星のささやき---その15.『ポーリュス・ホーラダ』の原書を見ることができました!
「星のささやき」その9ではロシア語の本『Полюс Холода(ポーリュス・ホーラダ)』を取り上げました。
この時は、原書を入手できず、岡田安彦氏が完訳して『寒極シベリア』
(世紀社出版/1975)に掲載した文章をご紹介しました。
『Полюс Холода』を見る機会を得ましたので、
今日はロシア語原文から、「星のささやき」に関する3か所をご紹介します。
原文青文字。訳は『寒極シベリア』よりすみれ色文字。
Небезынтересно познакомиться и с истортей Оймяконского полюса холода, воспетого якуским поэтом С. Даниловым в стихотворении ≪Оймякон≫ :
Здесь солнце стынет.
А слеза мгновенно
Становится, как дробь.
Шуршит дыханье.
(p50より)
寒極オイミャコンの歴史について、
ヤクートの詩人であるS・ダニロフの詩<オイミャコン>によって知ることは興味のないことではなかろう。
ここでは太陽が冷却してしまう。
涙も一瞬のうちに
砕片のようになってしまう。
呼吸もサラサラと音をたてている。
(『寒極シベリア』p179)
10 ноября ртуть в термометре замерзла (значит, температура опустилась ниже -39.4° ), а к вечеру было слышно шуршание ≪замерзающего дыхания≫, или, как говорят якуты, ≪шепот звезд≫. На основании этого был сделан вывод, что температура ниже -50°.
(p51より)
11月10日、温度計の水銀は凍った。
(気温は氷点下39.4度以下となったのである)
そして夕方には”凍った呼吸”またはヤクート人たちが”星のささやき”と呼んでいるサラサラというかすかな音が聞こえた。
これに基づいて、気温は氷点下50度以下との結論が出されたのである。
(『寒極シベリア』p180)
Однако шуршание ≪замерзающего дыхания≫ заставило С.В. Обручева усомниться в том, что Верхоянск следует считать застадует считать ≪царем Мороза≫.
(p52より)
ところが、オブルチェフは”凍った呼吸”のサラサラという音を聞いて、
ウェルホヤンスクを今まで”マローズの王様”としていることに疑念をいだいた。
(『寒極シベリア』p180)
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