「アナと雪の女王」を観ました! 雪の結晶三昧
雪の結晶好きとしてはみられずにおりましょうか。
「アナと雪の女王」を観ました!
映画の最初から最後まで雪の結晶がいっぱい
しかも3Dで観たので、立体感の醍醐味。
雪華が空間を舞い降りるような、自分が雪原に立って、
この映画の世界に入り込んでいるような臨場感に魅了されました~
↑この映画好きからいただいたメモパッド
以下ネタバレです。
テーマは
「この映画のテーマを10字以内で述べよ」と設問を出されたら、
模範解答は「真実の愛は氷を溶かす」なのかしらと。
日本語タイトルは「アナと雪の女王」ですが、原題は「FROZEN」。
アナの姉のエルサは「雪の女王」だけではなく「氷の女王」でもありますよね。
「氷を溶かす」というのは、冬に支配されてしまったアレンデール王国の城や町の雪や氷を溶かすという意味でもあり、
エルサの心を溶かすという意味でもあり。
みどころ
ディズニースタッフの渾身の技術が作り出す、さまざまな雪や氷の造形や動き。
CGでなければ作り出せない映像技術が素晴らしいです。
雪の結晶、スノーマン、ふかふかの雪、吹雪・・・。陽射しで青っぽく見える雪…。
エルサの作る御殿の美しいこと美しいこと。
そしてさまざまな氷の造形も美しいです。
透き通った質感が見事です。
雪や氷が視覚的に楽しめるだけではなく、氷がぶつかりあう、軽やかで涼しげな音、氷が割れる迫力のある音etcも楽しめます。
体感で凍てつく、透明な、凛としたFROZENな世界を楽しめます。
ききどころ
なんといっても「Let it go」。
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さて、ここから感想を。
この映画では松たか子の歌も話題ですよね。
私もyoutubeで何度も松たか子や25か国語バージョンを視聴しました。
どんな場面で使われるのだろうとワクワク。
使われ方は想像していたのとは違いました。
ありのままで。自分を解放して等身大の自分で生きていこう、何もこわくない。というような趣旨で歌うエルサ。
たからかに力強く、解放感を持ったメロディーと歌唱。
だから、私は勝手に、自分の世界に閉じこもっていたエルサが今の自分を認め、
殻を破って、オープンマインドでみんなの中に飛び込む場面なのだと思っていました。
でも違うのですね。
触れるものを凍らせてしまうエルサは、小さい時に妹のアナをその力で傷つけてしまった時から、
アナとも隔離された生活を送ってきました。
手袋をして素手で触れないようにして。
感情がたかまると凍らせてしまうパワーが強まるから、感情をひたすら押し殺して。
けれども、戴冠式後のパーティーで片手の手袋が脱げた時、その力がみんなにばれてしまいます。
恐れる人々の中には彼女を化け物扱いする者も。
エルサは城を捨て雪山へ。そして、この歌を歌うのです。
もう一方の手袋も脱ぎ捨て、
この力を隠さないで、感情を押し殺すこともやめて、私は生きていく、ここが私の王国と。
ありのままの自分で「みんなと交流をする」とは正反対で、
ありのままの自分で「人里離れたところで殻(自分だけの氷の城)を築いて生きていく」。
その展開が、想像とは違っていました。
エルサがありのままの自分を出せなかったのは、自分が傷つきたくなかったからでも、いい娘でいたかったからでもなくて、
まわりを傷つけたくなかったというやさしさから。
であるならば、ありのままの自分を出すことがいいとは言い切れないなあと、
英語版「Let it go」の歌詞に素直になれない自分もいます。
♪No right, no wrong, no rules for me, I'm free!
私には正しいことも間違っていることもルールもないわ。自由なの。という意味の歌詞のくだりも、
開き直った解釈をして傍若無人な人が増えてもいやだなあと思います。
だからこそ、日本語の歌詞は、共感できるようにアレンジした内容になっていて上手いなあと感じました。
とはいえ、この「Let it go 」にはガガの「Born this way」に通じるものを感じました。
ありのままの自分の色で生きていく、自分をカミングアウトして生きていく、
そんな後押しになる曲かもしれません。
ここが好き
最終的には、
「自分を押し殺すのでも、解放しきるのでもなく、うまくコントロールして調和させて生きていくのが一番。
その能力で周りの人を喜ばせる方法があるはずだから」
が本当のテーマかなあと思います。
そんなことをさりげなく感じさせるラストが素晴らしかったです。
ここが不満
「Let it go」の使い方とエルサの描き方。
エルサの描き方が少し中途半端です。
自分の不思議な力におびえ、苦悩していた日々。
もう抑える必要がなくなったと感じて自分の雪と氷の城を築く日々。
その対比があまり描かれていない気がします。
「Let it go」は素晴らしいのですが、彼女が自分の力を、もう封印しない!
と決めたことがアレンデール王国の人たちにどんな危害をもたらすかが足らず、彼女が狙われる動機づけが少し弱いかも。
最後、エルサはその能力を活かしながらみんなの調和できることが描かれるのですから、
クライマックスでもう一度「Let it go」を歌ってほしかったです。
今度は<アナや自分を支えてくれる周りの人や民と一緒に生きていくわ>とたからかに歌う歌詞にして、
エルサとアナのデュエットで。
ともあれ
氷と雪の世界の美しさにうっとりしたり、迫力に鳥肌が立ったりを満喫できる映画です。
この氷と雪の世界のアトラクションがディズニーランドにあったらいいな~。
オラフのキャラも不気味なマシュマロウもツボです。
さて、同時上映のミッキーの短編の3Dバージョンおすすめです。
ミッキーがモノクロのミッキーのアニメを劇場のスクリーンで観ているという場面では、
自分が今いる映画館の前方に本当にミッキーがいるように見えました。
25ケ国の「Let it go」では私は日本とスペイン、タイ、ロシアが好きです。
日本語吹き替えは松たか子の歌はもちろんのこと、
神田沙也加ちゃんの歌が本当に素晴らしかったそうです。
吹き替え版を観た友人は、沙也加ちゃんがこの歌唱力を身につけたのはいかに努力をしたのかと感動し、
この映画のために生まれてきたといっても過言ではないと熱く語ってくれました。
近日、吹き替え版も観に行く予定です。
(観に行きました。こちらに)
英語の「Frozen Little Golden Book」、おすすめです。
わずか24ページなのですが、どの絵もとてもリリカル。
そして映画の要所要所のシーンがうまく再現されています。
アメリカでは4~8歳でしょうが、日本だったら大人でも楽しめます。
英語にあこがれ、勉強を始めたティーンエイジャーも、この英語がわかる!って英語が好きになるかも。
書体も素敵です。
Frozen Little Golden Book (Disney Frozen)
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