星のささやき---その13.セルゲイ・オブルチェフの1933年の本に星のささやき発見
「星のささやき」シリーズその13です。
なるべく時系列に記事を更新していこうと思っていたのですが、
あとから資料がみつかったりで、いろいろ前後しています。
5月頃、「星のささやき」構成一覧表をつくる予定です。
今回は「星のささやき」が出てくるロシア語の本(1933年出版)をご紹介します。
「星のささやき」を広めた立役者(私が勝手に認定)である地理学者セルゲイ・オブルチェフの著書
『Колымская землица. Два года скитаний. (Экспедиция 1929-1930 гг.)』です。
タイトルの意味は「コリマの地 2年間の放浪(1929-1930年の遠征)」です。
そのp88から引用。
В сильные морозы здесь можно слышать замерзающего дыхания. Я уже писал об этом явлении в книге о своей прошрой экспедиции. Теперь мне удалось точнее проследить, когда оно начинатся. При 42 °оно замечается в слабой степени , яснее при 44-45° и очень резко при 46-47°. Вы слышите в момент , когда выдыхаете воздуха, шум вроде шума пересыпаемого зерна или шелеста листьев. Якуты называют этот шум ≪шопотом звезд≫. По-видимому температура, при которой это явление начинается, связана также с влажиностью воздуха.Черский наблюдал его в Верхнеколымске только при 48.5° . Постоянно нас развлекали и северные сияния, которые здесь иногда очень красивы.
拙訳で。
厳しいマロース(私メモ/氷点下の厳寒のこと)の時、ここでは息が凍る音を聴くことができる。
この現象については私の過去の遠征についての著作の中で述べている。
今回、私は、この現象がいつ始まるのかより詳しく観察することに成功した。
凍った息の音が聞こえる現象は、氷点下42度の時、軽度に兆候がみられる。
氷点下44-45度ではより明らかになり、氷点下46-47°の時は非常にはっきりと聴くことができる。
息を吐く時にこの音を聴くことができるのだ。
それは穀粒をばらまく音や葉ずれの音に似たざわめきである。
ヤクートの人たちはこのざわめきを「星のささやき」と呼んでいる。
おそらくこの現象が始まる温度は、空気の湿度とも関係しているだろう。
チェルスキーはベルホヤンスクでまさに氷点下48.5度の時に星のささやきを観測している。
この地でたびたび見られる美しいオーロラとともに星のささやきはいつも厳寒に耐える私たちの気持ちを晴らしてくれた。
♪メモ♪
タイトル/『Колымская землица. Два года скитаний/
コリムスカヤ・ゼムリッツァ ドヴァ・ゴーダ・スキターニー』
著者/セルゲイ・ウラジーミロビッチ・オブルチェフ/Sergei Vladimirovich Obruchev/
Сергей Владимирович Обручев
出版社/Советская Азия
出版年/1933年
ネットで閲覧/「Российская национальная библиотека」の
(ttp://leb.nlr.ru/edoc/364717/)の90/183が該当ページです。
「загрузка документа」の表示が出て青いメモリが右までいっぱいになるとファイルが開きます。
(海外のサイトです。だかというわけではありませんが、
セキュリティなど万全にしてご覧ください)
ロシア語の達人ではない私による訳でご紹介しています。
精度は100%とは言えません。今後も加筆修正していきます。
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