私流『戦争と平和』(トルストイ著)の読み方(その2)ドーロホフの登場場面

私流『戦争と平和』の読み方(その1)の続きです。
『戦争と平和』トルストイ作、米川正夫訳(岩波文庫/1984改版)全四巻から
ドーロホフがでてくる主な箇所を紹介します。
引用部分は青文字。私が文章を略したところは(◇)印を入れました。

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私流『戦争と平和』(トルストイ著)の読み方(その1)発端

ロシアが好きというと、
トルストイやドストエフスキー、チェーホフに造詣が深いように思われたりすることがありますが、
いわゆる<正しいロシア文学>は疎い方です。
でも、一作ぐらいはきちんと「ロシア文学」を読んでみたい!
とトライしたのがトルストイの『戦争と平和』でした。

でも何度も読みかけては挫折。
それでも、ある読み方をしたら、ものすごく面白くて、ぐいぐい惹きつけられて読み切れたのです。
今回は私流『戦争と平和』の読み方をご紹介します。

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2011年1月16日 (日)

スターズ・オン・アイス2011、テレビでみました

スターズ・オン・アイス2011について

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2011年1月15日 (土)

革に夢中

革が好きです。1年前にブッテーロという革を知ってから、
ブッテーロの紺色で財布、ワイン色で手帳カバーを工房にお願いしようと思い、
どんなデザインがいいかと迷う幸せな日々。

その日々の中で、最初にオーダーをお願いしたのは財布でも手帳でもなく、
愛用しているかばんの取っ手でした。
ナイロン製で軽くて丈夫。重たい本をガンガン入れてきたバッグ。
取っ手が壊れてしまったので、「ブッテーロでお願いしたらどうだろう」と思ったのです。

Buttero_5
↑そしてできあがった、マイ初ブッテーロがこちらです。
艶やかさがどこまで写真でご覧いただけるかわかりませんが、
美しい照り、そして肌触りがいいです。2ケ月ぐらい使用して、
キャメル色の革が今はもう少し濃い色になっています。

そして私の革オーダーの記念すべき2つ目が下↓のカードケース。
実はこれは革工房を訪ねた時に初めて知って、一目ぼれした革なのです。

その時の話を。
上記のブッテーロをお願いしに革工房にうかがった時、男性が訪ねていらしたのです。
こちらの工房ですでにいくつかの製品をオーダーされていらっしゃるというその方は
「作ってもらったものがとてもよくてこんな風に味がでてきたよ」と報告がてら来訪されたのでした。

そのお財布を見せていただいて私の目はハートになりました。
なんともいえない奥深い緑色。
漆のような、内側から静かに発光しているかのようなおだやかな艶の美しいこと。
見ず知らずの私にも触らせてくださったのですが、ずっと触れていたいような肌に吸い付く触感。

それがコンビなめしのバッファローだったのです。
革に目覚め、ミネルバ、ブライドル、サドル、いろんな革に目を留めてきましたが、
バッファローはスルーしていました。
こんな美しい革があるなんて。

男性はこの革の色を「ボトルグリーン」と表現されました。

ボトルグリーンというのは深い緑色のボトルの色。
イギリスの飲み物のアンティークなボトルがそういえばボトルグリーン色だったなーと思い出しました。

男性が「深緑」ではなくて「ボトルグリーン」と表現したことに風情を感じましたし、
自分でデザインを考え、それを革工房のKさんにブラッシュアップしてもらって仕上がった
自分だけの逸品を持つということが最高の贅沢だと思いました。

そして私の予定変更。ブッテーロの取っ手を作っていただいあとは、
財布か手帳カバーと計画していたのに、
すぐその場で、<バッファローのボトルグリーンで何かがほしい。
財布か手帳カバー以外で、そうだカードケースを!>と願い、作っていただいたのでした。

こちらがそのカードケースです。
ベビーバッファローは粗いしぼがなくつるつるした革です。
デザインは私が今まで使っていたカードケースを元にリクエストを加えました。
Cardcace2

