« 2013年2月 | トップページ | 2013年4月 »

2013年3月31日 (日)

星のささやき---その16.サハ語の「星のささやき」がわかりました

原語、原文マニアの私。「星のささやき」という言葉の原語を追っています。

「星のささやき」というのはシベリアの氷点下50度ぐらいの厳寒の時にみられる現象。
林完次著『宙(そら)の名前』ではこんな風に紹介されています。(引用部分青文字)


東シベリアのヤクートでは、厳冬期、氷点下50度に下がることがあります。大気中の水分は結晶となって霧氷が発生しますが、人の吐く息さえも凍ってしまいます。そのときかすかな音がするそうです。これを星のささやきといっています。

宙の名前 新訂版

ロシア語では「星のささやき」шёпот звёзд(shopot zvezd/ショーパト・ズビョースト)ということはわかりました。(詳細はその1に)。
ですが、サハ(ヤクート)の公用語はロシア語とサハ語(ヤクート語)。
ならば、サハ語が本当の原語かなと思ったのですが、ずっとつかめなかったのです。
2009年頃、『サハ語-日本語辞書改定版』江畑冬生著(東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所 2006)を入手しました。このテキストにより、サハ語で星はсулус、ささやくはсибигинэйであることがわかりました
そこで

1)сулус、сибигинэйを手がかりにロシア語のサイトを検索するも、サハ語での「星のささやき」に言及したものはでてこず。
2)図書館などでのロシア語の文献でもでてこず。
3)サハの文化、言語に詳しい日本人研究者に知人を通じてサハ語での「星のささやき」を尋ねていただくもその方は「星のささやき」をご存じではなく。

この研究者の方からは
①「星のささやき」はサハ語にはないのではないか
②サハ語にあったとしてもごく一部のローカルな地域ではないか
とのお返事もいただいておりました。

この続きは、サハ人に確かめるのが一番なのですが、サハ人の知り合いはおらず。そのため、ずっと未解決となっていたのです。
今回。星のささやきシリーズを再開するにあたって、思い切ってインターネットを通じてサハの方々に尋ねてみることにしたのでした。

そしてわかりました!!!
サハ語で星のささやきは
сулус сибигинэйиитэ(sulus sibigineyiite/スールス・シビギネイイッテ)
サハ語の表記はロシア語と同じキリル文字を使います(独自の文字あり)。
сулус(【名詞】星)+сибигинэй(【動詞】ささやく)+иитэ (接尾詞のようなもの)。

見ず知らずの日本人のために丁寧に教えてくださったサハ人の方々に感謝です。ずっと未解決だった原語がわかってうれしいです。

星のささやき(その1)で
1)サハ語の原語があるのか
2)サハの人たちは本当に「星のささやき」と呼んでいるのか
3)いつの時代から言われてきたのか
4)どのくらいポピュラーな表現なのか の4点も確かめたい

と挙げましたがサハ人の方々にお聞きした結果ですと

1)сулус сибигинэйиитэ
2)日常ではあまり使わない。文学、詩などでみられる表現。
3)あまりポピュラーではない。 のようです。
 お答えくださった方から「サハでもサハ語よりもロシア語のшёпот звёздの方が知られている。原語はロシア語のшёпот звёздの方で、そこからサハ語に訳したものがсулус сибигинэйиитэなのではないか」という声もありました。
-------------------------------------------
以上、あくまでも私による調べです。サハの方とは英語のやりとり。私の理解が100%正確とは言えないので、あくまでも一個人の調べものであることをご了承ください。

以下、私自身の推測です。

氷点下50度ぐらいになると、吐く息が凍って音がする。この現象はもちろんずっと昔からあったものでしょう。
1800年代後半、ロシアからシベリアに行った人(探検家、学者、流刑者)が現地で、凍った息が音を立てる現象を体験する

