グランプリファイナル。羽生結弦の美しい4回転に鳥肌
遅ればせながら。
グランプリファイナルの羽生くん。素晴らしかったですね!!!
優美 そして凄み を感じました!!
フリーの冒頭の4Sと4Tの美しいこと美しいこと。
何度もリピートしてみたくなる、ジャンプのお手本として未来永劫映像を語り継ぎたくなる美しさ。
凄いとしか言いようがありません。
次元が違っていました。
彼が「成功」と目指しているものの次元が違っていました。
4回転ジャンプ成功、という時、通常は回転が足りているか、両足着氷になっていないか、などですが、
彼が目指しているのは回転はもちろんのこと、
空中での姿勢、ジャンプ前の体勢からジャンプ後の体勢。
すべての瞬間の体の、手足のポジションが美しく見えて、それで「成功」と呼ぶのだろうなと。
<洗練の究極>を普段から追究している、そのスケート魂に震えました。
彼は宇宙人なのでしょうか。相反する2つの面を持っていますよね。
ダイナミックで迫力のある正統派のジャンプを決めながら、ビールマンスピンもこなす女子顔負けの柔軟性も持つ。
フリー演技後のこぶしや、中国大会アクシデント後の不屈の精神他、非常に強気で男気を見せながら、
キスアンドクライなどで、少し女性的な仕草やふんわりした笑顔もみせる。
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フリーの転倒があってもあれだけの高得点がでることは妥当でしょう。
他の選手の場合、ジャンプが成功したとしても、
ジャンプ前でこれからジャンプに入りますというような無防備な動作の時間があったり、
ジャンプが成功したとしてもその後、少しバランスが崩れるところがあったり。
それらを「美しくない時間」とすると、
羽生の「美しくない時間」って転倒して立ちあがるまでのわずかな秒数だけ。
後半、イナバウアーで背を反らした体勢から起き上がる時ほか、少し疲れはみえましたが、
4分30秒間の中で美しくないのが10秒足らずというのはすごいことです。
フリーのジャンプほか、何度も見返したくなるのは、エッジの音が録画映像に入っていないこともあるかもしれません。
いつからテレビ中継でエッジが氷を削る音がはいらなくなったのでしょう。
テレビでスケートの中継を見る時、エッジの音はつきものでした。とくにリンクの手前にきた時とか。
それで、このスケーターは音が少ないとか、結構、ガシガシしているとか比べたものです。
エッジの音や臨場感や迫力も伝える一つではありましたが、今回のグランプリファイナル。音がしませんよね。
無音なことも、羽生のジャンプの浮遊感のようなふわっとした別世界感を一層醸し出していた気がします。
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羽生のすごいところは「くせ」のないところですよね。
浅田真央は一からジャンプの修正をしていましたが、ジャンプの飛び方はなかなか修正は難しいのだと思います。
一般的にスケーターのジャンプのフォームの癖で大きく目立つものでは、巻き足。
数字の4の様に足がなってしまう体勢。
それから腕を締めて回る時に肩があがって、首がつまったように見えてしまうスケーターもいます。
飛ぶ前の体勢も、溜めてジャンプをするみたいに一端、身体が沈んでしまうスケーターもいますし。
羽生はまったく癖のないジャンプ。飛ぶ前も飛ぶあとも。
ジャンプを飛ぶあとに乱れることもあるから、大抵はすぐには次のエレメントをいれませんよね。
ジャンプがうまくできなかった時のために、「保険の時間」があるのだと思うのです。
だけど羽生はショートでもフリーでもジャンプのあとにすぐイーグルを入れていたり、「スキ」がありません。
そのスキのない振付が組まれていることに、本人、コーチ含め、日常からジャンプの精度の高さを確信していることがうかがえます。
フリーも素晴らしいですが、羽生のショート。若いのに円熟さを感じさせるような、なめらかさに鳥肌が立ちます。
ピアノの指の動きと同じくらいの機敏さで体を動かせる。氷の上で細かく動ける。
激しさとおだやかさ。
瞬時に変る曲調と同じように、勢いよくジャンプしたあとすぐすーっとふわっとイーグルなど。
これだけのスケーティングができるように準備してきたからこそ、
グランプリファイナルに出たかったのでしょうし、なおさら中国杯とNHK杯はくやしかったことでしょう。
かなりのダメージを受けながら、ここまで回復して素晴らしい演技を見せた不屈の精神にあっぱれです。
それにしても今はなくなってしまった氷上に描く図形の正確さを競うというコンパルソリ。
羽生のコンパルソリを見てみたいです。
ものすごい技術の高さを示してくれることでしょう。
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