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2014年3月30日 (日)

ラフマニノフは春先の空模様にもぴったり

去年の3月にラフマニノフをテーマにしたコンサートに行きました。
アップしようと思いながら1年以上経ってしまいましたが、浅田真央の「ピアノ協奏曲第二番ハ短調」を聴くたびに、やっぱりラフマニノフいいな~と思い、1年ちょっと遅れでアップします。

さて、私にとって冬になると聴きたくなる曲トップ3は。
1 「ピアノ協奏曲第二番ハ短調」ラフマニノフ
2 「樅ノ木」シベリウス
3 「四重人格」ザ・フー

ですが、ラフマニノフは春先(東京ですと2月~3月頭ぐらいまで)もいいな~と思ったきっかけが、昨年2013年3月10日サントリーホールで行われた上原彩子ピアノリサイタルでした。
3月10日と見て、あの「煙霧」の日!!と気づかれた方は気象マニアかも。

あの日、昼間のコンサートだったので、私はあたたかな春の陽気の中、ホールに入りました。
終演後、外に出たのは夕方。北風にかわっていました。
つまりコンサート中に煙霧があったため、家に戻ってからニュースで100年に一度?ともいう煙霧があったことを知ったのでした。

さて、上原さんのピアノ一台、1人だけによるリサイタル。
肘を使って叩くというようなアバンギャルドな手法はなく、正統派の弾き方なのですが、
ピアノに振り下ろす腕の迫力といったら!!
「つまびく」というよりも「叩く」に近い迫力。

ピアノは鍵盤楽器ではなく、打楽器だsign03
と実感させるコンサートでした。

ピアノは同時に出せる最大の音数が10個なのに、どうしてこんなに重厚なのだろうという音色でした。

プログラムでは、バンクーバー五輪での浅田真央のフリー曲「鐘」も演奏。
ピアノ一台で生み出されるエネルギーにぞくぞくしました。
「13の前奏曲」のメランコリックさ、「ライラック」のリリカルさも素敵でした。
アンコールで「ボカリーズ」が演奏されたのもうれしかったでした。

私の中でラフマニノフ=冬だっがのが、このコンサートで、春先にラフマニノフを愉しむというのもいな~と感じた理由は、 冬よりも春先の空模様の方が、暗と明がはっきりしていて、またその配合がラフマニノフに近いなと思ったから。

冬の空や空気は「白~薄いグレー」のイメージがあります。
寒波が来てもあまり「暗い雲」がたちこめてという印象がありません。

一方、春先は。
「チャコールグレーのような濃いグレー色の雲」がもくもくと立ちこめる日が多い気がします。
ユーミンは「ベルベット・イースター」で、空が低い、天使が降りてきそうなほどと描写していますよね。
おそらく、ユーミンがイメージしたのは低くたれこめた鉛色のような雲。

そんな濃いグレーの雲の隙間から時折差し込む日差しは、冬よりも力を増してまぶしく、温かく、コントラストがあります。

鉛色の空。寒さ←→時折の日差しと春のぬくもり。
まだ枯れ木の野山の茶色←→芽吹いた葉や花の色。
陰鬱さ90%←→明るさ10%(春先の天気の悪い時)

            
(色でいうとこんな配合のイメージ)

春先のこの比率がラフマニノフに近いな~と思うのです。
重厚で少し濁ったメランコリックな音楽←→きわめてわかりやすく、甘美で明るいメロディー

-----------------------------------------------

そして、ラフマニノフの曲でこれぞ春!!!
と感じるのが「春の水(Весенние воды)」。

この小曲を知ったのは、かれこれ20年以上前、NHKで放映されたバレエ公演「マイヤ・プリセツカヤと仲間たち」でした。
プリセツカヤをはじめとするロシアのトップダンサーが「海賊」「ドンキホーテ」をはじめとするパ・ド・ドゥetc.披露する中で、ラフマニノフの「春の水」を使った演目があったのです。
そのダイナミックな曲調と勢いよく走ってくる女性を男性が受け止めてリフトを繰り広げるアクロバティックなバレエの振付がとても印象的でした。
日本で「春の水」といったら「春の小川」。のどかな小川やせせらぎのイメージですよね。
なぜ春の水がこんなにダイナミックなのと当時疑問に思ったのですが、ロシアで「春の水」と言えば「小川」ではなくて「氾濫」。
雪が大地を覆い、河が凍る北国では、春になって森を覆っていた雪が解ければ、まるで湖に木が生えているような眺めになり、河の氷が融けて流れて氾濫となるのですね。

