雪輪(その5)雪輪をあしらった浮世絵(2) 喜多川歌麿
雪輪(その4)に続き、雪輪が描かれている浮世絵を。
喜多川歌麿の作品をご紹介します。
喜多川歌麿(きたがわうたまろ)は江戸中期の浮世絵師。
生年は1753年頃。没年は1806年ですので、
土井利位の雪華図説出版(天保3年/1832年)に影響を受けず、
土井利位の雪華を知らない人物ですね。
雪輪が出てくる作品すべてを網羅したわけはなく7作品に絞ってご紹介します。
(雪持ち柳、雪持ち笹ほか雪持ちがモチーフになっているものは省きます)
所蔵館を1つしか明記していない作品も複数の博物館、美術館が所蔵しているものもあります。
青楼十二時 寅ノ刻/喜多川歌麿
江戸時代 18世紀
東京国立博物館所蔵
画像提供:東京国立博物館(ttp://www.tnm.jp/)
閲覧できるサイト
東京国立博物館内の直接のURLは
ttp://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0028050
私メモ/右側の女性。朱色の着物が雪輪文様になっています。
娘日時計 午の刻/喜多川歌麿
江戸時代 1794~95年頃
ボストン美術館所蔵
画像提供:東京国立博物館(ttp://www.tnm.jp/)
閲覧できるサイト
ボストン美術館(ttp://www.mfa.org/)→The Hour of the Horseで検索
東京国立博物館所蔵作品の直接のURLは
ttp://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0027084
私メモ/季節は夏。腕が透ける衣に雪輪が描かれています。
雪輪が冬限定の柄ではなく、夏にも使われていたことをうかがわせます。
東京国立博物館所蔵の作品ではわかりづらいのですが、
ボストン美術館所蔵の作品ですと、右側手前の女性の着物が雪輪の柄になっています。
蛍狩り/喜多川歌麿
江戸時代 1800年
メトロポリタン美術館所蔵
閲覧できるサイト
メトロポリタン美術館(ttp://www.metmuseum.org/)
直接のURLはttp://www.metmuseum.org/collections/search-the-collections/36630
私メモ/うちわを持った女性他、一人一人の動きのバリエーションが楽しい作品です。
中央の黒地の着物の女性の帯が雪輪のように見えます。
メトロポリタン美術館のサイトではかなり大きく拡大して画像を見ることができるので、
ギザギザが細かい雪輪のフォルムを、まるで絵に顔を近づけているかのようなリアリティで見ることができます。
メトロポリタン美術館での作品タイトルはWomen Catching Fireflies。
忠臣蔵 九段目/喜多川歌麿
江戸時代 1801年頃
アメリカ議会図書館所蔵
閲覧できるサイト
アメリカ議会図書館の直接のURLはttp://www.loc.gov/pictures/item/2009615193/
立命館大学アート・リサーチセンター内「忠臣蔵と見立て」
直接のURLはttp://www.arc.ritsumei.ac.jp/archive01/theater/html/20031213chu/degitalframeset-nishikie.htm
私メモ/ふすまに雪輪が描かれています。ボストン美術館にも所蔵あり。
ボストン美術館(ttp://www.mfa.org/)→「utamaro kudanme」で検索
婚礼図 三枚続/喜多川歌麿
江戸時代
大英博物館所蔵
閲覧できるサイト
大英博物館(ttp://www.britishmuseum.org/)→「utamaro konrei no zu」で検索
私メモ/一番手前の女性の着物が雪輪文です。
松葉屋瀬川/喜多川歌麿
江戸時代 1802年
ボストン美術館所蔵
閲覧できるサイト
ボストン美術館(ttp://www.mfa.org/)→「utamaro segawa matsubaya」で検索
私メモ/美しいです。手前の女性の着物の裾に白ベタの雪輪と黄色い線で描かれた雪輪が。
奥の女性の着物も雪輪が。紫色の地のところだけではなく、紅地のところにも雪輪があります。
雪輪尽くしの1枚です。
雪中屋根舟の男女/喜多川歌麿
江戸時代 18~19世紀
東京国立博物館所蔵
閲覧できるサイト
東京国立博物館内の直接のURLはttp://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0091229
私メモ/舟に乗り込む女性の着物の雪輪文はドーナツ状です。花との組みあわせも繊細で美しいです。
※以上7作品の画像は、ボストン美術館は掲載不可、
メトロポリタン美術館、アメリカ議会図書館、大英博物館は掲載OKとみなしてご紹介しています。
ボストン美術館の収蔵品はズームアップして細部まで見ることができるのでおすすめです。
(2014.3.12追記)
堀口茉純 文・絵の『UKIYOE17』(中経出版2013)では16人の浮世絵師を年代順に紹介しています。
(17の残りの一人は絵師ではなくプロデューサー的存在の蔦屋重三郎です)
的確で人となりがとてもわかりやすかったので要約してご紹介します。青字は引用部分。
喜多川歌麿(絵師7番目に登場p94~105)
鳥居清長とは同世代。
リアルな写実表現が得意。人間の内面までをとらえる圧倒的な筆力。
髪の毛一筋までのディテールにこだわった美人画の大首絵で成功。
【雪の結晶とアート】INDEXはこちら
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