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2014年12月31日 (水)

月の地形を調べる時のおすすめ本3冊

2014年が終わろうとしています。

今年あらたに始めたことはありますか?

私の一番は「月を撮り始めた」ことです。遅ればせながら。

立派な機材ではないので、
クレーターまでくっきりはっきり撮影される方のクオリティにはもちろんかなわないのですが、
三脚なしで撮れる、これが最大の魅力です。

散歩中に。道路の脇で。ホームで。わずか30秒あれば、手持ちで撮れる。
それが私の世界を広げてくれました。

月面のクレーターを取り上げた本と見比べては、このクレーターを写せた!と日々感動しています。

そこで、今回はクレーターや月の地名を調べる時に私が活用しているおすすめの3冊をご紹介します。
私なりの観点をあげて独断で星をつけてみました。星は多いほどGOOD。

1)『月面ウォッチング エリア別ガイドマップ』A.ルークル著 山田卓翻訳(地人書館 2004)



月面ウォッチング―エリア別ガイドマップ


大きさ/大
地形の紹介/写真ではなくてスケッチ
詳細さ/★★★★★
網羅度/★★★★★
月面を76分割しているので端から端まで同じ詳細さで
クレーター、山他の地形が紹介されています。
76分割ゆえにごく小さなクレーターも名前が取り上げられているのがありがたいです。
地形ガイドの決定版と言えるでしょう。
照合のわかりやすさ/★★
写真ではなくて絵で描かれています。
そのためクレーターの影具合などが自分が撮った写真と印象が違うために、
見比べて同じものだということがわかりづらい時があります。 
開きやすさ/★★★★★
月面を76のエリアに分割しています。住宅地図のような感じですね。
たとえば56のエリアの右側を見たかったら次の57を開けばいい。
左側を見たかったら55というようにページを移動しやすいのがいいです。
また、月の76分割一覧が表紙裏の見開きにあるというのも実は非常に重宝。 
分割一覧(全体像)から個々のエリアページに行って、
また全体像に戻って次のエリアを確認という動作が楽です。
美しさ/★★
スケッチなので美しくみとれるということはありません。

山田卓氏が翻訳をされています。

----------------

2)『図説 月面ガイド 観察と撮影』白尾元理・佐藤昌三著(立風書房 1987)

図説 月面ガイド―観察と撮影


大きさ/中
地形の紹介/モノクロ写真&スケッチ
詳細さ/★★★
網羅度/★★★
月齢1~4、4~6、6~上弦…というように10パターンの月相ごとに
見えるクレーターや地形を解説。
そのほかに、主なエリアを拡大で取り上げています。
照合のわかりやすさ/★★★
この本の最大の特徴は月の写真がさかさまに掲載されていること。
天体望遠鏡で観測する人向けになっているのです。
天体望遠鏡派にはものすごく便利。そうでない人には少し不便になります。
主な月相ごとの写真はありがたいです。
自分が撮ったのと同じ月齢の頃の写真と見比べるだけで、
なんというクレーターか照合が簡単です。
また、写真の掲載なので、クレーターの照らされ具合、影具合がわかりやすく、
自分の撮った写真と同じ印象で紹介されていることも照合を楽にしています。
開きやすさ/★★
月齢ごとのページのあとの、主なエリアのピックアップページ。
その一覧が表紙裏にあったらもっとページの行ったり来たりが楽でした。
美しさ/★★
モノクロ写真なので、3)ほどの美しさはありません。

コラムは興味深いです。

----------------

3)『月の地形ウオッチングガイド』白尾元理著(誠文堂新光社 2009)



月の地形ウオッチングガイド


大きさ/小
地形の紹介/写真
詳細さ/★★★
網羅度/★★★
月齢5、6、上弦、9、10、満月、17、19、下弦、24の時の地形を解説。
そのほかに主なエリアを拡大で取り上げています。
主なエリアといっても月の縁以外のほとんどの場所をカバーしています。
ただ、1)の本ほどのごく小さなクレーターまで明記ということはありません。
照合のわかりやすさ/★★★★★
月齢ごとの写真はありがたいです。
自分が撮ったのと同じ月齢の頃の写真と見比べるだけで、
なんというクレーターか照合が簡単です。
また、写真の掲載なので、クレーターの照らされ具合、影具合がわかりやすく、
自分の撮った写真と同じ印象で紹介されていることも照合を楽にしています。
開きやすさ/★★
月齢ごとのページのあとの、主なエリアのピックアップページ。
その一覧が表紙裏にあったらもっとページの行ったり来たりが楽でした。
また主なエリアもアトランダムなページ構成になっていて、
p104の拡大図の右隣を見たければ次のページを開けばいい、
というわけではないのがちょっと不便。
美しさ/★★★★★
写真がすごく美しいです。
山から伸びるくっきりとした影。太陽に照らされるクレーターのヘリetc.。
まるで自分が月に出かけて上空を飛んで地形を見下ろしているかのような
リアリティがあります。
ごつごつでこぼこのクレーター群の質感、まるでならした粘土のように
なめらかにみえる海の質感。
黄色みがかったグレーなのにさまざまなバリエーションがある
月の表面の写真の数々の美しさにみとれてしまいます。

白尾元理氏によるコラムも興味深いです。

----------------
というわけで独断ですが。

まず1冊手に入れるとしたら1)。月の地形決定版です。
できれば1)と3)があればベスト。
両方見比べてみればほぼ自分の写真に写っている地形がなんなのか解明できます。

そして、天体望遠鏡派の方は余裕があれば
2)も入手すると本を逆さにすることがなく、便利かもしれません。

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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