2月8日、雪の結晶を撮りました
昨日の首都圏は大雪。東京では45年ぶりの積雪量だとか。
私、45年前の大雪を体験しています。覚えてはいないのですが、
大きな雪だるまの脇に立っている○才の頃の写真があるので、
「きっとあの写真が45年前の大雪の時のものだったんだな~」と思っています。
さて、昨日は絶好の結晶撮影日和だったのですが、外出せねばならず。
のんびり結晶観察というわけにはいきませんでした。
でも外出先と、帰宅後に撮影できました!
私の撮影は【顕微鏡と高度なデジカメ】ではなく【ガラケーと雪眼鏡】という方法です。
しかも撮影場所は首都圏。昨日、雪が降っている時の気温はせいぜいマイナス1度~0度。
高価な機材がなくても、零度前後の雪の日でも雪の結晶は降っていて、
このくらい(↓)のクオリティのものは撮れるということもお伝えしたく、ご紹介します。
---昨日の雪---
朝、目が覚めたらもう雪が降っていました。
8時30分。ベランダですでに肉眼で雪の結晶を確認。ごく小さな広幅六花(ひろはばろっか/りっか)です。
撮影したいが、外出・・・。
駅までの道を歩いている時、コートに落ちた雪の中に結晶の形になっているものを発見。
でも傘と荷物で両手がふさがり、撮れずじまい。
ホームから電車に乗り込む時にも、コートに雪の結晶を発見。
車内に入ってから撮ろうとするもすでに解けてしまい撮りそこねました。
出先(横浜・日吉)で10時前に撮影したのがこちらです。
傘を広げ、そのうえに雪を受けとめて雪片に混じる雪華を撮りました。
降雪の中の雪の結晶率はどのくらいかといいますと、
30㎝平方に1つある、ぐらいでしょうか。
多くが広幅六花でした。
*の内側にも小さな*の形がくっきりと。
画像右上にも解けかけた結晶があるのが見えますでしょうか。
14時30分前後からベランダで雪の結晶観察をしました。
かなりの結晶を見ることができました。
朝の広幅六花は小さかった(ほぼ2ミリ未満)だったのですが、
午後に見た結晶は形も大きく形も様々でした。
今回一番綺麗に撮れたのがこちら。
ほうれん草の葉を6つ放射状に並べたみたいな形。
江戸時代に顕微鏡で雪華を観察した土井利位も
似た形を観察しています。
土井利位が描いた雪華にアルファベットと番号を付けた雪華表
(古河歴史博物館作成)ではE6の形です。
(以下、アルファベット+数字はすべてこの土井利位の雪華表のものです)
中心から6方向にひろがる枝から分枝が左右に延びています。樹枝状六花ですね。
土井雪華表のM5でしょうか。
こちらも今回感激した形です。
雪の結晶には「鼓型」と呼ばれるものがあります。
角柱がくっつき、横からみると「工」の形になっているものです。
ミシンに使うボビンケースに似ていることから、
私は勝手に「ボビン結晶」と呼んでいるのですが、今まで生で見たことはありません。
今回、ボビン結晶を連結させた形のものを見ることができてうれしいです。
「王」の字に見えるので、「王の字結晶」と便宜上呼ぶことにします。
「王の字結晶」を別角度からとトライしたですが、
みるみる解けて、うまく撮れませんでした。
六角形の角板が3つ連結している形に見えました。
そのほか、綺麗に撮れた(顕微鏡での精巧な写真には及びませんが自分比)のはこちら。
C3に似ています。
E3に似ています。
空中飛行の途中でもげてしまったのでしょうか。
枝の先端が サザエさんの頭のようになっていて、
枝の途中に分枝がある様子は
K5に似ています。
雪の結晶は基本は六角形ですが、6弁のそれぞれの形はシンメトリーとは限りません。
(上の結晶も画像の上半分は枝の先端がサザエさんですが、右下は尖った形に見えます)
でも、「*」の角度は見事に円を6等分した60度ずつのようです。
50度のひらきの隣が70度のひらきというものを見たことがありません。
この「6等分」の見事さを見ると、こんな細部まで創り上げる「自然」はすごいなあと思います。
人間の顔も左右が完全な対称ではないように、結晶も対称とは限らないからこそ、パーフェクトに対称のものを見ると、すごいな~と思います。
誰にも気づかれないかもしれない、気づかれてもすぐに消える命の雪の結晶。
それなのに、美しい形であることが不思議に、また神々しく思えます。
朝から一番多く見かけた広幅六花。
I8に似ています。
六花ではなく三花も見られました。
土井利位も三花を描いています。
こちらがそのL5
鮮明ではありませんが、
U4や
C3に似ています。
解けかけてますが中央の六角形がしっかり残っています。
溶ける前の元の姿はN2あたりでしょうか。
さて、私の結晶の撮影方法はセーターを広げ、雪を受け止めて、撮影という方法です。
1)場所のポイントは屋根のあるところです。
雪が遮るものがなく降りまくるところですと、セーターがすぐに解けてゆく雪で湿気てしまうのを避けるため。
また、セーターに落ちる雪が雪の結晶である確率を高めるため。
↓
↓
↓
と直線で降ってくるものは雪の結晶の確率が少ないです。
雪の結晶を「舞い落ちる」と表現するのはその通りで、ひらひらジグザグジグザグ飛行して降りてくるものに雪の結晶の確率が高いです。気温が氷点下ではなく、かろうじて雪になっている、そんな環境での観察だからこそ、1000片に1片の雪の結晶を探すより、100片に1片の雪の結晶を探す方が楽。
そのために、屋根でさえぎることで、直線で降ってくるものを避けて、庇の下にひらひらもぐってくるものを狙うわけです。
2)セーターに落ちる雪を見て、結晶状のものがあれば、
右手に携帯、左手に雪眼鏡で、撮影してします。
こんな風に雪眼鏡を当てて。
つまり、大前提が「肉眼で結晶を発見すること」。
「えっ、東京あたり肉眼で結晶がみえるの!」と思われる方もいるかもしれませんが、
雪の結晶は十分肉眼で知覚できます。
ものさしをあてて接写機能なしで、撮ってみました。
一目盛が1ミリです。
雪の結晶の直径が2~3ミリでしょうか。
↑画像A
このブログをご覧いただいている皆様はどのくらいの大きさでこの画像をご覧になっていますか。
画像Aを何パターンかのサイズでアップしています。
原寸大でご覧いただけたらと思って。
直径2~3ミリでも充分、
雪の結晶の六弁の形が見えることがおわかりいただけますか。!
次の雪の日、自宅だったら庭やベランダで。出先だったら庇の下で傘を受け皿に。
撮影ができなくても肉眼で雪の結晶をみつけてみませんか。
今回の私の観察時間。朝8時30分前後。午前10時前。午後14時30分ぐらいから16時30分まで。
どの時間帯も雪の結晶が見られました。
時折部屋で、ソチ五輪を見ながらの観察。
道路では店舗を出している方達が歩道の雪かきをしてくださっている音がずっと聞こえていました。
ありがたいことです。
(私も去年、転倒しそうになった場所の雪かきに参加しました)
おまけ。しろたん好きの身内2人が
しろたん雪だるまを作りました。手もしっぽも雪です。
左はぬいぐるみのしろたん。
手垢による汚れでしょうか、本物の雪(右側)と並べると心なしかグレーにみえます。
【雪の結晶撮影シリーズ】INDEXはこちら
雪の結晶全般はこちら
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