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2012年6月17日 (日)

雪の結晶番外編/江戸時代の顕微鏡シリーズ(2)ダイジェスト年表

ダイジェスト年表です。
青文字=文献にでてくる顕微鏡の言い方。
紫文字=顕微鏡による雪の結晶観察。顕微鏡で雪の結晶を観察した人がいかに稀であったかおわかりいただけると思います。

ただし書きはこちらをご覧ください。
=====================================

①~⑤の詳細はこちら

①1568年(永禄11年)『南蛮寺興廃記』作者不詳。凸レンズの虫眼鏡の日本伝来の記述あり。※室町時代

②1720年(享保5年)『長崎夜話草』西川如見・西川正休著。
 五之巻【長崎土産物】の項で
虫目鏡の記載あり。

③1732年(享保17年)『万金産業袋』三宅也来著。
 
虫目がねの記述あり。顕微鏡のことかは不明。


1744年(延享元年)長崎奉行田村阿波守又四郎のため、菱型模様ガラス付きの顕微鏡一体の納品
1746年(延享3年)田村阿波守、顕微鏡2体受け取る
1752年(宝暦2年)作右衛門が顕微鏡2体受け取る
1754年(宝暦4年)長崎奉行が出島商館長にイギリス製の顕微鏡を陛下及び皇太子に献上することを伝える。

⑤1765年(明和2年)『紅毛談』後藤光生著。
 顕微鏡で蜘蛛、人髪を観察。記述は
虫目がね

⑥~⑩の詳細はこちら


⑥1775~1825年(安永4~文政8年)推定。小野蘭山が顕微鏡で雪の結晶を観察。スケッチなし。

⑦1774年(安永3年)『解体新書』クルムス著。杉田玄白他訳。
 【凡例】に
顕微鏡(ヲホムシメガネ)の言葉あり。

⑧1778年(安永7年)『森山孝盛日記』森山孝盛著。
 平賀源内宅において顕微鏡で灯心、髪、のみ、虱、かびを観察。記述は
虫目鏡

⑨1778年(安永7年)『帰山録草稿』&『帰山録』三浦梅園著。
 長崎旅行の際、吉雄耕牛宅で顕微鏡にて人髪、灯心を観察。スケッチ有。記述は
見微鏡、顕微鏡
※1778年はこの旅行の年。

⑩1781年(天明元年)『顕微鏡記』中井履軒著。
 顕微鏡で蚊、ハエ、しらみ、あごひげ、花粉などを観察。顕微鏡の構造について詳しく述べる。記述は
顕微鏡

⑪~⑮の詳細はこちら

⑪1781年(天明元年)製造。国産最古の顕微鏡。島津総業記念資料館(京都)に現存。取扱い説明書有り。記述は
顕微鏡

⑫1781年(天明元年)『五月雨抄』三浦梅園著。記述
顕微鏡

⑬年代不詳1780~1799頃(安永9~寛政11年頃)か。長沢芦雪画。
 顕微鏡で蚤を観察。 『蚤図扇面』を描く。スケッチあり。

⑬-②年代不詳。『淇園文集 詩』 皆川淇園著  
 長沢芦雪が顕微鏡で跳虫(蚤)を描いたことを記している。記述
澄鏡

⑭1787年(天明7年)『紅毛雑話』森島中良著。
 顕微鏡の図と簡単な取扱い方を記載。司馬江漢筆による顕微鏡観察のスケッチ(穀物、昆虫)あり。記述は
顕微鏡(むしめがね)、ミコラスコービユム

⑮1787年(天明7年)「大小絵暦・虫眼鏡拡大図」司馬江漢画。
 東京国立博物館所蔵。顕微鏡による米、粟、胡麻、芥子の実、米、水引の花をスケッチ。記述は
虫目かね

⑯~⑳の詳細はこちら

⑯1794年(寛政6年)『北槎聞略』桂川甫周編。
 大黒屋光太夫らの見聞をもとにしたロシア誌。大黒屋光太夫がもらった顕微鏡の絵あり。記述は
顕微鏡(むしめがね)、ミテレスコッポ、ミテレスコープ

⑰寛政7年1795年『西遊記』橘南谿著。
 顕微鏡で水、油、塩、酒などを観察。記述は
虫目鏡

⑱1796年(寛政8年)『天球全図』司馬江漢著。 
 顕微鏡で雪の結晶と昆虫を観察。スケッチあり。記述
顕微鏡


⑲1796年(寛政8年)『和蘭天説』司馬江漢著。
顕微鏡の記述あり。

⑳1796年(寛政8年)『虫看鑑野辺若草』十返舎一九著。
 タイトルに
虫看鑑(むしめがね)が出てくる。

(21)~(25)の詳細はこちら

(21)1800年(寛政12年)頃。遠藤高璟(たかのり)作顕微鏡。

(22)1800年~1805年(寛政12年~文化2年)か。北斎が顕微鏡を描く。(スペンサー美術館に「Microscope」のタイトルで所蔵)。日本での作品名わからず。

