平将門と北斗七星
平将門にまつわる神社などをつなぐと北斗七星の形になるときいて、
グーグルのマイマップで地図を作ってみました。
クリックしていただくと画像が大きくなります。
右上から、線の通りに辿って
鳥越神社(台東区鳥越/将門の首が飛び越えたところ)
兜神社(中央区日本橋/将門の兜を埋めたところ)
首塚(千代田区大手町/将門の首が飛んできて落ちたところ)
神田明神(千代田区外神田/将門を祀る)
築土神社(新宿区筑土八幡町/将門を祀る)
;※現在は別の場所に移転。江戸時代は築土八幡神社隣にあり。
水稲荷神社(新宿区西早稲田/将門の霊調伏するためのところ)
鎧神社(新宿区北新宿/将門の鎧が眠っているところ)
となります。確かに北斗七星の形になります。
将門を守護したとされる妙見菩薩は北斗七星と北極星を神格化したものということで
将門にまつわる場所が北斗七星の形になるというのもなるほどと思わせます。
が、気になるのは、ではアルコルはどこ?ということ。
北斗七星のひしゃくの柄の先から2番目の星ミザール(水稲荷神社にあたる/上記の地図だと左から2番目)は二重星でア
ルコルという星が脇に見えるのです。
「 アルコルにあたる神社もあったらおもしろいな~、芸がこまかいな~」と思って探したのですが、
位置的には豊島区高田の氷川神社かな~と思うもののとくに将門にまつわるいわれはわかりませんでした。
赤いピンは新宿区歌舞伎町の鬼王神社。
将門を祀り、その幼名、外都鬼王から社号を取った(『平将門伝説』村上春樹 p340より)
とされる神社なので北斗七星にからむと面白いなーと思ったのですが、北斗七星の線画のラインからはずれてしまいました。
さて北斗七星の形をなぞると、次にしたくなるのは「北極星」を探すこと。
地図の上でみると位置的には足立区青井あたりかと思うのですが、将門に関連する場所はみつけられず。
「足立区 将門」で検索してもこれ!というものがでてこず、
ただし「足立区 妙見」で検索すると「中曽根神社」がヒットしました。
赤いピンが中曽根神社です。
室町時代に千葉次郎勝胤公によって中曽根城が築城。
その城の一部に千葉氏は信仰する妙見社をつくっていた、それが現在中曽根神社になっているようです。
千葉氏は、平将門の叔父、平良文を高祖とする家系、そして将門と同じように妙見信仰を受けづいてきた家系。
中曽根城も妙見社も将門とは直接関係なくても、ゆかりといえるかしらと私自身は納得。
北極星の位置よりは少し左寄りになってしまうけれど。
さて、ミザールの二重星アルコルの存在は日本で古くから知られていました。
鎌倉時代の百科事典『塵袋』にも書かれています。
北斗ノ輔星ト云フ小星不レレ見バ シ(死)ヌルト云フ、如何ナル本説アリヤ。
妙見神呪経云、北斗輔星ト者二妙見之輔相也。若シ三輔星王不レ見者其ノ人将サニ レ死云云。此ノ事カ。
(『塵袋 1』東洋文庫723/p61 )
↑レ点などがブログでうまく表示できずわかりづらい文章になっています。
江戸時代の百科事典『和漢三才図会』の天部で北斗七星も紹介されています。
和漢三才図会では、輔星はこんな位置に描かれています。「開陽」がミザールですね。
将門と北斗七星は多くの方が調べていらっしゃるので私は深追いせずここまでにします。
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