お正月にぴったりの和歌をご紹介します
お正月にふさわしい和歌をご紹介します。
青字は下記の文献からの引用です。
あたらしき 年の始(はじめ)に かくしこそ ちとせをかねて たのしきをつめ
atarashiki toshi no hajime ni kakushikoso chitose o kanete tanoshiki o tsume
(古今和歌集 20-1069)
(歌意)
新しい年のはじめにあたり、このように(御竃木を積み重ねるとともに)、
千年までをことほいで、楽しいことを積み重ねよう。 ※1
楽しいことをつみかさねよう!という明るさがいいですね。
新しき 年の初めは 弥年(いやとし)に 雪踏み平し 常かくにもが
大伴宿祢家持
(万葉集19-4229)
atarashiki toshi no hajime wa iyatoshi ni yuki fumiharashi tune kakunimoga
(歌意)
新しい年の初めは、毎年毎年、このように、雪を踏みならしていつも太平でありたいなあ。 ※2
新しき年の初めに豊の年しるすとならし雪の降れるは
atarashiki toshi no hajime ni toyo no toshi shirusutonarashi yuki no fureru wa
(万葉集17-3925)
(歌意)
新しい年のはじめに、今年は豊年だということの前兆としてでございましょう。雪がこんなに降りましたのは ※2
新しき 年の始の 初春の 今日降る雪の いや重(し)け吉事(よごと)
atarashiki toshi no hajime no hatsuharu no kyou furu yuki no iya shike yogoto
大伴宿祢家持
(万葉集20-4516)
(歌意)
新年の初めの今日、めでたく降る雪のように、いよいよ吉事の重なれかし
※2
万葉集最後の歌です。
「初春」のところは原文では「波都波流」
「夜露死苦」を思い出すのは私だけでしょうか。
********
雪は豊年のしるしと言われていたので、「めでたい」となるのですね。
大雪に悩まされ、危険な目にもあっている雪深い地方の方々は
「なにがおめでたいものか」とお思いかもしれませんが。
↑午年にちなんだ折り紙をいただきました
すごく美しいです!
※1『古今和歌集(四)全訳注』 久曾神昇著 講談社学術文庫(1983)より
※2『万葉集(一)~(四)』高木市之助ほか校注 日本古典文学大系7 岩波書店19
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emiさん、明けましておめでとうございます☆
ステキな和歌のご紹介、どうもありがとうございました。^^
個人的には、一番最初のが好きです。
雪が多いと豊作の年になるのですね。。。
知りませんでした。
そうやって、昔の人はこの季節を乗り越えてきたのかなと
感慨深く思いました。
今年もどうぞよろしくおねがい致します♪
投稿: おんぽたんぽ | 2014年1月 6日 (月) 16:00
あ!
お馬さんも、素敵です☆
投稿: おんぽたんぽ | 2014年1月 6日 (月) 16:01
おんぽたんぽさん。あけましておめでとうございます。
私の方こそどうぞよろしくお願いいたします。
雪が豊年のしるし」なんて雪が降らないところに住む人の幻想に過ぎない。雪国、雪のけ(雪かき)を強いられている方達にとっては吉兆にはならないと思っていたのですが、おんぽたんぽさんのおっしゃるように、雪に苦しめられるからこそ、「めでたい」と思うことで乗り切ろうと思ったのかもしれませんね
最初の歌、なんかポジティブで高らかでいいですよね!
投稿: emi | 2014年1月 6日 (月) 23:21