露日辞典に весеннее половодье(ヴィセーニエ・パラヴォージエ/春の氾濫)、 разводье(ラズヴォージエ/春の出水)という言葉があることからも、春の水 =ダイナミック=ほとばしるエネルギー なのが感じられますね。

2014年3月21日 (金)

江戸時代の屏風に描かれた雪輪

浮世絵に描かれた雪輪シリーズ。今回は浮世絵ではなく、江戸時代初期に描かれた屏風をご紹介します。

(所蔵館のリンクが切れましたら、各所蔵館トップページからお訪ねください) 


画像はすべて『近世風俗図譜 第7巻 遊女』(小学館 1984)からの転載です。
取り上げたいところだけトリミングしてアップしています。


one20140321yukiwa_hikonebyobu 紙本金地著色風俗図 通称「彦根屏風」
江戸時代 初期寛永期(1624~1644年)

彦根城博物館所蔵

閲覧できるサイト
彦根城博物館(ttp://longlife.city.hikone.shiga.jp/museum/)

私メモ/国宝。彦根藩井伊家に伝わったことから「彦根屏風」と呼ばれています。
六曲一隻の第2扇(右から2番目の面)の犬を連れた女性の着物が雪輪に鹿子模様となっています。
見返り美人並みに、女性のポーズ(動き)が優美にみえます。
そして、この絵で驚くのは描かれている男性(画像右)。
刀にもたれるといういかにもかっこつけたポーズ、ポニーテールのように束ねた髪、着物の重ね着具合がトッポくて今っぽいです。
渋谷あたりにこんな男性がいそうと思いませんか。

20140321yukiwa_hikonebyobu_up 『近世風俗図譜 第7巻 遊女』のp19では
この男性は下記のように解説されています。
「面白の恋のざれ言」-江戸時代初期の画中にのみ見られる、黒の袖無し。伊達な若衆の洒落着か、歌舞伎舞台を抜け出たような。

雪輪の着物の女性に関しては
大雪輪は匹田鹿子で霞小紋の摺箔重ね。
雪輪はいかにも寛永のころの形式

と記されています。









『日本ビジュアル生活史 江戸のきものと衣生活』丸山伸彦著(小学館 2007)
は興味深いです。p10では彦根屏風のこの二人が掲載され、
江戸時代のファッションの流行の担い手は、遊女とかぶき者、そして歌舞伎役者。当初、彼らの尋常ならざる装いを白眼視していた常識的人々も、徐々に彼らの異装を取り込み、流行を形づくっていった。
と書かれています。また、
この遊女の着物に関しては鹿子絞りの大柄の雪輪を散らした小袖を着ている。
(この2人の衣裳は)ともに当時の異装に属する装い
とも書かれています。


日本ビジュアル生活史 江戸のきものと衣生活




two20140321yukiwa_matsuurabyobu 婦女遊楽図屏風 通称「松浦屏風」
江戸時代 寛永期ごろ ※慶長期説あり

大和文華館所蔵

閲覧できるサイト
大和文華館所蔵のものはこちら

私メモ/国宝。九州の平戸藩松浦家に伝えられていたことから松浦屏風といわれています。
2か所に雪輪が描かれています。
20140321yukiwa_matsuurabyobu_up2_2 ①六曲一双の左隻第1、2扇の女性の打掛に雪輪が。
『近世風俗図譜 第7巻 遊女』(小学館 1984)p37には鹿子の重ね雪輪の伊達紋と書かれています。






20140321yukiwa_matsuurabyobu_black ②左隻第3、4扇では文使いの暗い生地の着物に黒の雪輪が。

20140321yukiwa_matsuurabyobu_black_ 暗色☓暗色がcool !!

『近世風俗図譜 第7巻 遊女』p38には暗色の雪輪文様が古式に表されている、と書かれています。

美術評論家であり、この屏風絵を所蔵する大和文華館初代館長の矢代幸雄氏は
『松浦屏風』矢代幸雄 山口蓬春(美術出版社 1959)の中で
松浦屏風の制作年代を寛永より早い江戸時代初期の慶長(1596年~1615年)と指摘しています。
画中18人の衣装の時代考証によるものです。

20140321yukiwa_sakuragariyurakuzuthree 桜狩遊楽図
江戸時代 寛永期(1624~1644年)