地元のサハ人が「сулус сибигинэйиитэ(星のささやき)」と呼んでいることを知る

ロシアに戻ったor収容所生活を終えた彼らが自身の著作で、氷点下50度ぐらいでは息も凍って音を立てること。この音をヤクートでは「шёпот звёзд(星のささやき)」と呼ぶことを紹介する

ロシアで、「星のささやき」現象がшёпот звёздという言葉とともに知られるようになる

ロシアから逆輸入のような形でサハで「шёпот звёзд」という言葉が知られるようになる。(←これはちょっと言い過ぎかもしれませんが)

の流れなのかしらと推測しました。
-------------------------------------------

地元の人以外で、星のささやきを聞いたのは、任務のため、あるいは自らの知的好奇心のためにシベリアに遠征したチェルスキー、オブルチェフなどの探検家、学者や罪を負い、流刑者として強制収容所生活を余儀なくされたシャラーモフなど。

冬の寒空の下、恋人同士で「ロマンティック~lovely」と、「星のささやき」を聞いたのではありません。
特に流刑者にとっては。氷点下50度、命を脅かすほどのマロース、過酷な労働と孤独。呪いたいほどの厳しい寒さの中で耳にしたのです。
「星のささやき」。
現実逃避するために名づけたのかと思われるほど詩的な表現のその音は、彼らの耳にどんな風に響いたのでしょうか。
天を仰いだ時に凍ったまつ毛の向こうに広がるオーロラの輝きとともに、その美しさはひとときでも彼らの心をなぐさめたのでしょうか。

♪メモ♪
①サハ語をネットで調べるのは「Sakha Tyla.ru(ttp://sakhatyla.ru/)」が重宝。
下記の◆2つが使えます!
◆辞書の現物が見られます。
ぺクラスキー(Пекарский Э.К.)が編纂したヤクート語の辞書『Словарь якутского языка』がありがたくもネットでみられるようになっています。
ttp://sakhatyla.ru/→BOOKS→第2巻の Словарь якутского языка. Том 2をクリック。

20130331whisper_sakha сибигинэй (ささやく)はp2201。
шептатьと書かれています。(この辞書ではсибигинэйはciбiгiнäiと表記されています)
直接のURLはttp://sakhatyla.ru/books/pekarskiy-2/480







20130331star_skha сулус (星)はp2334。
звезда と書かれています。
直接のURLはttp://sakhatyla.ru/books/pekarskiy-2/546




◆オンラインでサハ語⇔ロシア語、サハ語⇔英語も調べることができます。(ttp://sakhatyla.ru/→dictionary)

сулус→starがでます。сибигинэйは英語への翻訳無し。ロシア語のшептатьは出ます。

②Glosbe 多言語オンライン辞書(ttp://ja.glosbe.com/)でも調べられるサハ語の単語があります。

③サハ/sakha/саха   ヤクート/yakut/якут


サハ語、サハ文化に造詣深い方がいらっしゃる中で私がサハ語の記事を書くのはとてもおこがましいです。詳しい情報をお持ちの方がご教示いただけたら幸いです。今後も何かありましたら加筆修正していきます。

星のささやきシリーズINDEXはこちら

2013年3月30日 (土)

2013年の桃源郷です

今日、学生時代のサークルのメンバーで保木の桃源郷に行ってきました。
23、24日の土日が見ごろかな~と思ったのですが、都合がつかず、桃は見頃が終わっている覚悟で行ってみました。

桃が終わるとどんな風景になるのかな~とそれもチェックしておきたくて。

今日の桃源郷は
・桃はほぼ終わり。緑の葉がにょきにょき。枝の下の方に花が少し残っていました。
・桜は満開。今年は桃と桜の開花期がほぼ同時期(20日ごろ7分、23日ごろ満開)で、桜の方が散るのが早いかなと思っていたのですが、ソメイヨシノ、ほかの桜、思いがけず持っていました。少し葉桜になっているのかもしれませんが、遠目なので薄い桜色の花びらしか見えず。
・畑部分のレモンイエローの植物。ボリュームがありました。
・遠くの木々の芽吹きが進んでいるのでしょう。木々に葉が茂っているふっくら感がありました。

