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2012年5月17日 (木)

小判草とフラワーフェアリーズと「やはり神様はいる」と思った話

皆様は小判草(コバンソウ)ってご存知ですか。
ご存知ない方にはどんな植物かご想像しながら読み進めていただければと画像は下の方に。

①奇妙な植物との出会い。
6年ほど前の夏の終わり、自宅から少し遠征の散歩中にギョッとするものを見ました。
たくさんの虫が草にぶらさがっているのです。
蝉の抜け殻のような明るい茶色で、腹に筋がある・・・・
ミノムシのように風にぶらぶら揺れています。
よく見ると虫ではなく、植物の実?の部分でした。
ちょっと気持ち悪い、生まれて初めて見る植物。
湯たんぽにも見えることから暫定的に「湯たんぽ草」と名付けました。
また会いたいな~と、翌年に同じ場所を訪ねてみたのですが、湯たんぽ草は無くなっていました。
花屋でみかけることもなく、他の場所で出会うこともなく月日が経ちました。

②この植物の名前が判明したのは去年のこと。
なんとイギリスのシシリー・メアリー・バーカーが描いた『フラワーフェアリーズ』シリーズにいたんです。

Flower Fairies of the Winter

 

 

『Winter』の中の「The Totter-grass fariy」です。
小さな湯たんぽがたくさんぶらさがった枝をThe Totter-grass fariyの妖精が掲げています。
妖精のスカートのすそにも湯たんぽが。そして首元にも湯たんぽがネックレス状につけています。

感動しました。
この植物がイギリスにもあったことに。
シシリー・メアリー・バーカーも知っていたことに。
そして、虫みたいで気持ち悪い造形なのに、彼女は可愛らしい妖精に仕立て上げていることに。

③『Winter』の中でThe Totter-grass fariy、Quaking-grassと紹介されていることから
、和名を調べ、日本では「小判草(コバンソウ)」ということがわかりました。

④名前が判明したものの、相変わらず見かけることはまったくありません。
花屋でも売っておらず、花?が咲くのが5月ぐらいからと知ったものの、
生息地をみつけられず、依然、幻の植物。

⑤季節はめぐり、またコバンソウの時期となりました。
先日ブログ検索で「コバンソウ」をかけたところ、かなりヒットしました。
「今年は当たり年」と書いている方も何人もいます。
写真を添えてコバンソウを紹介されている方もいっぱいいるのですが、
どこの土手で、どこの空き地でと明記している方がみつからず・・・。

コバンソウ。どこかに群生しているらしいんだけど会えないもどかしさ。
バラは高いけれど、お金さえ出せば花屋で買える。
コバンソウはお金を出しても買えない。私の中でコバンソウ>薔薇となりつつありました。
ブログ検索を続けていると一人、場所を明記している人をみつけました。
その場所は私の自宅から電車と徒歩で1時間20分ぐらいの場所。
近日行こう!と決めました。

⑥とはいえ私の近くに生息していないものかと、5/13地元の川沿いを歩いてみました。成果なし。

⑦今週の月曜5/14のことです。
いい天気。午前中早く仕事が一つ終わったので、近所の別の川沿いを調べることにしました。
近所といっても歩いて40分ぐらいかかります。
1時間に3本ぐらいバスが出ていたはず、と停留所をめざしたら、ちょうどバスが発車したところ。
ダイエットにもいいかと歩いて行ったのですが、
結局この川沿いにもコバンソウの姿はなく、徒労に終わりました。
帰りこそバスで戻ろうとバス停にいくと、
1時間に3本はあると思ったのに昼時はさらに本数が減っていて、
12時22分のバスのあとは13時7分まで来ません。
時計を見ると12時29分。
「しょうがない。帰りも歩くか」とバス停に背を向けて歩き始めたところ、
脇をバスが過ぎていきました。
あああ~と手を伸ばしてもバスは気づかずみるみる小さくなっていきます。
22分のバスが遅れていたってことなのですね。

もう10秒バス停でぐずぐずしていたら乗れたのに。なんて運が悪いんでしょう。
運が悪かったのはもう一つ。このバス停がカーブにあったことです。
見晴しのいい直線の道だったら、バスがやってくるのが遠目でも見えていたはず。
カーブだったからこそ、もうすぐやってくるバスに気づけず背を向けてしまったのです。

しょうがなく行きとは別のルートで帰ることにした私。
「なんであのタイミングでバスが来るかな。
私がバス亭を目指して歩いている時にも通らず、
バス停で時刻見ている時も通らず、諦めて背を向けた途端に脇を通るなんて」
「でもあんなタイミングでバスに乗れなかったのは何か意味があるはずだ。
これで、帰り道にコバンソウをみつけちゃったりしたらすごいけど。
そんなできすぎたことあるわけないし」
などあーだこーだ思いながら歩きました。

⑧視線は地面に、コバンソウ探しを続けながらテクテク20分ぐらい歩いた頃でしょうか。
一軒家の食堂の脇を通った時、びっくりしました!