(23)1802年(享和2年)桂川国瑞、江戸城にて将軍家斉に顕微鏡用法を語る。

(23)-②1802年(享和2年)『新撰洋学年表』大槻如電著(新撰洋学年表は昭和2年刊か?)
 桂川氏等がオランダ人を訪問し、顕微鏡について尋ねたことを記す。記述は
顕微鏡

(24)1802年(享和2年)『長崎オランダ商館日記 一』ウィレム・ワルデナール著/日蘭交渉史研究会訳。
 9月18日の日記に顕微鏡が出てくる。原文
microscoop

(25)1803年~1805年(享和3年~文化2年)『本草綱目啓蒙』 小野蘭山著。

(26)~(30)の詳細はこちら


(26)1804年~1817年(文化元年~文化17年)頃。「阿蘭陀画鏡(おらんだえかがみ) 江戸八景」北斎画。
 八景の作品を納めた袋に顕微鏡が描かれている。

(27)1809年 (文化6年/序は文化4年) 『虫鑑(ムシカガミ)』高玄竜著。 鴻伯解編。
 顕微鏡で寄生虫、しらみなどを観察。顕微鏡本体の図、スケッチ、解説あり。記述は
顕微鏡

(28)1809年(文化6年)合巻『松梅竹取談』山東京伝著。歌川国貞画。
 ノミ、シラミ、蚊の形をした妖怪があらわれ人を襲う場面がある物語。

(29)1810年(文化7年)推定。『独笑妄言』司馬江漢著。
 顕微鏡で蟻を観察。スケッチあり。記述は
微鏡、顕微鏡

(30)1811年(文化8年)完成。『千蟲譜』栗本丹州著。
 顕微鏡で虫を観察。スケッチあり。記述は
顕微鏡

(30)-2 1807年~1827年(文化4年~文政4年)頃。『本草図説』岩崎灌園著。
顕微鏡でノミ、シラミ、ブヨを観察。スケッチあり。記述は顕微鏡

(31)~(35)の詳細はこちら


(31) 1813年(文化10年)頃。土井利位((45)『雪華図説』を1832年(天保3年)に発表)、この頃より雪の結晶を顕微鏡で観察か。(土井利位が古河藩主の養子に迎え入れられ、鷹見泉石と出会った頃からと推測)

(31)-2。1816年(文化13年)『天地理譚』司馬江漢著。
 顕微鏡で湯気、虫を観察。記述は
顕微鏡(ムシメガネ)

(32)1818年(文政元年)成立。『花月草紙』松平定信著。
 顕微鏡でハエを観察。記述は
けみきゃう

(32)-2。1818年(文政元年)滝沢馬琴が鈴木牧之にあてた手紙の中で、顕微鏡について触れる。記述は
蘭製めがね、蘭製のむしめがね。

(33)1819年(文政2年)『解剖存真図 坤の巻』南小柿寧一著。
 顕微鏡で人体の表皮、毛髪などを観察。スケッチあり。記述は
顕微鏡

(34)1820年(文政3年)名古屋で顕微鏡でノミ、虱等を見せる見世物がおこなわれる。
 『見世物雜志』小寺玉晃著に記録あり。顕微鏡本体のスケッチあり。記述は
阿蘭陀渡りの蟲眼鏡

(35)1825年(文政8年)『結夏随筆』鎌田昌長著。
 顕微鏡でしらみ、人髪などを観察。記述は
顕微鏡

(36)~(42)の詳細はこちら

(36)1826年(文政9年)頃。宇田川榕庵がシーボルトから顕微鏡を贈られる。現存。早稲田大学所蔵。

(37)1826年(文政9年)。『重訂解体新書』クルムス著。杉田玄白ほか訳。大槻磐水重訂。
 顕微鏡の説明、顕微鏡本体の絵(扉絵)あり。記述は
顕微鏡、密哥魯斯華弼穵(ミコロスコビア)

(37)-2。1826年(文政9年)。渡辺崋山、『ビュルゲル対談図』の素描の中で顕微鏡本体を描く。

(37)-3。1827年(文政10年)『気海観瀾』青地林宗著。ヨハネス・ボイス(Johannes Buys)の『Natuurkundig schoolboek(自然科学の教科書)』から引力、光、音、気象現象などのくだりを訳した日本初の物理学書。
【気孔】の項で
顕微鏡の記述あり。

(38)1823~1828年(文政6~文政11年)推測。二宮敬作がシーボルトから顕微鏡を贈られる。現存。宇和町教育委員会所蔵か。

(39)19世紀前半頃、シーボルトの来日の頃と思われるドイツ製顕微鏡が。長崎で発見(長崎新聞2012年1月2日より)。

(39)-2。1828年(文政11年)頃。『雪の形状試験の説』(マルチネットの『Katechismus der Natuur/格致問答』1778年版からの翻訳)猪俣昌之訳、高橋景保校。記述は
顕微鏡

