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2015年3月12日 (木)

雪の結晶を観察した人たち(その14)というより雪の結晶を紹介した人---ショイヒツァー

この結晶図を見た時、興奮しました。
すごいです。そして土井利位が描いた雪華にもよく似ています。
同じくらいの性能の顕微鏡で眺めているということでしょうか。

雪の結晶を観察した人としてショイヒツァーを挙げるのは不適切かもしれません。
が、雪の結晶を自著で紹介している人として取り上げてみます。

1733 ヨハン・ヤーコプ・ショイヒツァー(Johann Jakob Scheuchzer )
著書『PHYSICA SACRA』第3巻で100種の雪の結晶図を紹介。


人物/スイス人の医師であり科学者。(生年1672-没年1733) 
掲載文献/『PHYSICA SACRA(フィジカ・サクラ 私メモ/神聖自然学の意味)』ショイヒツァー著。
1731-1735にかけて出版された全4巻のうちの第3巻(1733)

詳細/銅版画に100種の雪の結晶が描かれています。


(画像はクリックで拡大します)



Physica_sacra
美しいですよね~。圧巻です。その数ジャスト100。
土井利位の雪華図説が出る100年前にこれだけの数の雪華が描き分けられていたとは。
日本より寒冷で観測のチャンスが何度もあるという地の利もあるのでしょうけれど。

ショイヒツァーはいろんな図版を転載してこの本をまとめたようです。
荒俣宏編著の『神聖自然学』にこう書かれています。
ここに集められた図像の出典をすべて揃えれば、途方もない大図像図書館ができあがるに違いないのだ。
そのような貴重図版をこれだけぜいたくに引用してきた書物は、他に例を見ないのである。

(p13より)

となると、この雪の結晶の銅版画もショイヒツァーが観察して描いたものではない可能性が。
ならばその作者の名前がどこかに記されているはず。

絵の右下にI.G. Pintz scupls.とあります。

I.G. Pintzを調べてみました。
Johann Georg Pintz(ヨハン・ゲオルク・ピンツ)生年1697-没年1767であることがわかりました。

となるとこの雪の結晶はピンツが描いた銅版画なのかもしれません。

さて、ヨブ記を題材にしている『PHYSICA SACRA』。この銅版画はヨブ記38章22-23がモチーフとなっています。

あなたは雪の倉にはいったことがあるか。ひょうの倉を見たことがあるか。
これらは悩みの時のため、いくさと戦いの日のため、わたしがたくわえて置いたものだ。

『神聖自然学』荒俣宏編著(P142より)

絵の左下には「Thesauri Nivis(私メモ/雪の宝庫の意味)」
と書かれているのもこのヨブ記をモチーフにしているからなのですね。


翻訳本/『神聖自然学』荒俣宏編著(リブロポート 1990) 

全4巻の『PHYSICA SACRA』に収められた図像の30%ほどが復刻されている本ですが、
この雪の結晶の銅版画は幸いにも収められています。(p142)

荒俣氏は「雪の結晶を集め、まるでパターン表を見るような印象を醸成する」
と解説しています。


ネットで閲覧/グーグルブックスで閲覧可能。
グーグルブックス→「Physica sacra, Volume 3 1733」→p804

【雪の結晶を観察した人たちシリーズ】INDEXはこちら
雪の結晶INDEX(全般)はこちら

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雪の結晶」カテゴリの記事

コメント

emiさん

おはようございます☆

yukariは、地元の生協に3種類置かれていました。

調べてみると、「月」編は2012/9/22出版されたもので、そちらの本屋さんに
置いてあるかどうか定かではありませんので、アマゾンへのリンクも
貼らせて頂きますね。

http://www.amazon.co.jp/gp/search?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&index=books&keywords=YUCARI&linkCode=ur2&tag=magazine-data-22


>100種の雪の結晶が描かれています。

100種類もあるのですね!!!

今だに、新しいデザインも創られているのかしら。。。

>あなたは雪の倉にはいったことがあるか。ひょうの倉を見たことがあるか。
これらは悩みの時のため、いくさと戦いの日のため、わたしがたくわえて置いたものだ。

この気持ち、よーく分かります☆
全く同じ気持ちではないと思いますが。。。

私がemiさんのところへ遊びに来るのが好きな理由と重なります♪

ご紹介して下さって、どうもありがとうございます!!!

おんぽたんぽさん。私の方の手違いでおんぽたんぽさんのコメントのアップが今日になってしまいました。ごめんなさい。

>あなたは雪の倉にはいったことがあるか。ひょうの倉を見たことがあるか。
これらは悩みの時のため、いくさと戦いの日のため、わたしがたくわえて置いたものだ。

この気持ち、よーく分かります☆

私がemiさんのところへ遊びに来るのが好きな理由と重なります♪

そうおっしゃっていただけてうれしいです。離れていても、実生活でお会いしていなくても、私はおんぽたんぽさんとエネルギーを交流しあっていると実感しています。
ありがたいです!

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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