あいにくの曇り空。デジカメではなく携帯で撮ったものなので画像が綺麗ではないのですが、こんな感じです。
寒い一日でしたが、風はなし。桃源郷では一度だけ犬を連れて散歩に来た方とすれ違ったのみ。ほぼ貸切のぜいたくさでした!
そして曇り空の下で、桃源郷の深山幽谷な風情が際立っていました。遠くの木々が空にとけていくようで幽玄~lovely
20130330togenkyo7

もう少し谷の方(左手)に目を向けると
20130330togenkyo3_2










20130330togenkyo1保木入口から桃源郷に行く時にみかけるポニーたち、今年もいました。




20130330togenkyo4



桃源郷の少し奥、なぞの穴。




20130330togenkyo1020130330togenkyo6


木の電信柱。
まわりの木に
うまく調和しています。
現役。




        竹林の脇の道。









20130330togenkyo8 20130330togenkyo9 ベッカライ徳多朗に向かう道の途中。
つくしとムスカリが咲いていました。






桃源郷に関する記事は
右サイドバーの
花INDEXを。

2013年3月27日 (水)

星のささやき---その15.『ポーリュス・ホーラダ』の原書を見ることができました!

「星のささやき」その9ではロシア語の本『Полюс Холода(ポーリュス・ホーラダ)』を取り上げました。 この時は、原書を入手できず、岡田安彦氏が完訳して『寒極シベリア』(世紀社出版/1975)に掲載した文章をご紹介しました。

Полюс Холода』を見る機会を得ましたので、今日はロシア語原文から、「星のささやき」に関する3か所をご紹介します。 原文青文字。訳は『寒極シベリア』よりすみれ色文字。

Небезынтересно познакомиться и с истортей Оймяконского полюса холода, воспетого якуским поэтом С. Даниловым в стихотворении ≪Оймякон≫ :

Здесь солнце стынет.
А слеза мгновенно
Становится, как дробь.
Шуршит дыханье.

(p50より)

寒極オイミャコンの歴史について、ヤクートの詩人であるS・ダニロフの詩<オイミャコン>によって知ることは興味のないことではなかろう。   

ここでは太陽が冷却してしまう。  
涙も一瞬のうちに
砕片のようになってしまう。  
呼吸もサラサラと音をたてている。

(『寒極シベリア』p179)

10 ноября ртуть в термометре замерзла (значит, температура опустилась ниже -39.4° ), а к вечеру было слышно шуршание ≪замерзающего дыхания≫,  или,  как говорят якуты, ≪шепот звезд≫. На основании этого был сделан вывод, что температура ниже -50°.
(p51より)

11月10日、温度計の水銀は凍った。(気温は氷点下39.4度以下となったのである)そして夕方には”凍った呼吸”またはヤクート人たちが”星のささやき”と呼んでいるサラサラというかすかな音が聞こえた。これに基づいて、気温は氷点下50度以下との結論が出されたのである。
(『寒極シベリア』p180)


Однако шуршание ≪замерзающего дыхания≫ заставило С.В. Обручева усомниться в том, что Верхоянск следует считать застадует считать ≪царем Мороза≫.
(p52より)

ところが、オブルチェフは”凍った呼吸”のサラサラという音を聞いて、ウェルホヤンスクを今まで”マローズの王様”としていることに疑念をいだいた。
(『寒極シベリア』p180)

星のささやきシリーズINDEXはこちら

2013年3月25日 (月)

星のささやき---その14.セルゲイ・オブルチェフの1954年の本に星のささやき発見

「星のささやき」シリーズその14です。なるべく時系列に記事を更新していこうと思っていたのですが、あとから資料がみつかったりで、いろいろ前後しています。

今回は「星のささやき」が出てくるロシア語の本(1954年出版)をご紹介します。
B_neizbedannye_kraya その13に続き、「星のささやき」を広めた立役者(私が勝手に認定)である地理学者セルゲイ・オブルチェフの著書
В неизведанные края: путешествия на Север 1917-1930 гг』です。タイトルの意味は「未踏査の地方。北方の旅 1917-1930年」です。

