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2013年9月14日 (土)

鷹見泉石日記シリーズ(その5)カステラが食べたくなって

カステラを食べながら、鷹見泉石日記を読むのはオツです。

Takami_senseki_by_watanabe_kazan
↑鷹見泉石像(国宝) 渡辺崋山筆

鷹見泉石が食べたカステラを食べたい!と思ったのですが、
(その4)に出てくる淡海堂、虎屋、橘之播磨は判明せず。
上野風月堂の東京カステラは今の時代でもセレブな値段。

できるかぎり江戸時代の製法のままのカステラが食べたいと
まず購入したのが松浦軒のカステラです。
その後も鷹見泉石日記を読みながら、食べたいくつかカステラを紹介します。

◆松浦軒本店(岐阜県恵那市)のカステ―ラ
現代人の味覚にあわせ、リッチに進化しているカステラも多い中、
江戸時代の製法を忠実におこなっているカステラの一つとされています。

江戸時代に岩村藩の御殿医神谷雲澤が蘭学を学ぶために長崎に赴いた際にカステラの製法を学び、
それを松浦軒に伝授したのだとか。
松浦軒さんは現在、松浦軒本店さん(ttp://matsuhon.enat.jp/)と
松浦軒本舗さん(ttp://www.matsuuraken.com/)があるようです。

東京の百貨店の諸国銘菓で
松浦軒本店さんのカステラを販売していたので買ってみました。

右側は添えられていたパンフレットです。
20130914matsuuraken1_2

MATSURAと印があります。

20130914matsuuraken2_2

もう少し断面を綺麗に切れたらよかったのですが中はこんな感じです。
食感は人形焼を大きくしたような感じです。
しっとりふわふわという最近のカステラより素朴な風合い。
おいしかったです。

20130914matsuuraken3_3

◆文明堂のカステラ
関東に住んでいると、カステラといえば三時のおやつ文明堂です。
20130914bunmeido_2

一切れが個別包装されているカステラは手軽で便利。
パッケージを開けると、プラスチックのトレーにカットされたカステラが。
トレイにのっているのでカバンに入れて持ち運びも安心。

カステラの片方のへりだけに紙がついています。
その紙をはがすと、カステラの醍醐味であるザラメが!
20130914bunmeido2

しっとりふわふわ。おいしいです。
カステラはケーキのように生クリームやフルーツがあるわけではない。
卵と砂糖の味だけで勝負。
だからこそ、卵ってこんなにおいしんだ!と再発見できて
懐かしくほのぼのとした気持ちになれるのがいいですね。

◆MUJI CAFEのパンデロー
カステラのルーツのひとつがパンデローと言われています。
私が最初に食べたのがアンデルセンの限定のパンデロー。
その後、半熟カステラのお店もでてきましたが、
パンデローを手軽にいつでも食べられるのは無印良品のムジカフェですね。
20130914mujicafe_paodelo2

テイクアウトには生クリームはつきません。
でもパンデロの生地だけで十分!
卵のおいしさが口いっぱいに広がってしあわせな気分になります。


この他、南蛮由来の卵のお菓子でおすすめは。

◆鶏卵そうめん
20130914keiransomen

麺状にカットした卵を煮立った糖蜜にくぐらせてできるという
鶏卵そうめん。かなり甘いです。噛むとじゅわっと砂糖の甘さが口いっぱいに広がります。
小さい頃から家で食べていたのでどの家庭の食卓にも登場する国民食だと思っていたのですが
あまり知られていないお菓子のようですね。
ルーツはポルトガルのお菓子「フィオス・デ・オヴォス」と言われています。
タイにもまったく同じ形状のフォイトーンというお菓子があります。
タイ料理やで食べたのですが、味も形状もまったく一緒でした。
日本とタイに同じお菓子があるのは偶然ではありません。
ポルトガルから南蛮船が日本に鶏卵そうめんを伝えた頃、タイにも伝えていたのですね。
同じお菓子がそれぞれの土地で根付いて今に至っているわけです。

◆カスドース(平戸)
小さなブロックにカットしたカステラを糖蜜で揚げてグラニュー糖をまぶしたもの。
カステラより好きかも。
物産展などでもあまり出店がなく、いただく機会がめったにないのが残念。

カスドースをはじめ南蛮菓子を一気に食べました。詳細はこちらに。

【鷹見泉石日記シリーズ】INDEXはこちら
雪の結晶全般はこちら

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コメント

食欲の秋-カステラ、美味しそうですね。

カステラのルーツのひとつがパンデロー☆

初めて聞きました!

でもアンデルセンは(確かパン屋さんでしたか?)広島に住んでいた時に
行った覚えがあるので、何だか懐かしいです♪

無印良品のムジカフェがあるのですね。
仙台には無いようで、残念!

機会があったら、パンデローぜひ食べてみたいと思います☆

おんぽたんぽさん。こんばんは。

広島に住んでいらした時に広島アンデルセン行かれたのですね。
広島アンデルセンは、アンデルセンの総本山というべきお店のようですね!

ムジカフェが全国に広がるといいですね。
卵と砂糖だけ、ってゴージャスなケーキが多い中で、とても素朴で懐かしくて栄養たっぷりでなんだかうれしくなります。

何年か前から半熟カステラのお店も増えてきました。
おんぽたんぽさんがパンデローを召し上がる機会ができるとうれしいです

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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