ブルックリン美術館所蔵

閲覧できるサイト
ブルックリン美術館所蔵のものはこちら
作品タイトルは「Cherry Blossom Viewing Picnic」

20140321yukiwa_sakuragariyurakuzu_u 私メモ/四曲1双の右隻第3扇で女性の薄い水色の着物に雪輪が。
緑色の鹿子だけではなく白ベタの雪輪も描かれています。

『近世風俗図譜 第7巻 遊女』p87に萌葱鹿子の雪輪文様は、ほぼ等間隔に角の出た形式で、この時期の特色がうかがえると書かれています。









four20140321yukiwa_danjoyurakuzu_2 男女遊楽図屏風
江戸時代初期か

細見美術館所蔵

閲覧できるサイト
細見美術館の2008年特別展「京と江戸 名所遊楽の世界」リリース(ttp://www.emuseum.or.jp/press/img/miyako_edo.pdf)

20140321yukiwa_danjoyurakuzu_up 私メモ/第2扇の文を持つ遊女の着物が匹田鹿子の雪輪柄になっています。
配色が非常に粋です。
oneの彦根屏風の女性の着物ととてもよく似ていますね。
この着物が今もあったら、着てみたいです。
中に見えるのは半襟でしょうか。雪輪模様に使われている赤を持ってきているところもおしゃれ。






------匹田鹿子について------
匹田鹿子の雪輪柄は今回ご紹介した屏風絵だけではなく、江戸時代の浮世絵にもよく見られます。
匹田鹿子は江戸初期、とても贅沢だったようです。

『近世風俗図譜 第7巻 遊女』掲載の「寛文期を中心とした遊女の服飾-『色道大鏡』の世界」
切畑健が興味深いです。
 『色道大鏡』(畠山箕山著)に記載されている江戸時代初期の遊女たちの衣装の記述を例にしながら、「当時は紋染めと刺繍が全盛期であったが、むしろ匹田鹿子が贅の限りと考えられていたと当時、匹田鹿子が尊重されていたことを指摘されています。

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雪の結晶全般はこちら

2014年3月18日 (火)

雪輪(その12)雪輪をあしらった浮世絵(9)杉村治兵衛

雪輪をあしらった浮世絵(8)の続きです。

時系列的に前後しますが、江戸時代前期の絵師、杉村治兵衛(すぎむらじへい)(生没年不詳) の作品をご紹介します。

菱川師宣と同時代の治兵衛。ボストン美術館に多く所蔵されています。
雪輪を描いた作品もいくつかみつけられたのですが、春画だらけsadなのです。
ご紹介しづらいものばかり。

ですので2作品だけ。

(美術館へのリンクが切れましたら、各所蔵館トップページからお訪ねください) 
(所蔵館はすべての館を網羅しているわけではありません) 
(作品の年代は所蔵館の表記を参考にしました)
(日本語作品名を確認できていないものがあります。
≪≫としているのは英語作品名や作品の絵を元に私が記した暫定的なもので、正式名ではありません)

one四季の遊び/杉村治兵衛  
江戸時代 1684年

ボストン美術館所蔵

閲覧できるサイト
ボストン美術館所蔵のものはこちら。←春画ではありません。安心してご覧ください。
作品タイトル「Pastimes of the Seasons」。

私メモ/庭で手まり遊びをしている女性の赤い着物に雪輪が見えます。

two日本語タイトル不明
江戸時代 1680年代半ば

ボストン美術館所蔵

閲覧できるサイト
ボストン美術館所蔵のものはこちら。←春画です。R18指定ぐらいでしょうか。
作品タイトル「Young man and sleeping girl, from an untitled erotic series」。

2014.8.8追記。
現在「こちら」をクリックしていただいても、「Young man and sleeping girl, from an untitled erotic series」は開きません。
画像をご覧いただく別の方法を。
(1)グーグルでYoung man and sleeping girl, from an untitled erotic seriesを検索。
(2)Erotic Prints | Museum of Fine Arts, Boston
   www.mfa.org/collections/object/erotic-prints-540768


と出てくるものを探します。2014.8.8現在はトップに出てきます。
(3)540768の右脇の▼からキャッシュを選択。
(4)この春画のページが開き、雪輪模様の着物がご覧いただけるはずです。

私メモ/女性の着物に雪輪が。雪輪の中に描かれた繊細な植物の柄が美しいです。

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2014年3月13日 (木)