その中から引用。
Когда я открываю уши, то слышу странный шум: как будто пересыпают зерно или ветер стряхивает с деревьев сухой снег. Куда ни обернусь — всюду этот шум, а между тем ветра нет и деревья не шелохнутся. Наконец догадываюсь, что это шур шат кристаллики льда, образующиеся из влаги выдыхаемого мною воздуха. Черский уже описывал этот характерный шум, он появляется при морозе ниже 50 градусов. Якуты называют его "шопотом звезд".

拙訳で。

耳当てから耳を出すと、奇妙なざわめきが聞える。それはまるで穀粒をばらまくような音、あるいは風が木々から乾いた雪を払い落とすような音だ。どこを振り返ってもこの音がした。ところが、風はなく、木々は揺れていなかった。ようやくわかった。これは私自身の吐く息の水分が凍ることで生じた氷の結晶がさらさら音を立てているのだと 。チェルスキーはすでにこの特異なざわめきについて、これは氷点下50度のマロース(私メモ、氷点下の厳寒のこと)の時に起きることを述べている。ヤクートの人たちはこれを「星のささやき」と呼んでいる。

この文章はどこかで見たことがあるようなと思うと、星のささやきその3で取り上げた『К неведомым горам : путешествия С. В. Обручева 』リディヤ・グリシナ著(1974年出版)の中です。
グリシナは、オブルチェフの遠征について以下のように書いています。原文など詳細はその3をご覧いただくことにして、拙訳で抜粋。
<まるで、穀物の粒を注ぐ(ばらまく)か、風が木の枝から乾いた雪を払い落とすような音だ。どこをふりかえってもいたるところでこの音がする。けれど風はなく、枝はかすかにも揺れていない>と後に彼は書いている。とうとう探検家は気づいた。これは自分の凍った息の音だと。チェルスキーは<この独特なざわめきはマイナス50度を下回るマロースの時に現れる。ヤクートの人たちはこのざわめきを「星のささやき」と呼んでいる>と書いている。

赤字部分をご覧ください。グリシナは、オブルチェフが書いている、と記していますが、「なんという本に」書いているかは明記していません。
その答えがこの記事「星のささやきその14」で取り上げた『В неизведанные края: путешествия на Север 1917-1930 гг』だったのですね。

♪メモ♪
タイトル/『В неизведанные края: путешествия на Север 1917-1930 гг/ブ・ニイズベダンヌィエ・クラヤ
著者/セルゲイ・ウラジーミロビッチ・オブルチェフ/Sergei Vladimirovich Obruchev/Сергей Владимирович Обручев
出版社/Молодая гвардия
出版年/1954
ネットで閲覧/ЭЛЕКТРОННАЯ БИБЛИОТЕКА ModernLib.Ruで閲覧可能。 ttp://www.modernlib.ru/books/obruchev_vladimir_afanasevich/v_neizvedannie_kraya_puteshestviya_na_sever_1917_1930_gg/read_1/ (海外のサイトです。だかというわけではありませんが、セキュリティなど万全にしてご覧ください)

ロシア語の達人ではない私による訳でご紹介しています。できる限り精度を高めるよう心がけておりますが、100%とは言えません。今後も何かありましたら加筆修正していきます。

星のささやきシリーズINDEXはこちら

2013年3月24日 (日)

星のささやき---その13.セルゲイ・オブルチェフの1933年の本に星のささやき発見

Booksergeiobruchev 「星のささやき」シリーズその13です。なるべく時系列に記事を更新していこうと思っていたのですが、あとから資料がみつかったりで、いろいろ前後しています。
5月頃、「星のささやき」構成一覧表をつくる予定です。

