一番復活してほしい江戸時代の行事「二十六夜待ち」(その2)広重
一番復活してほしい江戸時代の行事「二十六夜待ち」(その2)では、広重(初代、二代)の絵をご紹介します。
※ただし書き
「廿」は「二十」のことです。
所蔵館の作品がリンク切れになりましたら、各トップページから作品名で検索してみてください。≪東都名所 高輪廿六夜待遊興之図≫歌川広重(初代)
1830~44年(天保年間)
神奈川県立歴史博物館、大英美術館ほか所蔵
閲覧できるサイト
日本財団図書館(ttp://nippon.zaidan.info/)
→芸術→諸芸・娯楽→成果物情報→海の総合学習テキスト
直接のURLはttps://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/01046/contents/013.htm
大英美術館所蔵のものはこちら
大英美術館所蔵(↓)の作品タイトルは
「Toto meisho Takanawa nijuroku ya machi yugyo no zu/
Amusements While Waiting for the Moon on the Night of the Twenty-sixth in Takanawa, a Famous Place in the Eastern Capital」
本で閲覧
『江戸の料理と食生活』
『浮世絵に見る江戸の歳時記』
『浮世絵に見る日本の二十四節気』ほか
私メモ/二十六夜を描いた浮世絵で一番知られているのがこの作品だと思います。
当時の流行り物がわかってとても興味深いです。
深夜の月待ちのために、たくさんの屋台が並んだ様子がわかります。
売られていたものは白玉シロップ、焼いか、てんぷら、串団子、お汁粉、寿司など。
中央の絵には打ちあがった花火が描かれていますよね。
左の絵の下にタコのキグルミを着た人が。
ドンチャン楽しんでいる様子が伝わってくる作品です。≪新撰江戸名所 高輪廿六夜の図≫
歌川広重(初代)
1840年(天保11年)
メトロポリタン美術館、ボストン美術館ほか所蔵
閲覧できるサイト
メトロポリタン美術館のものはこちら↓
作品タイトルは「Takanawa Ni-ju-roku Ya」
ボストン美術館のものはこちら。
作品タイトルは「
Moon Viewing at Takanawa on the Night of the Twenty-sixth (Takanawa Nijûrokuya no zu), from the series Famous Places in Edo, Newly Selected (Shinsen Edo meisho)」
私メモ/屋台が並んでいます。海側に桟敷のようなものが作られています。
「見番」の看板も。カゴも行きかっています。串団子のようなものを食べ歩きしている人や、三味線などの楽器を持って歩いている人も。
楼閣のある店から女性が海の方を眺めています。≪東都名所の内 高輪廿六夜之図≫歌川広重(初代)
1840~42年(天保11~13年)
平木浮世絵財団、ボストン美術館、ホノルル美術館ほか所蔵
閲覧できるサイト
ホノルル美術館所蔵のものはこちら↓
作品タイトルは「Takanawa on the Night of the Twenty-sixth」
ボストン美術館所蔵のものはこちら
作品タイトルは「Moon Viewing at Takanawa on the Night of the Twenty-sixth (Takanawa Nijûrokuya no zu), from the series Famous Places in the Eastern Capital (Tôto meisho no uchi) 」
私メモ/海に向かって敷いたゴザでくつろいでいる人がいます。カゴも行きかい、多くの人が出歩いている様子がわかります。
空にはいくつもの星が描かれています。≪江戸名所年中行事 高輪廿六夜≫歌川広重(初代)
1840~42年(天保11~13年)
東京国立博物館、ヴィクトリア&アルバート博物館ほか所蔵
閲覧できるサイト
V&A博物館のものはこちら↓
作品タイトルは「The Twenty-sixth Night at Takanawa; Annual Events at Famous Places in Edo」
私メモ/団扇絵です。
三味線、鼓、舞etc. 海の眺望がすばらしい座敷での月待ち宴の様子がうかがえます。≪江戸名所 高輪廿六夜≫
歌川広重(初代)
1841年(天保12年)
江戸東京博物館、ボストン美術館、ホノルル美術館ほか所蔵
閲覧できるサイト
江戸東京博物館のものはこちら
ホノルル美術館のものはこちら↓
作品タイトルは「Waiting for the Moon on the Twenty-six Night in Takanawa」
ボストン美術館のものはこちら。