3月になっても冷えています。車に雪の結晶のような窓霜が綺麗でした

今年は冬が寒くて長いです。
3月になりましたが、朝の冷え込みは真冬並み。

20140312snow こちらは私の散歩コースでの昨日12日の様子。
2月14~15日に降った雪がまだ残っているところがあるんです。

2月15日以降、本降りの雨の日が3回ありました。
その雨でも解けきることなく残っていることに驚きます。










20140311_064012madoshimo こちらは3月11日(火)の早朝、車の窓ガラスにみつけたもの。
窓霜が雪の結晶のような六花になっていました。
とても美しかったです。
(気温1度前後)

2014年3月 9日 (日)

ソチ五輪閉会式

ソチ五輪閉会式もロシアの魅力たっぷり、そして雪から春への季節を感じさせる素晴らしいものでした。
私の印象に残ったベスト10を。

【1位】4.5輪が5輪に。
憎いですね~ 開会式での失敗を逆手にとって。
でもあの失敗がなかったら、閉会式で五輪をつくっても盛り上がらなかったでしょう。
右上の輪を最初閉じておく。その「ウケ」。開いて無事五輪になる「盛り上がり」。ナイスでした。

【2位】聖火を消す。
ホッキョクグマが白い息を吐いて聖火を吹き消して、水色の涙がこぼれるところが素敵でした。

【3位】 鏡の国と動物。
空間を使い、床を使い、立体的に別世界を作る技術。いくつもの鏡が作り出す不思議な空間も見事でした。
ホッキョクグマ、ユキヒョウ、うさぎ。毛がふかふかしていることが映像でもわかります。
動物たちの足元にリュボーフィちゃんたち。動物と一緒に遊びたいという夢を叶えた素敵な1シーン。
宮崎駿の『となりのトトロ』、ふかふかの猫バスで遊ぶメイちゃんたちの1シーンを思い出しました。

【4位】波に魚のような光の伝道師のマスゲーム。
大勢の人が次々とフォーメーションを変えて形を作るのが圧巻。
映像が人をアップにすると、ただ銀色のマントを羽織っているだけにみえるのですが、どうしてあんな風にキラキラと光るんでしょう。
上からの映像では本当に水が床に張ってあって、太陽光で反射しているように見えました。

【5位】リュボーフィちゃんたちの船の旅。
閉会式の冒頭。青く光る柱はオーロラのよう。下には青い波。そして本物の花火を流れ星に見立てる演出にもびっくり。リュボーフィちゃんたちの船が空中に浮いている様子にうっとりしました。
こんな景色のなかをゆっくりと進んでいく、そんな遊園地のアトラクションがあったらいいな~。

【6位】ミモザのフィナーレ。
ミモザの枝を持った人たちが現れたフィナーレ。キラキラ降る金色のものは金メダルのオマージュのようにも見えます。
黄色いミモザはロシアでも春を象徴とする花。白い雪の世界でおこなわれる冬季五輪が終わって春がやってくる、というのを感じさせる演出でした。
3匹の動物たち、大勢の人が並んでそこに黄色に輝く花畑が広がる様子はに『風の谷のナウシカ』を思い出しました。青き衣をまとった者が金色の野を思い出しました。

__ 【7位】ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番ハ短調。
浅田真央のあのフリーがよみがえりました!!

画像提供:www.kremlin.ru

【8位】シャガールの世界。
シャガールの独特の色使い。雲だけではなく人も建物も空中に浮いている幻想的な感覚。
ジプシーバイオリン。2二次元の絵の世界がこんな風に再現できるのがすごいですね

【9位】バレエ。
ボリショイとマリンスキーによるバレエも圧巻。この時は本当の劇場のような空間になりましたね。
空中に吊るされたいくつもの柱も選手入場の時のロシアの国旗のカラーとは違って、金色に。
まるでシャンデリアの一部のようでした。
紫色のと金色の照明でゴージャス。バレリーナの白いチュチュが金色の光に透ける様子はまるで後光が差しているような美しさでした。

【10位】韓国。
次回冬季五輪の開催国韓国の場面。床が水墨画のような世界に早変わり。
鶴の白い羽が光るところも印象的でした。
鶴、松。韓国と日本の原風景の近さを感じました。

------------
ロシア文学の場面で使われた音楽が浅田真央使用曲の「仮面舞踏会」なのもうれしいですね。
サーカスの場面では、テントまであの時間の中で組み立ててしまう大がかりさに驚かされました。
サーカスのテントをたたむ場面では、本物のテントをたたむのと、床に映した映像と連動してシュ~と吸い込まれるように 消える技術もすごいですね。

