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2012年12月19日 (水)

2012年12月 フィギュアスケート グランプリファイナル

2012年12月 フィギュアスケート グランプリファイナルをテレビでみました

【女子ショート】リプニツカヤの欠場は残念。シニアになって今後どう身体が変化するのかわかりませんが、彼女しか創りだせないポジションの美しさ、ハッと思わせる動きがいくつもあって、ソチに向けて一番のびしろがある選手ではないでしょうか。クリスティーナ・ガオ/顔立ちがそう思わせるのかもしれませんが、荒川静香のようなスケーターになりそう。成長が楽しみ。 ワグナー/彼女だけしか魅せられない美しいポジションがいっぱいあります。 浅田真央/今季はEXが一番魅力的ですが、ショートもはつらつととても楽しそうに滑っていてこちらまでうれしくなります。 【男子ショート】 パトリック・チャン/先シーズンまであまり好きではありませんでした。 ですが、今季のチャンにはひきこまれます。 思うように滑れない苦悩みたいなものが深さになっているのでしょうか。 選曲が好みだからかもしれませんが、ショートのラフマニノフのエレジーも、ミスはあってもそれを上回って心打つものを感じます。 高橋大輔/ちゃんと評価されてうれしいです。 羽生結弦/神がかり系ですね。若干17歳にしてリンクの中央に立って曲が始まる直前から演技にのめりこむ北島マヤ系。妖艶で少し中性的。ナルシスティック。 ジョニー・ウィアーとプルシェンコのいいところを併せ持つ羽生ですが、今季、スタミナが続かなくて思わぬミスが出る場面をもありました。でもそれこそ、姫川亜弓だったら「羽生結弦。恐ろしい子」とつぶやいたでしょう。 スタミナの計算ができないというのはつまり、余力とか考えずに今に夢中で全力投球してしまうからかしらと。それこそマヤ系の天才の証なのかも。 小塚崇彦とまったく正反対のタイプですね。堅さもあるけれどそれが高潔さと重なる演技の小塚と、彼より若いのに、妖艶でやわらかく、天衣無縫な羽生と。 【男子フリー】 町田樹/先シーズンの「黒い瞳」もそうですが、音とシンクロした細やかな動きが好きです。トリプルアクセルが軽やか! 小塚崇彦/彼にとっては作品(曲&振付)は恋人のようなパートナー。自分がいかにこの恋人を引き立て、輝かせてあげたらいいか、愛情深く滑っているような気がします。 羽生結弦/小塚と対照的。羽生にとって作品は「相手」ではなくて「自分」そのもの。引き立てようとか考えず、一体化することで命を吹き込む。そんな風に感じました。透明人間が服を着て身体を動かすとあたかも服が命を持って動き回ってみえるように、「音楽」という眼にみえない抽象的なものを羽生が着ることで、音楽そのものが命を持ってリンクを動き回る、そんな風に感じます。男子の4回転は決まると「ダイナミック」という印象なのに羽生の4回転は「優美」さもくわわります。演技直後もまだ世界に入りこんでいて、「よし!」と意思の強そうな顔をしたのもよかったでした。 高橋大輔/高橋大輔の方が上のはず」と思っていても、結果が違ったことがあったので、今回はきちんと高橋大輔が評価されてうれしかったでした。 【女子フリー】 鈴木明子/今シーズンもみせますね。 黒。鋼鉄を感じさせるハードなショートとはがらりと変わってフリーの透明感あふれるリリカルな世界は鈴木明子の真骨頂。 出だしのマイムのような動き、何度みても鳥みたい。あたりを見廻して輝く目は鳥のまわりに美しい世界が広がっていることを感じさせます。 今回グランプリファイナルのフリーでは氷上に転倒もありました。それは競技としては失敗、減点の対象なのでしょうが、かえって感動が増しました。本物の鳥だってうまく飛べない時があるはず。そんな時を乗り越え、最後自由に力強くはばたく鳥。 転倒してもへこたれることなく、鳥になってスケートをする姿はそんなストーリーさえも感じさせ、だからこそ「羽ばたく」ことへの喜び、解放感を感じさせました。 