♪遊びをせんとや生まれけん~桃源郷を感じさせる音楽
春。梅、桃、桜がもう少ししたら咲くという時期になると、
甘く、やさしく、懐かしく、
そして少し胸が痛くせつない気持ちにさせる音楽が聴きたくなります。
「懐かしい」というのは子供の頃を思い出してノスタルジックというよりも
もっと昔、彼岸の彼方を思い出す感じ。まるで桃源郷のような。
今一番気になるのはNHK大河ドラマ「平清盛」の中で流れる「遊びをせんとや」。
早速Ituneで1曲購入をしました。
2分25秒の曲で200円。松浦亜弓(まつうらあゆ)ちゃんの歌声がいいです。
途中のオーケストラや鉄琴や鈴、しゃらしゃらした音もいいです。
♪遊びをせんとや生まれけん。
戯れせんとや生まれけん。
遊ぶ子供の声きけば、
わが身さえこそ動(ゆる)がるれ
この歌は、平安末期に編まれた歌謡集「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」の中にあるものですね。
もちろん当時のメロディーが現存するわけではなく、
NHK「平清盛」の音楽を手掛けた吉松隆さんの作曲ですが、
平安の昔、こんなメロデイーの歌が本当にあったんじゃないかなと思わせる何かがあります。
日本人のDNAといいますか、胸の奥に眠っている何かにしみわたる音楽。
美しくひだまりのようなやわらかさがあってそれでいて哀しい曲ですね。
子供たちが過酷な生活をして命も落としている、
だからこそ、あえて「遊びをせんとや生まれけん」なのでしょうね。
本当は遊ぶために生まれてきたのに!という思いがこめられている気がします。
そして大人になるといろんな欲が生まれて、
複雑な人間社会の中で生きていくことになるけれど、
どんな大人でもこの世に生まれたのは「ただ遊びたかっただけなのだ。子供のように無邪気に」
そんな風に顧みさせてくれる音楽です。
まるで人生の最後に走馬灯のようにいろんな場面がよみがえってきて、その中で流れるようなメロディー。
↓アマゾンでは今日現在「平清盛」のサントラの試聴ができます。「遊びをせんとや」は4曲目です。
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残念ながらAmazon MP3で一曲購入はできないようでが、Itune他で1曲購入できます。
「遊びをせんとや」は作曲者の吉松隆さんが試作段階で初音ミクに歌わせていたということをききましたが、
少し初音ミクっぽいテイストに歌声を響かせています。生々しい人間ぽくないというか。
そしてyoutubeにnononchannelさんがアップしている初音ミクの「遊びをせんとや」もいいです。
ttp://www.youtube.com/watch?v=vCGAVsPd74E(2012.2.19現在)
「初音ミク 遊びをせんとや NHK大河ドラマ平清盛より 梁塵秘抄」。
また、11曲目「夢詠み…紀行」18曲目「友愛」24曲目「安息」は舘野泉のピアノなんですね。
その他、桃源郷を感じさせ、春のうれしいけれどなんともいえないせつなさを感じさせる音楽を挙げると。
2008年4月4日にもご紹介いたしましたが、
賈鵬芳(ジャーパンファン)の「チェリーブロッサム」とユーミンの「花紀行」。
それからユーミンは「春よ来い」もいいですね~。
昨年末の紅白では一番感動しました。
サビのバックに♪は~るよこい、は~やくこい の合唱が入るのですが、
童謡「春よ来い」がこんなにいいメロディーだったのかと心にしみました。
すごく昔からの歌ではないのに、やはり私たちのDNAを震わせるような調べですね。
あと、中村 中(あたる)の「友達の詩」も、
特に季節は謳われていないですし、ご本人が経験した辛い思いから生まれた歌だと思うのですが、
想う心とせつなさをそっとそっとくるむような、風にほどいていくような、
そんな調べがなんともいえず心の奥深くに広がる郷愁を感じさせます。
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コメント
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平清盛、私も毎週観ています☆
「遊びをせんとや」-これは曲として、
購入できるのですね!
