桃山時代の重要文化財にゆるきゃら発見
日本の美術、わびさび、研ぎ澄まされた高い美意識を感じさせる屏風画、
工芸品などのイメージがある中で、
とてもパンクだったりゆるきゃらだったりする絵も存在して、びっくりします。
1巻ずつ刊行されている小学館の日本美術全集全20巻
(ttp://www.shogakukan.co.jp/pr/nichibi/)。
今第四回配本が出されましたが、「黄金とわび(桃山時代)」。
この中になんととんでもないゆるい絵があったのです。
それは『豊国祭礼図屏風』(狩野内膳)
豊臣秀吉の7回忌として豊国神社(京都市)でおこなわれた祭礼を描いたもの。
にぎやかに輪になって踊る人たちの様子はまるでケチャ。
エネルギッシュな絵です。
この中になんとタケノコに扮した人がいるのです。
少し古いですがリケンのマーボーナスを思わせるのんきなかぶりものです。
あ~~~「ゆるきゃら」と「かかぶりもの」、
というDNAはこのころから日本人の中にあったんだ~と思いました。
京都文化推進委員会による「アート情報総合サイト京都で遊ぼう」の京都宝物館探訪記
→豊国神社→第3回重要文化財『豊国祭礼図屏風』
ttp://www.kyotodeasobo.com/art/houmotsukan/toyokuni-shrine/01-toyokuni-byoubu.html
でこの絵の概要に触れることができます。
たけのこ男は東京国立博物館のHPで見ることができます。
「大神社展」に関する2013年5月8日の1089(トーハク)ブログです。
「えっ、なにこの人、たけのこ?コスプレ?目が本気だ…!」と拡大画像で紹介されています
『豊国祭礼図屏風』は狩野内膳筆(豊国神社蔵)のほかに岩佐又兵衛筆と伝えられている(徳川黎明会蔵)もあります。
徳川美術館(ttp://www.tokugawa-art-museum.jp/)の主な収蔵品→大名の雅
で紹介されています。
直接のURLは ttp://www.tokugawa-art-museum.jp/artifact/room5/03.html
『近世風俗図譜』九 祭礼(ニ)小学館 1982には
この2つの祭礼図について詳しく取り上げられています。
徳川黎明会蔵バージョンにもたけのこ男は描かれています。
P55(拡大図)笠鉾(かさほこ)の前には大きな竹の子の仮装が見える。
まるで竹の子族桃山版である。とかかれています。
徳川黎明会蔵のものよりも豊国神社蔵のものの方が、ゆる~いタッチで笑えます。
※文化財オンラインでは作品の正式名称が「紙本金地著色豊国祭ズ図」として紹介されています。
« 星のささやき---その22.星のささやきに関する日本語文献一覧 | トップページ | 黒法師(その1)黒法師にひとめぼれ »
「 others」カテゴリの記事
- しびれる『葬送のフリーレン』(その2)第10話。アウラとの対決に忠臣蔵を思い出しました(2023.11.18)
- 元気です~(2023.05.21)
- ちょっと撮り鉄子になった日の話。(2023.03.07)
- 61才。まだ3時のおやつ前(2023.01.15)
コメント
« 星のささやき---その22.星のささやきに関する日本語文献一覧 | トップページ | 黒法師(その1)黒法師にひとめぼれ »
豊国祭礼図屏風は大好きです。戦国武将の中で、一・二を争うほど秀吉が好きなんです^^
太閤さまをしのび、公家や武士や庶民が歌え踊れの大騒ぎ。階級をとわず、京の街中が熱狂する様子が表れていますよね。消えゆく桃山時代の華麗さと自由な息吹が感じられ、いつまでも見あきない傑作です。
タケノコのかぶりもの、気づいていましたよ♪
この屏風はじぃっと見ると、いろんな面白いものが発見できそうです。
投稿: しーかん | 2013年7月 7日 (日) 23:38
しーかんさんは秀吉好きでいらしたのですね!!!
そしてこのタケノコのかぶりものをご存じでいらしたとは!!
日本人不思議ですね。太閤さま(太閤さまと自然に出てくるところにしーかんさんの秀吉LOVEがわかります)をしのぶのに、しめやかに厳粛にする、のではなくてどんちゃん騒ぎをする、というのが。
この屏風、本当に面白そうなので、すべての細部をアップでみてみたいです。
投稿: emi | 2013年7月 8日 (月) 12:48