キーラ・コルビ/あでやかなカトレア色のコスチュームが素敵。コルビを見ていると内面からの美しさは外面にでるな~とあらためて感じます。 失敗があってもこの人の演技を見ていたいと思わせる魅力があります。 工夫のあるポジションのスピンも美しかったです。 フィンランドはポキオ、レピスト、コルビ。清楚でリリカルな世界を作り出す選手が出てきますが、鈴木明子もどこかフィンランドのスケーターに似た雰囲気を感じます。 ワグナー/肩甲骨から腕を動かす上体の使い方、腕の筋肉が作り出す表情、スピンの工夫など、魅力いっぱい。 フリーでの2度目の転倒で、痛めながら演技を続けた時の場内の手拍子にじーんときました。 これだけ多くの選手がジャンプを失敗するというのはリンクの氷の状態のせいもあるのでしょうか。 浅田真央/リンクの状態が悪いのか、多くの選手がジャンプの着地他で転倒する中、転倒をしない、それだけで強靭な精神力と技術力を感じます。 最終滑走、一番リンクの状態もよくないであろう中で、直前のワグナーが転倒により相当なダメージを受けた中で、あの「白鳥の湖」を見事に滑りきる。鳥肌が立ちました。運動量も激しいプログラムを軽やかに滑りきる凄さ。文句なしの女王でしょう。 【EX】 鈴木明子/リンクの観客に向けてアピールするところと、自分の中に入り込んで滑るところとの2つのバランスがいいなと思います。 高橋大輔/キレ・妖艶・激しさを持ちながら、エキセントリックになりきらないのが魅力。きっとそれは観客に対しての表情とかから感じるのかもしれません。 高橋大輔と鈴木明子、二人で同時にリンクに立ち、ピアソラの曲でスケートしてほしいです。アイスダンスやペアのように「ぴったり」組んで踊るのではなく、それぞれがリンクの離れたところで滑っていて、時折引き合うように「対になった演技」を見せるぐらいの「つかず離れず」で。 浅田真央/「メアリーポピンズ」。ファンタジックな名プログラム。 スリムな体型、軽やかなジャンプもメアリーポピンズにぴったりですが、表情も素晴らしい。ダークなものを演じるより、すべての人に夢を与えるものを演じる方が難しいと思うのですが、それができる稀有なスケーターですね。右手右足、左手左足を同時に動かす欽ちゃん走りのようなコミカルなステップや♪スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス のところのステップも小粋でわくわくしました。 グランプリファイナルEXではそれぞれのスケーターが思い出のエキシビジョンを選ぶのも興味深かったです。 羽生がジョニー・ウィアーのアベマリアを挙げたのもうれしくなりました。 滑り出し、いくつものスポットライトがウィアーの影をリンクに八方に落とす様子が万華鏡みたいでうっとりしました。 鈴木明子が挙げたのは2008年の「リベルタンゴ」。夏にはじめて披露した時にスタンディングオベーションをもらった感動が忘れられないということが語られました。そのスタンディングオベーションというのは、フィギュアスケート観戦の先輩である「趣味人」さんが私に教えてくれたこの日のことかしらと思いました。 この日、生で「リベルタンゴ」を見てスタンディングオベーションをした観客の方たちは今でもその感動と興奮を覚えていることでしょう。鈴木明子自身にその時のみなさんの歓声やスタンディングオベーションが刻まれている。スケーターとファンが「演技」「すてんでぃんぐオーベーション」それぞれ相手がくれた感動を覚え合っている。てファン冥利に尽きますよね。

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emi (秋田恵美)

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。
    コンタクト: メールアドレスはhoshibiyorihappy*yahoo.co.jp このyahooの前の*を@に変えてご連絡下さいませ
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