冬になると、とりわけ曇り空の日に聴きたくなる名曲、シベリウスの樅の木
冬になると聴きたくなる曲というと、クリスマスのイメージの華やかな曲も多いですが、
どんよりした曇りの日は陰鬱な曲も聴きたくなります。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番と並んで、
冬になるとコートを取り出すみたいに、冬になると取り出すのがシベリウスの樅の木。
2007年1月21日のブログでもご紹介させていただいた曲です。
雪のおおわれた北の大地。冬でも枯れない針葉樹が白い雪をかぶって、
日差しを浴びてキラキラ。なんて風景ではありません。
端的に言えば、暗い、メランコリックな曲です。
聴いて広がるのは、どんよりとした曇り空。
低い位置で雲の奥に弱々しく姿を見せている太陽。
雪がすべての音を吸い取ったような静けさ。
でも、この曲、波打つピアノの調べがダイナミック。激しいです。
そして時折やわらかなタッチで現れる甘い調べ。
今は冬だけど、華やぎがあった夏を思い出しているような、
それこそ人生の終盤に、若い情熱多かりし頃を思い出しているような、
そんなドラマ(主観ですが)を感じさせる曲。
最後は息を整えるように静かに終わります。
【圧倒的な厳しさ。その奥に本当はほとばしっている情熱、甘さ】
厳寒の森の中の焚火。雪の下の苺。
樅の木にも、ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番にも、
北欧やロシアの人が風土からおのずと魂に刻み込まれてきた精神性を感じます。
最近アマゾンのmp3を活用しています。1曲から購入できること、試聴(わずかな時間ですが)ができるのも便利。
『樅の木』も舘野泉さんの演奏の曲が購入できます。
↓AMAZON mp3
曲名:シベリウス『樹』の組曲から『樅の木』
演奏:舘野泉
収録アルバム:『EMIレコーディングス・セルフ・セレクション』
曲の長さ:3分05秒
舘野さんご自身が1970年代の音源の中からセレクションされたアルバム『EMIレコーディングス・セルフ・セレクション』の収録曲です。
冒頭の写真は私がロシアで撮ったもの。
数字が示すように96年の大晦日の風景です。
年の瀬のあわただしさと無縁の小高い丘。
ロシア人女性が一人たたずんで景色を眺めていました。
随分前のことなのに、この時の静けさ、凛とした空気感を今でも思い出せます。
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