それがこの回数券ポケット。2種類の回数券を12枚ずつぐらい入れられます。
内側を向いているので、落ちることはありません。
パッと開けて、サッと取り出せるのがとっても重宝。
Cardcace3_2

この革はインドのものですが、私には北欧のイメージ。というのも、少しスモーキーな色合いのため。
ロシアや北欧のどこまでも続く針葉樹林の森、東山魁夷の描く青みがかった霧がかかったような森を想わせます。
そこで、雪の結晶の刺繍をしていただきました。
冬の森に雪が舞う、をイメージしてみたのです。とても綺麗!

Cardcace4_2
革の裁断面(コバ)は切り目本磨きをリクエスト。
スカートやパンツの裾みたいに折り返してヘリをかがる、のではなく、断面をロウで仕上げる方法です。

切り目本磨きを触った時のすべすべ感がものすごく好きです。
もうフェチの領域です。

Tama
猫の鼻筋って微妙に毛流があって、
こんな風(赤い矢印)に指の腹で撫でるのがすごく好きなのですが、
切り目本磨きのコバを指の腹で撫でる時も同じような気分。
すべすべさが心地よくて、テヘ~となります。

すでにカードケースは何ケ月の使用で、どんどん艶が出てきています。
電車に乗っている時も、取り出して、艶を見て、吸い付くすべすべの手触りにうっとりしています。

この革はベビーバッファローをクロムとタンニンのコンビなめしをした革。
SCバッファローとも呼ばれます。
この1年で得ただけの知識を披露させていただくと、クロムなめしは革の色がほとんど変化しないもので、
タンニンなめしは使っていくほどに色が濃く深まったり、
艶が出てくるという味わい、つまり経年変化(エイジング)が楽しめるのが魅力です。
経年変化が楽しめる革、自分が使うごとにどんどん自分のものになっていくっていうのは本当に魅力があります。

「美容」の世界ではアンチエイジングがポイントですが、
「革」はエイジングでいい味が出てくることこそ醍醐味だと思うと、
私自身も時の流れをこわがらずに、きれいに経年変化したいなあー、
ブッテーロやベビーバッファローのように内側から発光するようなつややかな肌でいたいなあーと思います。

このカードケースの2020年の様子はこちらに。

色うっとり【アート】【雑貨】【本】INDEXはこちら

2011年1月10日 (月)

中国で六出が出てくる文献さがし。「釈名」に記載はあるのか

多くの方はご興味のないことと思いますが、
中国で雪の結晶を「六出」と表現している文献を探している中で、
1つ疑問だった文献が「釈名」でした。
まだ途中ではありますが、自分自身の整理のためにも書きました。

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2011年1月 9日 (日)

土井利位候の雪華が描かれた落雁「六華」。情緒あります

Rakuganmutsunohana
石川県加賀市の
中谷宇吉郎雪の科学館を訪ねた方から、
お土産に雪の結晶をかたどった落雁をいただきました。

新潟の大杉屋惣兵衛(ttp://homepage3.nifty.com/ohsugiya/)の「六華(むつのはな)」というものです。

美しいです。

添えられた山吹色の紙に、雪華図と、
鈴木牧之の北越雪譜(天保年間)の雪の図を形どり内物にいたしました。
日本伝統の和三盆糖でつくりました
という文章があります。

「北越雪譜」は江戸時代、鈴木牧之が越後の雪国の生活を記した本。
この本の中で使われているこの雪華は、すべて土井利位の雪華図説からの引用。

つまり、この落雁「六華」は土井利位の作品でもあるのですね。
Rakuganmutsunohanaup
クリーム色がとても愛らしい落雁です。
1つの大きさは2㎝×2cmと小ぶりで、一口つまむのにちょうどいいサイズ。
口どけもよく、最後に、綿菓子を食べた時のような、
きゅんとした甘みが口の中にひろがり幸せな気分になります。
15種描かれているのもいいですね。