コバンソウがはえていたのです!ヽ(^。^)ノヽ(^。^)ノヽ(^。^)ノ

風でゆさゆさ揺れるコバンソウ。

20120514kobansou1
バスに乗り遅れなかったら歩くことはなかった場所です。
ありがとうございます!神様~!と思いながら激写を繰り返しました。

⑨激写を終えて、今度は軽い足取りで帰宅の途に。
するとすぐにアメリカンダイナー風のお店が。
お昼は焼魚と決めていたのですが、テイクアウトのハンバーガーが食べたくなり、入ってみました。
店内でハンバーガーが出来上がるのを待ちながら、
携帯で撮ったばかりのコバンソウたちの画像をみると・・・。
アップで撮れたと思ったものがぼけています。
日差しの下だと液晶画面がまぶしくてチェックできないんですよね。
ハンバーガーの焼き上がりまであと5分ぐらいかかるということだったので、
もう一度さっきの場所に戻ることに。

⑩コバンソウの接写をしていると、
「何を撮ってんのお?」と声をかけられました。
出ていらしたのはこの食堂のおばさんのようです。
「さっき、携帯で写真を撮っている様子を中から見ていてなんだろうって思ってたのよ。
今あそこには咲いている花はないし」。
写メに夢中で気づきませんでしたが、
食堂の中から私がパシャパシャしているのが見えていたのですね。

コバンソウが気に入っていること、
自生している場所を探して川沿いを歩いたけれどみつけられず、
諦めて帰宅するところだったこと、
その道中にこちらでコバンソウをみつけて感激し写メさせてもらっていたこと
を打ち明けると、
「昔はあの川沿いにもいっぱいコバンソウはあったんだけどなくなっちゃったわね~」
とおばさん。
そして「ちょっと待ってて」と中に戻り、また出ていらしたのです。
コバンソウの鉢を持って。
「コバンソウを知らない人も多いのに、この植物を気に入っているんだったらあげるわ!」と。
「この草は雑草だからむしっちゃって大丈夫」と手際よく
鉢の中の他の草を摘み取りながら、私にコバンソウの鉢を差し出してくださったのです。
「手に提げられる袋を持ってくるわね」と
店内からレジ袋を持ってきてそれに入れてくださいました。

その後、コバンソウを提げながら家まで帰ったのですが、
コバンソウが咲いている場所は他にはなし。
ここの食堂1軒だけ。

こちらがくださった鉢。店内に飾っていらした鉢かもしれません。
本当にありがとうございます。

20120514kobansou3
いうわけで、隣県の公園に遠征しなくてすみました。

A)公園。写メは撮れる。切って持ち帰ることはできない。
B)土手や野原。探すのが大変。写メ撮れる。切って持ち帰り可かな。
の選択を考えていた中で、このどちらでもなく
C)育てている人に会う。写メを撮る。自分の分も手に入れる。

という考えてもいないありがたい展開になったわけです。

☆バスに乗り遅れたおかげで、コバンソウに出会た。
☆アップを撮るために戻ったおかげで鉢までいただけた。
ふたをあけてみれば、最良の結果になっていたのです。
やっぱり神様っているんだな~って思いました。
20120514kobansou5
↑フラワーフェアリーズの妖精「The Totter-grass fariy」とmyコバンソウ

コバンソウのアップ。
虫か湯たんぽにしかみえません。
20120514kobansou6

コバンソウをカットして仕事場でお披露目しました。
葉っぱだけの鉢にコバンソウを挿したら、「スズラン」のようなビジュアルになりました。
20120516kobansou

ちなみにコバンソウの花言葉は、 素朴な心、興奮、お金持ち、心を揺さぶる、だとか。

コバンソウ後日談はこちら2012年6月3日
フラワーフェアリーズシリーズ その1 その2 その3 その4 その5

(2020.5.13追記)
フラワーフェアリーズの妖精はコバンソウではなくて姫コバンソウかもしれません。
(詳細はこちら) 

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コメント

よかったね!!!
コバンソウ入手、おめでとう~!!!


神さまって、粋な計らいをしてくださいますね。
想像もつかなかった、最良のできごとが起きましたね。

神さまのメッセージにしっかりと気づいて受け止めたemiさん、すばらしい。

Orangeさん。ありがとー。
本当に神様っていきな計らいをされますよね。それにしても、私が別のルートで帰るかもしれなかったわけで、空の上ではらはらしなかったんでしょうかね~。
毎回ご利益を期待しちゃいけないけれど、乗りはぐれことがあった時は、意味があるのだと腹を立てないようにしようと思います。

面白い形の草ですね! はじめて見たかも。
風に揺れるとサラサラと鳴りそうです^^
私も神様っていると思う! ここ2年ぐらい特にそう感じます。

しーかんさん。
ご覧いただきありがとうございます。
しーかんさんもぜひ生でご覧いただきたいです。ちょっとぎょっとします。
しーかんさんが神様はやっぱりいると思われた、この2年間にできごと、興味あります~。
私がブログにログインするパスワードを忘れてしまい、しーかんさんのコメントアップが遅れてしまいました。失礼しました。

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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