満月なのに丸くない
11月7日(金)は満月でした。
新聞やカレンダーでそれをチェックして、夜23時頃空を見上げ、
「あれ、今日は満月のはずなのに、まんまるに見えない。
昨日残業後の帰り道に見た月の方が丸かった」
そんな疑問を持った方はいらっしゃいませんか。
これは7日22時20分すぎの月。
(実際には模様は時計回りにもう少し回転して見えます)
丸いことは丸いのですが、
こころなしか矢印のあたりがほっそりしているように感じませんか。
そして、こちらが7日の朝5時5分の月。
地平線に沈む前。西の空低いところにいるので黄色味を帯びています。
こちらの月の方がまんまるに見えませんか。
国立天文台天文情報センター暦計算室(ttp://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/)→
今月のこよみ→2014年11月
を見ていただくと、
望(満月)7日7時23分と書かれています。
この時刻が入った日が「満月の日」に設定されるのです。
ですのでもし満月の時刻が5日の0時1分でしたら、
実際には5日の23時の月より、4日23時の月の方が望月に近いのに、
「満月の日」は5日なってしまうのです。
刻々と満ち欠けしている月の状態を
人間の都合で24時間ごとに「1日」として区切ってしまうことによる「無理」が
あらわれているのですね。
アストロアーツさんのステラナビゲーターでは細かなデータがみられます。
撮影場所を指定した上で輝面率を調べてみます。
一番上の画像、7日22時20分過ぎの月。
輝面率は99%となっています。やはり気のせいではなく欠けていたのです。
2番目の7日の朝5時5分の月は輝面率は100%。
厳密には満月の瞬間ではないので、100%に限りなく近い99.8%ぐらいでしょうけれど。
そして6日の22時30分頃のこちらの月も100%。
肉眼でも
6日22時30分、7日朝5時5分の2つは丸く、
7日の22時20分すぎの月は少し欠けて見えました。
わずかな差に気づく人間の眼はすごいなと思います。
手製で表を作ってみました。
100%となっているのは、ステラナビゲーターで輝面比1.00と表示される時間帯です。
お住まいの位置によって若干変わりますが、
私の撮影場所では6日の15時52分から7日の20時19分頃までが輝面比1.00.
7日の遅い時間は満月に見えなくてあたりまえなのです。
鮮明な画像ではないのですが、
7日の夜明け前3時頃(100%)の月と22時20分すぎの月(99%)を比べてみましょう。
同じようなむきにして並べてみますと。
3時ごろの月(上)はヘリにクレーターがみられずのっぺりしています。
のっぺりは満月の特徴ですね。
一方22時20分すぎの月(下は、ヘリにクレーターが見られます。
太陽が真正面におらず少しずれている(満月ではない)ことがわかります。
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ちなみに月齢は月の形と直結はしていません。
上でご紹介した月もステラナビゲーターで月齢を見てみると。
6日22時30分頃。輝面率 100% 月齢 13.6
7日3時頃。輝面率100% 月齢 13.8
5時5分。輝面率100% 月齢 13.9
22時20分すぎ。輝面率99% 月齢 14.6
となっています。
国立天文台暦計算室(正午月齢を表示)では7日の満月の日の月齢は14.2となっています。
先月の皆既月食で注目された10月8日の満月の日の月齢表示が13.9だったことで、
「13.9なのに満月?」って思われた方もいるかもしれません。
月齢15=満月ではなく、幅があるのです。
つまりカレンダーで今日は満月、となっていても、
見頃は夜ではなくて、明け方の可能性もありますし、
当日の夜に眺めるよりは前日の23時すぎの月の方が満月に近いということがあるのです。
満月をご覧になりたい方は、満月の時刻までチェックしてみてくださいね。
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