おまけ
20140309sochi1_2 こちらはいただきもののソチ五輪チョコ。

それぞれの種目のピクトグラムとロシア語が書かれています。

20140309sochi2 фигурное катание на коньках(フィグールナエ・カターニエ・ナ・カニカーフ)は絵で推測できる通りフィギュアスケートのこと。

20140309sochi3_2 ミルクチョコレートです。

2014年3月 6日 (木)

ソチ五輪の開会式


ソチ五輪が終わりましたが、開会式、閉会式ではロシアの伝説、工芸、自然、建築、バレエ、音楽、アートが満載。また、床に映像を映し、空間を使う立体的な演出が素晴らしく、圧倒されました。

五輪競技では、なぜこんなふうに跳べるんだろう!速いんだろう!と人間の「身体能力」の究極に眼をみはるのですが、競技ではない開会式閉会式でも、なんで人間がこんなこと思いつくんだろうという人間の「想像力&創造力」に驚かされました。

思いつくだけならまだしも、それを実際に形にできるところが凄いですよね。
会場という限定された空間で、編集して組み合わせることのできないLIVEという制限の中で、秒単位で映像も大勢の人間も機械も精密に動かさなければ実現できない「総合芸術」。それをスタッフすべてが一糸乱れず動いて創りだす。人間の可能性の凄さに圧倒されました。

勝手にで印象に残った場面ベスト10を挙げます。
ガガーリンや宇宙に関する場面はこちらで挙げたのでそれ以外を。

【1位】五輪の輪。
ロシアの威信をかけたセレモニーでこんなトラブルが起きるとは。
5つの雪の結晶が近づいて五輪になるはずが、1個開かずに4輪に。
失敗した担当者の身を勝手に案じてしまいました。

【2位】ロシアの寺院のネギ坊主がふわふわ浮かぶシーン。
「よくぞこれを形にしてくれた!! 人間の創造力、Ура!(ウラー!/ロシア語の万歳の意味)」と叫びたくなりました。
2色のキャンディーを合わせてひねったようなネギ坊主は聖ワシリー寺院を代表とするロシアの教会にみられるものですね。
オレンジ、黄色、青、カラフルな人形やコスチュームはロシアの民芸品Дымково(ディムカバ)のよう。
サーカスのようなアクロバティックな動き、輪になって踊る人々。中世のお祭りのよう。
床もディムカバのお皿のような柄が映し出されていて、おとぎの国に迷い込んだみたいな楽しさでした。
こんなビジュアルが実際に形にできるなんて!
ネギ坊主が空中に浮かんで、聞こえてくるのはロシアの鐘の音。
ずっと見ていたい。遊園地にアトラクションとしてあってもいいのにと思うほど魅せられました。

【3位】選手入場のシーン。
SF映画かと思いました。宇宙から地表を俯瞰で見る画像→ギリシャ付近が映ったあと、中央に白い光の帯が現れます。そこに選手たちの姿。最初の上からの映像ではどうなっているのかわかりませんでした。

次の映像で、白い帯と思ったのは、会場の地下からの白いスロープで、そこを選手たちがのぼってきて姿を現す仕組みであることがわかりました。
映画「未知との遭遇」で宇宙船から宇宙人が降りてくる場面や宇宙に行った地球人が降りてくる場面がよぎりました。とてもSF的な登場シーンがツボでした。

【4位】波と船。
同じ床が映像や照明で別世界に変わる。映像技術の魔法にしびれたのがこの場面です。
カラフルなロシアのおとぎ話が一転モノクロの世界に。
水墨画のような黒い波。本当に水が波だっているかのような迫力。
そこに右側から船がやってきます。甲板にいる乗組員たちは、船の進行にあわせて一緒に動きます。
プロジェクションマッピングみたいな技術なのでしょうか。
本当に船が存在して波の上を滑っているように見えました。圧巻でした。

【5位】マスコットキャラクターのおっさん顔。
ホッキョクグマをモチーフにしているそうですが、可愛くなく老け顔なのが逆にかわいいです~。

【6位】ロシアの大陸。
冒頭、ロシアの大陸が空中を浮かびながらやってくるシーンが幻想的でした。
特に白馬のと白樺の大陸は、東山魁夷の絵を見ているようでした。

【7位】白いトロイカ。

まるで夢の中のようでした。スローモーションのようにゆっくりと馬の脚が動く様子も。
雪のように白い馬が、オレンジの太陽の輪を曳いているのがロシアの民話の世界を見ているようでした。

