2012年2月 フィギュアスケート四大陸選手権
フィギュアスケート四大陸選手権をテレビでみました。
【女子ショート】
村上佳菜子/なんといっても村上佳菜子が凄かったです。気迫に満ちた演技。
こんなに何かに全身全霊をこめた濃い2分50秒があるのだろうかと思うほど、素晴らしかったです。
浅田真央/演技後の笑顔にほっとしました。片足だけでずっと滑りその間にたくさんの振付をおこなう
選手が増えてきましたが軽やかさ、なめらかさ、動きの多彩さ、スピード感などにわたって浅田真央が
だんとつですね。パーフェクトとはいえないまでもトリプルに挑戦できたことも満足なのでしょう。
今井遙/魅力的。なで肩だからかもしれませんが、なんともいえないやわらかさがあります。
腕の動き、頭から首、背中にいたる姿勢とか、ぴしっというよりもふわっとした「はんなり」したやわらかさ。
佐藤由香もクラシックバレエのポジションや動きとは一線を画すやわらかさが魅力的でした。
ピアノを弾く時の手を置き方を、「たまごをつかむように」と言いますよね。あんなふうにふわっと腕を広げる
佐藤由香に似ている雰囲気を感じました。
キャロライン・ジャン/随分大人っぽくなりましたね。ついこのあいだティンカーベルみたいに小柄で
細かったのに。体つきが変わり、才気走ったところが無くなりましたが、どの瞬間も美しいポジションは健在。
ジャンプの後もフリーレッグ、広げた指先まで美しく、どの瞬間も切り絵にしたいくらいのパーフェクト
ポジション。最後のパールスピンからビールマンにいたるスピンの美しさ他、情感が増しました。
これからも楽しみです。
【男子フリー】
町田樹/実に楽しいスケートをする選手ですね。
高橋大輔/ブルース・フォー・クルック。素晴らしかった!
あまり好きな曲ではないのですが、見るたびに味わいが深まるスルメみたいなプログラム。
手拍子を入れるプログラムでもないのに、どんどん引き込まれて、静かに熱い気持ちになっていく。
前半のタ、ティティターという音に合わせた動き他、音一つ一つと合った動きが気持ちよくて、
それが最初から最後まで続いていて、本当に地味に密度の濃いプログラム。
決して「乗れる」曲ではないですし、誰もが知っている曲ではありません。
高橋大輔は以前ヒップホップの曲を選んだということで、「革命」と騒がれた時期がありましたが、
この曲をショートはまだしも、長いフリーで使うことの方がよっぽと革命と言えると思います。
パトリック・チャン/音楽の緩急とぴったり合った大きな動きの振付が気持ちよかったです。
4回転2回が決まったのも見事。
高橋大輔もそうですが、最後まで高地の過酷さを感じさせない、素晴らしい対決でした。
【女子フリー】
今井遙/万全の状態で臨めていないのでしょうけれど、足を挙げてつかむスパイラル綺麗でした。
コメントでも決して故障などのせいにしていない受け答えぶりに品格と聡明さを感じました。
キャロライン・ジャン/どの瞬間もポジションが美しい。胸元に持ってきた手を広げる時もいろんな
バリエーションがあって魅了されました。手の甲の優美な使い方も天下一品。
隙があるとしたらジャンプの最中ぐらいか。
村上佳菜子/素晴らしいし、密度も濃いですが、すこしせせこましい印象が。表情もいっぱいいっぱい。
もう少し、スケーター自身がこの動きが気持ちいいの~と楽しみながら動くところが見られたら
私たちにもそれが伝わるのにと思いました。
浅田真央/愛の夢。トリプルアクセルを決めたい飛びたいという意思がすごいですね。
そしてこのやわらかさ。上質な。軽やかさ。なめらかさ。
「もがいて重い体でハアハア滑っている」のではなく軽やかにみせることができる浅田真央だからこそ
表現できる夢心地の世界。
あれだけのプログラムを滑りきってもその後、息をハアハアつかないところにもアスリートとしての
身体能力の凄さ、普段からの練習量がうかがえました。
トリプルアクセルを跳びながら、2位というのは・・・
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