良い曲だなと、私も思っていました♪
>甘く、やさしく、懐かしく、そして少し胸が痛くせつない気持ちにさせる
音楽が聴きたくなります
そう言えば、お雛様もそんなに
明るい曲調ではありませんものね。
emiさんは、星達の動きからも
季節を感じていらっしゃいますよね。
前にも書いたかも知れませんが、きっと天空にも、星達が動くことで
音楽が流れているんじゃないかな?と
勝手に想像しています。
私達が生まれた瞬間も、その音楽を
切り取った瞬間。。。どんな曲が流れて
いたんだろう?
>どんな大人でもこの世に生まれたのは「ただ遊びたかっただけなのだ。子供のように無邪気に」そんな風に顧みさせてくれる音楽です。
ここを読んだら、ぐっときて
泣きそうになりました☆
追記:コメントアップの件、もしかしたら何度も同じ事を、過去にも書かせてしまったかもと反省してました。
アップされるまでの待ってる間、やきもきはしませんが^^、覚えが悪くて
emiさん、本当にごめんなさい☆
投稿: おんぽたんぽ | 2012年2月19日 (日) 18:05
おんぽたんぽさんは「平清盛」毎週ご覧になっていらっしゃるのですね!
私はなかなか腰を落ち着けてみることができていないのですが、この曲が流れるとぽおっ(*^。^*)としてしまいます。3分満たない曲で1曲200円は高いかなあなんて思いましたが、リピートで何時間分も聴いてしまって元はとれています(^O^)
>きっと天空にも、星達が動くことで
音楽が流れているんじゃないかな?と
勝手に想像しています。
びっくり。ピタゴラスはおんぽたんぽさんと同じことを感じ取っていたのですよ。
日本では「天球の音楽」と訳されていますが、宇宙を巡る天体は人間にはきこえないけれど妙なる調べを奏でて運行していると考えていたのです。
おんぽたんぽさんは古代ギリシャの方のうまれかわりかしら。
ただ遊びたかっただけ。本当にそう感じる時あります。
「♪遊びをせんとや」は自分がたくさん身に着けてしまったいろんなものを一枚一枚はがしてくれるような「素」に戻らせてくれるような曲だなと感じます。音楽の力って大きいですね。
投稿: emi | 2012年2月19日 (日) 20:26
ピタゴラスさんも、そうだ!
同じことを仰っていましたね☆
私は、ピタゴラスさんの言葉を
知る前から、漠然とそう思っていた
のかな。。。
天体の動きのどこまでが、地球の気象に
影響を与えているのでしょうか。
emiさんが、プラネタリウムで
「この曲」を流そう♪と思われるのは、
地上と空、太陽や月だけでなく、
天体全体に流れる音楽も聞き取って、
決めていらっしゃるのかも?と、
ふと思いました。
投稿: おんぽたんぽ | 2012年2月21日 (火) 11:08
おんぽたんぽさん。私も星や朝焼け、いろんなものをみていると音がきこえてくるような気がします。音色という言葉があるように、見えないはずの歌声に、「透明感のある歌声」という表現をするように、私たち人間はいろんなものから「音」や「色」やハーモニーを感じ取っているのかしら、と。
>「この曲」を流そう♪と思われるのは、地上と空、太陽や月だけでなく、天体全体に流れる音楽も聞き取って、決めて
ハイヽ(^。^)ノ。それを心掛けていました!
今はプラネタリウムのレギュラー番組をかかえておらず、調べものに邁進中の身ですが、かつて担当していた時は、この曲は、まさに夜明けの場面の空気感そのものだ! 冬の星座から聞こえてくるように感じる音を再現していくれている曲は~、あ、これだ~みたいな感じで選曲させていただいていました。♪♪
投稿: emi | 2012年2月23日 (木) 09:01