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2014年4月 9日 (水)

「アナと雪の女王』日本語吹き替え版を観ました

2014年4月2日の「Frozen」3Dバージョンに続き、「アナと雪の女王」日本語吹き替え版を観ました。
吹き替えということや2度目ということもあり、初回では気づかなかった発見がありました。

これからご覧になる方は以下ネタバレなのでお気をつけください。
ただ、ご覧になる前にお伝えしたいのは、スノーマンのオラフが歌うシーン。
冷たい飲み物が入ったコップの中の氷もオラフの形をしています。
わずか2~3秒のシーンですが、どうぞチェックしてみてださい。


では、以下ネタバレ。(セリフは一字一句再現しているわけではありません)。

信頼は怖れを溶かす
「真実の愛は氷を溶かす」だけではなく、
「信頼こそが怖れを溶かす」ということを強く感じました。

エルサは怯えなどの感情が高ぶって、周りを凍らせてしまいます。
その魔法の力を目の当たりにした人々は彼女を怖れます。
けれど妹のアナは「姉は自分を傷つけることはない」とひるむことはありません。
人の目から逃れるように城を飛び出すエルサを追いかけ、

アレンデール王国がエルサの魔法で冬に閉ざされてしまったことを打ち明けます。

「自分にはどうすることもできない」と語るエルサにアナは
「エルサならきっとアレンデール王国に夏を取り戻すことができる」と語ります。

その後、アナはエルサの魔法の力によって命の危険にさらされてしまうのですが、
それでもアナは自分を犠牲にしてもエルサを守ろうとします。

そして・・・・クライマックス。
エルサは怖れという感情や自分の危険性をともなう能力をコントロールできることを知るのです。

真実の愛とは、<自己犠牲で相手を守ろうとする想い>でもあるけれど
<相手を信じてあげること>だと感じました。
「あなたによって私が傷つくことはない。あなたはその力をコントロールできる」。
アナからそう信頼されることがエルサを救ったのだと感じました。

エルサの気高さ
展開が少し粗いところもあるこの映画を素晴らしい作品に高めたのはエルサとアナのキャラの魅力でしょう。

エルサはクールビューティー。だけどけっして悪役の「雪の女王」ではありません。
苦悩を抱えています。
奇異の目にさらされて、城を捨て、自分だけの氷の城を築いた時も、けっして復讐を考えたりしません。
望みは自分の魔法の力を封じないでありのままに生きていたい、という思いだけ。そのピュアさが魅力。

アナは今までにないプリンセスのキャラ設定が秀逸
アナは。典型的な次女。向こう見ずで、警戒心が少なくて、夢に溢れていて、そして利発。
逃げ出したエルサを追いかける時も、「仕切り」の良さを発揮します。
馬の手配をしたり、婚約者のハンスに留守を守る権限を発令したり。
さすが国王の血筋だと思わせるような一面がさりげなく描かれていて、
それが、プリンセス・アナの魅力を高めていると思います。
王宮での寝起きのボサボサ頭や、濡らしたためにカチカチに凍ったドレスでヨチヨチ歩くコミカルな様子もかわいいです。
マシュマロウとの対決で絶体絶命の場面でも「刀」でロープを切るとっさの判断で助かるなど、
ピンチを勇気と機転で乗り切る強さが随所に描かれていました。

神田沙也加
♪「生まれてはじめて」では未来への夢溢れる心が伝わってきましたし、
のびやかでつややかな歌声が素晴らしかったですね。
ものおじせず、お姉さん思いで少しやんちゃなアナをチャーミングに好演。
松たか子もノーブルに、でも決してクールビューティーになりすぎず、エルサを演じましたね。

♪「Let it Go」圧巻
劇団四季の作品も数多く手がけているという高橋知伽江さんの日本語詩が素晴らしいですね。
サビの部分の「Ler it go,  Ler it  go」のところに「ありまま」の6文字をあてはめ、
特に「go」 のところを「オ」の唇の形になるような音になるようにしたというリップシンクも見事。

ただ訳すのではなく、エルサの心情を深く描写するような日本語詞から私が感じたものは
こんな風な心情。

他の人と違うことにびくびくしながら、過ごすのはもうたくさん。
たとえ孤高の存在になっても、自分を隠して生きるよりは、自分を出して生きたい。
どんなに風あたりが強くても平気。
自分を信じて、自分の力で築き上げていきたい。
というような覚悟と潔さ。