今回は「星のささやき」が出てくるロシア語の本(1933年出版)をご紹介します。 「星のささやき」を広めた立役者(私が勝手に認定)である地理学者セルゲイ・オブルチェフの著書『Колымская землица. Два года скитаний. (Экспедиция 1929-1930 гг.)』です。 タイトルの意味は「コリマの地 2年間の放浪(1929-1930年の遠征)」です。

そのp88から引用。

В сильные морозы здесь можно слышать замерзающего дыхания. Я уже писал об этом явлении в книге о своей прошрой экспедиции. Теперь мне удалось точнее проследить, когда оно начинатся. При 42 °оно замечается в слабой степени , яснее при 44-45° и очень резко при 46-47°.  Вы слышите в момент , когда выдыхаете воздуха, шум вроде шума пересыпаемого зерна или шелеста листьев. Якуты называют этот шум ≪шопотом звезд≫. По-видимому температура, при которой это явление начинается, связана также с влажиностью воздуха.Черский наблюдал его в Верхнеколымске только при 48.5° . Постоянно нас развлекали и северные сияния, которые здесь иногда очень красивы.

拙訳で。
厳しいマロース(私メモ/氷点下の厳寒のこと)の時、ここでは息が凍る音を聴くことができる。この現象については私の過去の遠征についての著作の中で述べている。今回、私は、この現象がいつ始まるのかより詳しく観察することに成功した。凍った息の音が聞こえる現象は、氷点下42度の時、軽度に兆候がみられる。氷点下44-45度ではより明らかになり、氷点下46-47°の時は非常にはっきりと聴くことができる。息を吐く時にこの音を聴くことができるのだ。それは穀粒をばらまく音や葉ずれの音に似たざわめきである。ヤクートの人たちはこのざわめきを「星のささやき」と呼んでいる。おそらくこの現象が始まる温度は、空気の湿度とも関係しているだろう。チェルスキーはベルホヤンスクでまさに氷点下48.5度の時に星のささやきを観測している。この地でたびたび見られる美しいオーロラとともに星のささやきはいつも厳寒に耐える私たちの気持ちを晴らしてくれた。

♪メモ♪
タイトル/『Колымская землица. Два года скитаний
       コリムスカヤ・ゼムリッツァ ドヴァ・ゴーダ・スキターニー』
著者/セルゲイ・ウラジーミロビッチ・オブルチェフ/Sergei Vladimirovich Obruchev/
    Сергей Владимирович Обручев
出版社/Советская Азия
出版年/1933年
ネットで閲覧/「Российская национальная библиотека」の(ttp://leb.nlr.ru/edoc/364717/)の90/183が該当ページです。
загрузка документа」の表示が出て青いメモリが右までいっぱいになるとファイルが開きます。
(海外のサイトです。だかというわけではありませんが、セキュリティなど万全にしてご覧ください)

ロシア語の達人ではない私による訳でご紹介しています。精度は100%とは言えません。今後も加筆修正していきます。

星のささやきシリーズINDEXはこちら

2013年3月20日 (水)

2013年世界フィギュア観ました

2013年3月の世界フィギュアについて、あくまでも一ファンの感想です。

続きを読む "2013年世界フィギュア観ました" »

2013年3月 3日 (日)

星のささやき---その12.レスコフの小説『ナ・クラーユ・スヴィエタ』に星のささやきを発見

シベリアのマイナス40度ぐらいの厳寒の中での現象「星のささやき」について調べ、何回かにわけて記事をアップしていました。その後、調べ途中だったパソコンのデータが消えてしまったりで、記事の更新を中断していました。

思いたって再開。あらためて「まとめ一覧表」もつくる予定ですが、今日はその1で少し触れた『ナ・クラーユ・スヴィエタ』レスコフ著(1875年出版)の本を取り上げます。
(「星のささやき」の概略はINDEXをご覧ください)
*******************************************
『ナ・クラーユ・スヴィエタ』を知ったのは、1973年にロシアで出版された『単純な水のなぞ』フセボロド・アラバジ著の中です。(詳細はその3を)。星のささやきの現象についてこの小説が鮮やかな描写をしていると書かれていたのです。

『ナ・クラーユ・スヴィエタ』。ありがたいことにネットで原文を読めます。
私が目を通したところ、шёпот звёзд(ロシア語で「星のささやき」の意味)という言葉は発見できなかった。ですが、確かにこれは星のささやき現象を述べていると思われるくだりがありました!

