「ツンデレ」の元祖?! 100年前、夏目漱石と寺田寅彦の会話に「ウンデレ」
「ツンデレ」というと、対外的にはツンツンしているのだけど、
特定の人には実はデレデレの意味で、
2005年ぐらいから広まった言葉ですよね。
今、夏目漱石について調べていて、関係者の本などにも目を通しているのですが、びっくりする記述をみつけました。
夏目漱石の妻、夏目鏡子が書いた『漱石の思い出』に、なんと「ウンデレ」という言葉があったのです。
家に遊びにきた寺田寅彦と夏目漱石が「ウンデレ」という言葉を使って会話しているのを鏡子さんが書き記しているのです。
ちなみに科学者として数多くの著作も持つ寺田寅彦は夏目漱石の教え子でもあります。
抜粋&引用します。引用部分は青文字。
夏目漱石が、上野に奥さんと一緒にでかけたという寺田寅彦に
「きみはよく細君を連れて行くんだね」と言うと
「連れて行っては悪いんですか」超然と寺田さんが逆襲。
夏目漱石が「べつに悪くもないさ」と答えたあと少し話がそれながらこう語ります。
「俺は昨日また野間と二人で神田の方を歩いて、飯時になったから牛肉屋へ入ると、
隣の客が噂しあってるのが、おれの知ってるやつの話だ。
きているといかにもウンデレでね」と夏目が話します。
そこで寺田さんが
「人間ウンデレに限りますよ。何でも細君のいうことをウンウンと聞いてやって、
そうしてデレデレしていればこれに越したことはないじゃありませんか。
ウンデレでなけりゃ夫婦喧嘩の絶え間がないわけでしょう」
『漱石の思い出』夏目鏡子著。角川文庫(昭和45年)。p153~154より
ウンウンデレデレを略して「ウンデレ」。
この感覚にびっくりですよね!
「ツンデレ」は主に女性を形容して使うことが多いと思うのですが、
「ウンデレ」は男性に対して使われていますね。
ところで。
漱石が「ウンデレ」を会話で口にしたあと、寺田寅彦から「ウンデレって何ですか?」っていう質問がないですよね。
3つの可能性を考えてみました。
1)夏目漱石と寺田寅彦は以前から「ウンデレ」という言葉を使っていた。
2)当時、「ウンデレ」という言葉が巷で使われていた。
3)夏目漱石が突然、造語をして会話に混ぜても、寺田寅彦は阿吽の呼吸でニュアンスをつかみ、
「どんな意味ですか」と聞き返すような野暮なことはせず、すぐ会話に使って返せる。そのくらい二人はツーカーだった。
どれなんでしょう。
2人のウンデレの会話があったのは前後の流れから見て1905年前後です。
「ツンデレ」の約100年前ですね!!
21世紀に「ツンデレ」を言い出した人は
この夏目漱石たちの「ウンウンデレデレ略してウンデレ」を知ってたのでしょうか。
きいてみたいところです。
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