(40)1829年(文政12年)『北窓瑣談』橘南谿著。顕微鏡で油、水の中の微生物を観察。記述は
顕微鏡

(41) 1830年(文政13年)『劇場一観顕微鏡』黙々漁隠著。
 さまざまな角度からの芝居の見方を顕微鏡にたとえただけ。

(42)1830年(文政13年)『屠赤瑣瑣録』田能村竹田著。
 顕微鏡で覗いた油、水の中の微生物について。記述は
顕微鏡
※私メモ/(40)『北窓瑣談』橘南谿の文章とほぼ同じ。

(42)-2。1830年(文政13年)『甲子夜話』松浦静山著。
土井利位が描いた雪華を転載して紹介。記述は顕微鏡


(43)~(45)の詳細はこちら

(43)1831年(天保2年)渡辺崋山が大原道斎所有の顕微鏡を田原藩主三宅康直に献上。顕微鏡で糠粃(あらぬかとくず米)の中の虫を観察。

(44)1832年(天保3年)『再種方』大蔵永常著。
 顕微鏡で稲のおしべめしべを観察。スケッチあり。 記述は顕微鏡

(45)1832年(天保3年)『雪華図説』土井利位著。
 顕微鏡で雪の結晶を観察。スケッチあり。 記述は


(46)~(47)の詳細はこちら

(46)1833年(天保4年)『植学啓原』宇田川榕庵撰。刊行を天保5年、天保8年としている資料もあり。
 顕微鏡で花粉、おしべめしべを観察。スケッチあり。記述は顕微鏡、ミコラス

(47)1833年(天保4年)頃。『植学独語』宇田川榕庵著。1823年頃という説も。
 顕微鏡で蕨、きのこ、黴、麹などを観察。顕微鏡、ピンセットの解説詳しい。記述は顕微鏡

(47)-2。1833年(天保4年)『甲子夜話』松浦静山著。
顕微鏡の壁面投影の記述あり。記述は顕微鏡(ムシメガネ)

(48)~(49)の詳細はこちら


(48)1833年(天保4年)『綿圃要務』大蔵永常著。顕微鏡で綿花を観察。スケッチあり。記述は顕微鏡

(49)1834年(天保5年)『農家心得草』大蔵永常著。顕微鏡でムギを観察した花井一好の図に解説を加える。スケッチあり。記述は顕微鏡。

(50)~(52)の詳細はこちら


(50)1837年(天保8年)『北越雪譜 初編』鈴木牧之編撰、京山人百樹刪定。土井利位が描いた雪華のうち35種を謄写して『北越雪譜』内に収める。また、顕微鏡で観察した雪蛆(せつじょ)のスケッチを掲載。記述は験微鏡(むしめがね) 。

(51)1840年(天保11年)『続雪華図説』土井利位著。
 顕微鏡で雪の結晶を観察。スケッチあり。

(52)年代不明。1832~1852年(天保3年~嘉永4年)頃か。『本草図説』高木春山著。
 顕微鏡でユスリカと雪の結晶を観察。スケッチあり。記述は顕微鏡


(52)-2  1840年(天保11年)ごろと推定『蟲譜』吉田高憲。

(53)~(58)の詳細はこちら

(53)1850年(嘉永3年)。※銅版画内には嘉永元年の文字あり。
 銅板画「微虫図」土田英章画。国立科学博物館蔵。
 顕微鏡で微生物を観察。記述は
顕微鏡

(53)-2。年代不明 ※序文は1856年(安政3年)『虫譜図説』飯室昌栩。
 顕微鏡で虫を観察。スケッチあり。記述は
顕微鏡

(54)年代不明。微塵鏡。

(55)1860年(万延元年)『顕微鏡虫之図』。顕微鏡でノミ、虱、蚊などを観察。スケッチあり。

(56)1860年(万延元年)頃。国産のべっこう製の顕微鏡現存。

(57)1868年(明治元年)金武良哲が顕微鏡を自作。

(58)年代不詳。隠匿謹慎中の1860年(万延元年)前後か。『群虫真景』徳川慶勝。「以見微鏡模写図」として、慶勝自身が描いた昆虫のスケッチを画帖『群虫真景』におさめています。顕微鏡で蟻他を観察。スケッチ。熊蟻がクールでかっこいいですlovely。アングルが素晴らしいです!!
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上記年表に組み入れていませんが、この他、江戸時代の顕微鏡関係者(顕微鏡を所有、作成、観察した、スケッチを残したなど)として名前が挙がるのは以下の人物になります。()は詳細未確認の人物。
飯沼慾斎、伊藤圭介、高松凌雲、(徳川慶喜)、(鍋島茂義)

鍋島茂義が治めていた佐賀県武雄市の歴史資料館には18世紀後半と思われるイギリス製万能顕微鏡が所蔵されています。「文化財オンライン」のこちらのページ ttp://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=205228# で画像見られます。

【江戸時代の顕微鏡シリーズ】INDEXはこちら
雪の結晶全般はこちら

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emi (秋田恵美)

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。
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