落雁、最初に噛む確かな手ごたえやスウッと溶ける口どけって、
雪の結晶モチーフにぴったりですよね。
新雪を踏みしめるあのきゅきゅとした固さや雪がはかなく溶ける様とつながります。

さて、土井利位候の地元、茨城県古河市にも
利位の雪華をモチーフにした銘菓「おが和」の「雪華圖説」と「桂月堂」の「雪華(ゆきはな)」があります。
こちらは2008年2月4日のブログをご覧ください)

「北越雪譜」は現在でも岩波文庫で出されています。


北越雪譜 (岩波文庫 黄 226-1)

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雪の結晶全般はこちら

2011年1月 2日 (日)

浦和の玉蔵院、お庭が素敵

調神社からケーキやさん、アカシエに行く途中に玉蔵院に寄りました。

閑静で素敵なところです。


春はしだれ桜が見事。
今はまだ枝だけ。
Gyokuzouin1

お庭は白砂に文様が描かれていて、京都の竜安寺をちょっと思いだせます。
遠目でおわかりにならないかもしれませんが、
まるで庭に石を配置するみたいに、猫が配置されていたんですよ。
(黄色い矢印のところ)
Gyokuzouin2

配置、っていうのはウソで、
ただ猫ちゃんが勝手に座ってひなたぼっこしていたんですけどね。

この黒猫はひとなつっこくて声をかけると尻尾を振ってよろこんでくれます。名前は「ボク」とか。
Gyokuzouin3

あわただしい毎日の中で、ここを訪ねると心落ち着く、
そんな自分だけのスポットを持てるってささやかなぜいたくですよね。

つきのみや神社にいってきました

あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2011年がよい年となりますように。

さて、今年は卯年。埼玉県・浦和にある調神社(つきじんじゃ)に行ってきました。
つきじんじゃというのが正式な言い方らしいのですが、
「つきのみや」という名前で親しんで育ってきました。

調の宮=つきのみやとなるところから「月の宮」にかけて、この神社では兎が神様の使いであるとか。

狛犬のかわりにうさぎが両側にいます。
いずれも小さなうさぎが足元に。親子でしょうか。

左側
Komausagihidari_2

右側
Komausagimigi2

手を洗い口をゆすぐ手水舎↓
通常は水の神である竜がいることが多いと思うのですが、
こんな風にうさぎの口から水が。
Usagichouzu1
むくっとした鼻筋、今にもぴくぴくしそうな鼻、鼻の下、かわいいです。

横から。
Usagicyouzu2
口から水を出しているのですが、うさぎが身を乗り出して水を飲んでいるみたいにみえちゃいます。

後ろ姿。
ちゃんとしっぽもあるんですよ。
Usagichouzu3

本殿に向かう両側の木には
うさぎの絵の羽子板が。
Usagihagoita

本殿の建物の木彫の部分にも左右にうさぎがみえます。
(ディズニーランドで隠れミッキーを探すみたいに、うさぎ探し楽しいです)


Usagihondenhidari


Usagihondenmigi
       
絵馬にもうさぎや月のモチーフが。
Usagiema

Usagiema2

置物もうさぎもかわいいです。
こまうさぎをデザインしたものかしら。
Tsukinomiyausagi

ご利益ありますように。

↓別の角度から
Tsukinomiyausagi2

2011年1月2日のお昼前の状況ですと、
旧中山道の正面からお参りする行列、かなり長く伸びていました。
旧中山道沿いの日本茶カフェ&ギャラリー「楽風」の前を超えて、
日本政策金融公庫のあたりまで伸びていました。

調神社のお参りのあとは、ここから歩いて10分ぐらいのところにある玉蔵院を訪ねるのもおすすめです。
ほとんど訪ねる方がいらっしゃらず、静けさに満ちていました。
玉蔵院についてはこちらに。

(2015.5.28追記 月とつきのみや神社はこちらに)

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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