例えば企業から独立してフリーランスで生きていく決心をした人とか、
多くの人が自分の日常にあてはめて感情移入できる普遍的な日本語詞になっているのがいいですね。

映像では、髪をほどき、水色のドレスと雪の結晶のベールをまとったエルサが、
バルコニーに向かって歩いていくところがかっこいいですね。
「少しも寒くないわ」と自信に満ちた表情で扉を閉めるところもニクイです。

松たか子の歌い方も素晴らしいですね。
ありのままで~のサビの部分、1番と2番以降は違っています。
1番は少し軽く、ふわ~と伸びる歌声。
エルサが手を振ると、空中にしゅるしゅる、ひゅるんと魔法の雪しぶきが舞いますが、
そのひゅるんとしたフォルムのようにひゅるんとした歌声。
封印を解いて、雪の魔法を少しずつおこなうそのうれしさと解放感が高まっていく様子が伝わってきます。
そして2番以降のサビは、もっと力強く。大地のエネルギーを天にそびえさせるようなイメージ。
凛としたクイーンに生れかわる姿。
そのバルコニーの先には誰も民衆がいないのが哀しいことではあるけれど、晴れ晴れと輝いた表情のエルサと声質もぴったり。
何度も観たくなる名ナンバーですね。

氷もオラフ
冒頭でも触れましたが、 今回気づいてツボだったのが
スノーマン「オラフ」が♪「あこがれの夏」を歌う場面でのこと。
オラフが、夏の海辺で冷たい飲み物を飲むのですが、
そのグラスの中の氷までオラフの形をしているのです!
youtubeで公開されている『アナと雪の女王』♪あこがれの夏/オラフ(ピエール瀧) でもこの場面を見ることができます。
2分3秒の動画の0分36秒頃。どうぞチェックを!

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雪の結晶」カテゴリの記事

コメント

emiさん

お久しぶりです☆

「アナと雪の女王」。2回も観られたのですね。

私も、小2の姪と観ながら、きっとemiさんも
この雪の結晶(映画を)拝見されているだろうなと思っておりました。

感動して涙する場面も、姪から次の展開の(独自の解説)話が入るものですから
すぐ感動も冷め^^、涙も乾き。。。

アナが夏を取り戻す力を持っていて、でもエルサの力より弱いから
冬のままなのだと。 by 姪

違うじゃん!と思いましたが、

全部のキャラクターの名前を 映画を観る前から覚えている割には、
ストーリーをオリジナルで作っている部分もあり、子供って凄いなぁ。。。と
それでも十二分に楽しめて、

この物語を自分でアレンジするとしたら、どうしただろう。。。
と一人、考えておりました。

「信頼」は、自分に対するもの 相手に対するもの 
2つありますが、今まで生きてくると、時に自分や誰かを信頼するのは
難しい時も。。。

でも、アナとは別のスタイルで、何があっても、
私と信頼関係を築こうとしてくれる人が、周りにいることは、
とても有難いことだなと思いました。

それがきっと、自分を信頼することにも
繋がっていくんだろうな。。。と、最近感じております。


おんぽたんぽさん。こんばんは。
姪っ子さんとご覧になったのですね。

アナが夏を取り戻す力を持っていて、でもエルサの力より弱いから
冬のままなのだと。 by 姪

姪っ子さんの想像力、素晴らしいですね。

私はおっちょこちょいなので、こまかな雑事では本当に自分が信じられません!丹念に丹念に間違いがないかチェックして99%大丈夫だった時もそのあと安心して1%気を抜いた途端にそれが間違いってことがあります(>_<)

「私と信頼関係を築こうとしてくれる人が、周りにいることは、
とても有難いことだなと思いました。」

本当にそうですね。愛とは感情ではなくて「愛する」と覚悟する動詞と言われていますが、「信頼」も動詞なのかもしれませんね。「信頼できる人かできない人か」ではなくて、
「あの人を信頼する」と決める動詞なのかも。

おんぽたんぽさんの言葉からそんなことを感じました。
ありがとうございます。

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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