土井利位・鷹見泉石と曲亭馬琴(その2)
<土井利位や鷹見泉石>
と
江戸時代きっての著述家曲亭馬琴
は
直接の交流はないようです。
けれど、間接的な縁がとても深い人物なんです。
とりわけ私にとっては、曲亭馬琴自身が土井利位の雪華に感動してそれを写したという事実に興奮
(詳細はその1を)。
間接的な縁をまとめてみますと馬琴が自著『南総里見八犬伝』で古河城(土井利位は古河藩藩主)を登場させる。
馬琴にとって、鷹見泉石は<友人の友人>。
鷹見泉石
↑↓(蘭学仲間。崋山の描いた鷹見泉石の肖像画は国宝)
渡辺崋山
↑↓(馬琴の息子宗伯が亡くなった時の顔を崋山に描かせるなど親しく交流)
曲亭馬琴土井雪華(土井利位が顕微鏡で観察して描いた雪の結晶を、このブログでは通称『土井雪華』と書かせていただきます)は当時の浮世絵の中で着物の柄などにも登場。
それを描いた絵師、渓斎英泉(けいさい・えいせん)、歌川国貞(Ⅱ)、歌川国芳、歌川豊国(Ⅲ)、歌川広重などは馬琴の作品の挿絵も担当するなど親交が深い人たちばかり。 鈴木牧之は自著『北越雪譜』の出版に関して馬琴に長年にわたって相談していた。
『北越雪譜初編上の巻』には土井雪華35点の模写が掲載されている。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
というように、馬琴は土井利位や鷹見泉石が<友人の友人>であり、土井雪華ブームを後押しした絵師や鈴木牧之とも親しいのです。
馬琴や鷹見泉石が江戸時代にフェイスブックをやっていたら、ホーム画面に「知り合いかも」共通の友人2人とか出ていたかも。
絵師や鈴木牧之が土井雪華を、馬琴経由で知ったのか、誰から情報を得たのかはわかりませんが、
馬琴がみんなの核ともいえる位置にいるのが興味深いです。
馬琴の『南総里見八犬伝』の挿絵にも土井雪華が描かれている絵があったりします。
(詳細は後日土井利位と浮世絵シリーズで)。
馬琴が土井雪華が江戸時代に流行ったことについて語っている文章があります。
(詳細は後日)
馬琴が雪華図説に出会って自らも模写したのが天保4年。
以降の作品に雪華が登場したら面白いと思うのですが、未発見です。
土井利位と曲亭馬琴はこのその2で終わりですが、
もし土井雪華が登場する作品をみつけたらその3として取り上げます。
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