土井利位の環境(その2)鷹見泉石のネットワーク
古河藩藩主・土井利位による雪の結晶の顕微鏡観察において
大きな役割を果たしたのが古河藩家老の鷹見泉石と言われています。
彼はさまざまな蘭学者たちとの交流があり、泉石自身がオランダ語の名前を名乗ったり、ロシア語も解しました。
江戸時代の顕微鏡シリーズでとりあげた人物の中は下記の通りです。
鷹見泉石と交流のあった人がどのくらいいるかをチェックしてみました。
青文字=土井利位や鷹見泉石が交流のあった人
黒文字=交流がないわけではなく、まだ確かめきれていない人
(交流あるとわかれば随時青文字に修正します)
赤文字=直接の交流はないかもしれないけれど「雪華図説」に縁の深い人
※『鷹見泉石日記』他から交流関係をチェックしました。
※古河藩主として江戸勤めをし、大坂城代、京都所司代、老中にもなった土井利位の交流関係も幅広いはず。
まだチェックしきれていません。
※()の数字は江戸時代の顕微鏡シリーズの番号です。
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2)西川如見・西川正休
3)三宅也来
4)田村阿波守又四郎、作右衛門
5)後藤光生
6)小野蘭山
7)杉田玄白
8)森山孝盛、平賀源内
9)三浦梅園、吉雄耕牛
10)中井履軒、
木村蒹葭堂←木村蒹葭堂の死後となるが、鷹見泉石は大坂赴任中に蒹葭堂2代目石居(木村孔陽)と深い交流あり。
服部永錫
11)小林規右衛
13)長沢芦雪、皆川淇園
14)森島中良←鷹見泉石と親交のある桂川甫周(16)に登場)の弟
司馬江漢←鷹見泉石親交あり
16)大黒屋光太夫←鷹見泉石親交あり
桂川甫周(国瑞)←鷹見泉石親交あり。雪華図説のあとがきを書いた桂川甫賢の祖父
17)橘南谿
20)十返舎一九
21)遠藤高璟
22)葛飾北斎
23)徳川家斉、石橋助左衛門
27)高玄竜
28)山東京伝、歌川国貞
30)栗本丹州
32)松平定信←土井利位の実父親利徳と親交あり
32-2)曲亭馬琴(滝沢馬琴) (馬琴が土井利位や鷹見泉石と直接の交流があったという文献はありませんが、
馬琴は鷹見泉石が知人の知人にあたるなど、間接的な縁が深い人物。後日あらためてご紹介します)
鈴木牧之(土井利位が顕微鏡で観察してまとめた『雪華図説』内の雪の結晶を写して『北越雪譜』で紹介)
33)南小柿寧一
35)鎌田昌長
36)宇田川榕庵←鷹見泉石親交あり
シーボルト←鷹見泉石親交あり
37)大槻磐水←鷹見泉石親交あり。おらんだ正月で同席他。
37-2)渡辺崋山←鷹見泉石親交あり。崋山が描いた鷹見泉石の肖像画は国宝。
ビュルゲル
37-3)青地林宗←鷹見泉石親交あり
38)二宮敬作
39-2)猪俣昌之←鷹見泉石親交あり
高橋景保←鷹見泉石親交あり
41)木村黙老(土井利位の『雪華図説』を写したものを曲亭馬琴にみせる。曲亭馬琴は土井利位の雪華を写す)
42)田能村竹田
43)大原道斎、三宅康直
44)大蔵永常
50)山東京山
52)高木春山
53)土田英章
53-2)飯室昌栩
57)金武良哲
58)徳川慶勝
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ご覧のように、鷹見泉石が交流のあった人物で顕微鏡関係者
(顕微鏡を所有していた、観察した、顕微鏡を作った、顕微鏡について述べた人)が何人もいることがわかります。
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土井利位は
●江戸時代最大の鳥類図鑑作りを成し遂げ、学者たちとも交流があった堀田正敦を親戚に持った(その1)
●西洋の科学知識に貪欲で蘭学者たちとの交流も多い、鷹見泉石を家臣に持った(その2 この記事)
わけで
<科学的な観察をコツコツと続ける>活動をする上で、精神的にも情報力の上でも大変恵まれた環境にいたといえます。
【雪の結晶と土井利位】INDEXはこちら
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