「ノクターン」の初恋は浅田真央のスケートへの一途な想いそのもの
スケートアメリカ。町田樹のショート「エデンの東」。素晴らしかったです!!!
優勝も見事でした。
明日以降あらためて書かせていただくことにして今回は女子ショートの浅田真央を。
ショートプログラムの「ノクターン」。素晴らしかったです。
プログラムを滑りきるだけでなく「作品」として空気を創りだす「次元」、
完成度が他の選手と違う気がしました。
集大成にふさわしい名プログラム。
すべての動き一つ一つが洗練されていて、リキミなく、決して軽すぎず、なめらかで、スピードがあって。
エレガントという言葉にふさわしく、ジャンプ、スピン、ステップ、すべてが磨かれて上質。
ひとつひとつの動きがピアノのリズムや強弱や曲調にぴったりで、よく練られた密度の濃さを感じます。
しっとりと、優美なのですが、ところどころ、ぴょこ!とかぴょん!
と表現したくなるジャンプや動きが混ざるのも、ときめきや初々しさを感じさせて素敵。
特にウォーレイも。
浅田真央を始めいろんなスケーターのVTR、スケートをはじめた幼い頃の映像が流れたりしますが、
ウォーレイって、小さい子が覚えたての時のジャンプに似ている気がして
だからこそ初々しさを感じるのかもしれません。
最後の、一掻きでス~~~~~~と滑り、ピアノのトレモロのような音とぴったりの呼吸で
スピンでやわらかく終わるところも魅了されました。
それにしても、 16歳の時の「ノクターン」はあどけなくふわふわっとした「真央ちゃん」。
それが7年経ってこんなに別のものに仕上がるとは。
当時はテーマがあったわけではなく、「初恋」というテーマは
2013年のノクターンになってからのようですが、
浅田真央にとって「初恋」とは、一途な思いを捧げた「スケート」への想いそのもの。
そんな風に感じました。
怖さもなく、絶望を感じることもなく、「ただスケート大好き」といっていられた2006年と、
いろんなことを経験しながら、「でも、初めて私を夢中にさせたものはスケート。私は、これを選んだ」と
スケートへの真摯な「初恋」をふりかえるような2013年版。
怖いもの知らずで、何も考えず「スケート大好き」と滑っていられたあどけない自分の過去映像を
いろんなほろ苦い経験を経てきた浅田真央はどう見ているのでしょうか。
ソチに行くためにはどうしたらいいか。どの選手も逆算して手術だったり、
自分の課題だったりをみつけ、日々スケートに向かい合ってきただろう月日。
その中で、浅田真央は一時期結果がでなくなることも覚悟で<ジャンプの一から見直し>を決めたのですよね。
4年のスパンで「ソチ」を見据えて取り組んできたからこその到達点。
演技が終わったあとの満足した表情も見ているこちらまでうれしくなりました。
「初恋」の成就、そんなハッピーエンディングを感じました。
願わくば、ソチで、浅田真央の「初恋」がスケートへの想いが実る、そのよろこび溢れる表情をみたいです。
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