第十章です。

Настала такая невозмутимая тишина, что я слышал и свой собственный пульс внутри себя и свое дыхание: оно как-то шумит, как сено, а если сильно вздохнуть, то точно электрическая искра тихо пощелкивает в невыносимо разреженном морозном воздухе
(以下、私による略)

ロシア語も勉強中の身で100%の精度では訳せないのですが拙訳で。

あまりに森閑とした静けさなので、私自身の脈や息の音が聞こえた。呼吸は干し草のようにざわざわ音がした。激しく呼吸をすれば、堪えがたい厳寒の空気の中で息は電気のスパークのようにパチパチと音を立てる

「星のささやき」とはでてきませんが、まさにこの現象は「星のささやき」ですね。

音のニュアンスは。
呼吸が干し草のようにざわざわというくだり。動詞はшуметь(シュミエチ)。
辞書によるとザワザワ、シューシュー。サモワールがシュンシュンと沸く音、海鳴り、風が枝を揺らして立てる葉ずれの音、耳鳴りもシュミエチを使うようです。
電気スパークのようにパチパチを音を立てるというくだり。
пощелкивать(パショールキバチ)。
辞書によると、きつつきが木をこんこん叩く音、歯をガチガチ鳴らす音も使うようです。

♪メモ♪
ニコライ・セミョノヴィッチ・レスコフ(1831-1895)/Nikolai Semyonovich Leskov/Николай Семёнович Лесков

Leskov_russia 『На краю света
(ナ・クラーユ・スヴィエタ)』
(世界の果てでの意味)。
1875年出版。

ネットで閲覧(ttp://az.lib.ru/l/leskow_n_s/text_0030.shtml)他で閲覧可能。




↑英語版『on the Edge of the World』。日本語版は無し。

--------------------------
あくまでも私自身が文献を調べ、私自身による訳でご紹介しています。今後、加筆修正もありますので、無断転載はご遠慮ください。

星のささやきシリーズINDEXはこちら

« 2013年2月 | トップページ | 2013年4月 »

emi (秋田恵美)

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。
    コンタクト: メールアドレスはhoshibiyorihappy*yahoo.co.jp このyahooの前の*を@に変えてご連絡下さいませ
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

googleでサイト内検索↓

  • グーグルの検索窓に ■■ site:http://hoshi-biyori.cocolog-nifty.com/star/ をコピペして、■■部分を任意のものに変えていただくとサイト内の検索ができます。 ■■の後ろは半角空きです。
2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

今日も星日和の衛星

  • ガガーリン地球は青かった 原文探し旅
    今日も星日和の第一衛星。  カテゴリー「ガガーリン」の  一覧と更新情報の アップブログ。ガガーリン中心にご覧になりたい方はぜひこちらをブックマークください
  • おいしくってしあわせ
    今日も星日和の第二衛星。 おいしーいものを少しずつ  紹介していきます

music

お散歩に行くブログ

  • 笑店 - 楽天ブログ(Blog)
    おんぽたんぽさんの心の琴線に触れたものが紹介されています。キラキラと大切なものが光ってる宝箱のようなブログ。
  • さる子の「こんな毎日」
    暮らしを豊かにする様々な美が満載のブログ。さる子さんは新ブログに移行され、こちらは基本停止中のようですがご紹介させていただきます
  • always in heaven
    「笑店」のおんぽたんぽさんの新ブログ。森羅万象のネットの中で素敵なもの、こと、ひとをみつけだされていて、訪ねるたびに素敵なエネルギーをいただきます。