Opening_of_xxii_winter_olympic_game 【8位】鳩の場面。
光るフリンジみたいなものを持って回るだけであんな美しさを創りだせるとどうやって思いついたのでしょうか。幻想的で、どこか日本的でもありました。
フリンジを上の方で回転させたり、低い位置で回転させる動きが、羽根を羽ばたかせる鳥に見えました。
最後に全員で鳩の形を作るところ、鳥肌が立ちました。

画像クレジット:www.kremlin.ru

Opening_of_xxii_winter_olympic_ga_2 【9位】 リュボーフィちゃん(Любовь/ロシア語で愛の意味)が青い球の上にのって赤い風船を持つ場面。暗い観客席のあちこちでフラッシュなのかメダルの明かりかが光る様子はまるでプラネタリウムの星。その中に浮かぶリュボーフィちゃん、青い球、赤い風船がファンタジックでした。
昔大好きだったフィリップジャンティカンパニーのパフォーマンスを思い出しました。
画像クレジット:www.kremlin.ru

【10位】ロシアンアバンギャルドの場面もしびれました。赤と黒。帝政ロシアの優雅さをおもわせるロシアバレエもロシアの神髄ですが、こういう無骨で鉄の塊といった世界もロシア~ソビエトならではのもの。
音楽の「Время, вперёд!(ブレーミヤ・フピリョート!/時よ前進!)の勇ましさにもしびれました。

おまけ。
20140306sochi マトリョーシカをタップする競技が面白くて、雪の日にマイマトリョーシカを雪の上に置いて撮ってみました。

2014年3月 2日 (日)

ガガーリン100 ソチ五輪の開会式でガガーリンが少し登場しましたね

ソチ五輪が閉幕して一週間経ちましたが、さすがロシアでの開催。
開会式ではガガーリンや宇宙に関することがいくつか取り上げられていました。

まず冒頭。ロシアで使うキリル文字のアルファベットがAから順番に紹介されるところ。
コラージュのような映像がとてもかっこよかったのですが、
私は録画を失敗して、みることがЖぐらいからだったのが残念なのですが、
Г(ゲー)ではГАГАРИН(ガガーリン)が取り上げられたようですね。

Л(エル)ではЛуноход(ルノホート/ロシアの月探査車)が出てきたのをみました。
С(エス)ではСпутникスプートニク/世界初の人工衛星)、
Ц (ツェー)ではЦиолковский(ツィオルコフスキー/宇宙開発の父と言われているロシア人科学者)でしたね。

開会式では ロシアの歴史を辿る場面にもガガーリンの名前が登場しました。
それはロシアンアバンギャルドの時代の後、ピオネール(白い制服に赤いスカーフ)とロケットが出てくる場面です。
床に世界初の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンを意味するFIRST MAN IN SPACE Юрий Гагаринの文字が映し出されました。

宇宙に関することでは、五輪旗を男性4人、女性4人で掲げて歩く場面で女性初の宇宙飛行士 Валентина Терешкова(ワレンチナ・テレシコワ)さんの姿がありましたね。
テレシコワはボストーク6号に搭乗して宇宙へ行った時のコードネームがЧайка(チャイカ/かもめの意味)だったため、「Я чайка(ヤー・チャイカ)」---こちらチャイカと地上と交信した言葉が「私はかもめ」と訳されたことで有名ですね。

clubおまけclub

アルファベットのシーン

●Ё(ィヨー)ではアニメの巨匠ユーリ・ノルシュテインの『霧の中のはりねずみ』がでましたね!
ロシア語でハリネズミがЁжик(ヨージク)だからですね。

●女性初の宇宙飛行士テレシコワも参加した五輪旗を運ぶ場面では、女性最前列がロシアの女優、チュルパン・ハマートヴァでした。映画『ルナパパ』ではつらつとしていた10代の宮沢りえみたいな魅力を放った女優です。

●男性最後尾は映画監督ニキータ・ミハルコフ。
彼は若い頃に『私はモスクワを歩く(Я шагаю по Москве/ヤ・シャガーユ・パ・マスク ヴィエ)』という映画に主演しました。
この映画はソビエト時代の若者を描いたとても小粋な映画。
主題歌もとてもよいのですが、開会式のピオネールの場面ではこの主題歌も使われていました。

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emi (秋田恵美)

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。
    コンタクト: メールアドレスはhoshibiyorihappy*yahoo.co.jp このyahooの前の*を@に変えてご連絡下さいませ
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