作品タイトルは「Moon Viewing at Takanawa on the Night of the Twenty-sixth (Takanawa Nijûrokuya), from the series Famous Places in Edo (Edo meisho)」
私メモ/絵の中の川柳は「稲妻によってからしてまはる舟」(cf.尾道大学附属図書館下垣内文庫目録)。
右側にある店は「有吉」。
「すし」の看板も見えます。≪絵本江戸土産 第2編≫
松亭金水(十返舎一九のこと)題、
歌川広重(初代・二代)画
1850年(嘉永3年)
江戸東京博物館ほか所蔵。
閲覧できるサイト
国立国会図書館デジタルコレクション
↓国立国会図書館デジタルコレクションより
ttp://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8369307/22
私メモ/高輪の項で「同所 廿六夜待ち」のタイトルで二十六夜待ちの風景が描かれています。≪東海道張交図会
五十三次張交
壱 日本橋・品川・川崎・神奈川より 八ツ山≫歌川広重(初代)
1852年(嘉永5年)
川崎区立中原図書館所蔵
閲覧できるサイト
川崎市HP内「浮世絵に描かれた川崎」(ttp://www.library.city.kawasaki.jp/webgarary/ukiyoe.html)
→地場産業→NO.1
直接のURLは(ttp://www.library.city.kawasaki.jp/webgarary/u00034.html)
↑図録「生誕二〇〇年記念 広重展」より
私メモ/左下の絵「八ツ山夜景 品川」が二十六夜待ちモチーフとなっています。
図録「生誕二〇〇年記念 広重展 フランク・ロイド・ライトが発掘した知られざる名品」(ブンユー社 1996)の解説が興味深いです。
八ツ山は高輪と品川の間の小丘。六夜とは二十六夜で、七月二十六日の夜、高輪に月の出を拝みに行くと出かけ品川遊郭に繰り込む客が多かった。版元泉市の店は芝にあり、その提灯を持った女が品川へ向かうのは、旦那を迎えに行くところと解釈できなくもない。(P135)
やはり深夜の行事にかこつけて遊興にいそしむ人が多かったのですね。≪東都名所年中行事
七月 高輪廿六夜≫歌川広重(初代)
1854年(安政元年)
江戸東京博物館所蔵
閲覧できるサイト
港区のデータベース→浮世絵散歩→高輪の月見
直接のURLは(ttp://www.lib.city.minato.tokyo.jp/yukari/j/ukiyoe-zoom.cgi?id=21&num=photo3)
私メモ/見晴のいい高台の座敷でしょうか。今でいうテラス席で女性二人が月待ちをしています。
朝顔の柄のうちわも涼しげです。≪狂歌江都名所図会≫天明老人内匠編 歌川広重(立斎広重)画
1856年(安政3年)
閲覧できるサイト
国立国会図書館デジタルコレクション
ttp://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8369327/6
↑国立国会図書館デジタルコレクションより
私メモ/一番右の扇子を持っている男性の上に廿六夜の文字があります。≪江戸名所四十八景
九段坂 廿六夜待ちの図≫
歌川広重(二代)
1860~61年(万延元年~文久元年)
早稲田大学、ボストン美術館、ミネアポリス美術館ほか所蔵
閲覧できるサイト
ミネアポリス美術館のものはこちら↑
作品タイトルは「No.4 Kudan」
ボストン美術館所蔵のものはこちら
作品タイトルは「No. 4, Kudanzaka: The Moon-awaiting Festival on the Night of the Twenty-sixth(Kudanzaka, Nijûrokuya machi no zu), from the series Forty-Eight Famous Views of Edo (Edo meisho yonjûhakkei)」
私メモ/九段坂も二十六夜の月待ちのスポットでした。九段坂がいかに高台であるかがよくわかる絵です。月待ちの出店が賑わっています。花火も打ちあがっています。
二十六夜を当時の人は楽しんだのですね。≪江戸自慢三十六興 高輪廿六夜≫
歌川豊国(三代)、歌川広重(二代)
1864年(元治元年)
閲覧できるサイト
国立国会図書館デジタルコレクション
ttp://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1305724/1
解説ページは同サイト内
「高輪 錦絵でたのしむ江戸の名所」ttp://www.ndl.go.jp/landmarks/sights/takanawa/
↓国立国会図書館デジタルコレクションより
私メモ/海にいくつもの舟が浮かんでいます。
波も描かれていて清涼感のある絵です。
二十六夜待ちシリーズ その1 その2 その3 その4
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