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2015年3月 1日 (日)

雪の結晶を観察した人たち(その13)ヨハネス・ネティス

雪の結晶を観察した人(その13)です。

時代の波はすごいです。
雪の結晶を観察した人をダイジェスト(シリーズその1)でまとめたわけですが、そこから洩れている人が何人もいることがわかりました。
というのも。
当時閲覧できなかったけれど現在はデジタル化でオープンとなり、読むことができるようになった海外の古い文献がいくつもでてきたのです。
一つの資料を見るとその中に別の人の名前と資料がでてきて・・・と
芋づる式で雪の結晶を観察していた人がでてきました。
刑事が一人の容疑者から芋づる式に犯人をみつけるのってこんな気分かな~と。
ネティスもその一人。
今年のはじめ、この結晶図に対面した時、そのクオリティに感動lovely&興奮しました!!

1740 ヨハネス・ネティス(Johannes Nettis/John Nettis)オランダ人。
論文『An Account of a Method of Observing the Wonderful Configurations of the Smallest Shining Particles of Snow, with Several Figures of Them』で顕微鏡で観察した91種の雪の結晶スケッチを発表。



人物/オランダの眼科医、科学者。Nettisの読み方はネッティか不明ですが暫定的に「ネティス」とします。
掲載文献/『フィロソフィカル ・ トランザクションズ (The Philosophical Transactions)』
イギリスの王立協会(Royal Society)発行の学術論文誌(1755 vol.49掲載)

詳細/雪の結晶の形についての論文内で、初期の複式顕微鏡などで観察した91種のスケッチを紹介しています。
観察した日は1740年1月11日、12日、13日、21日23日、2月6日、23日、24日。
驚くのは91種の形の描きわけの見事さ。
海外で雪の結晶をスケッチした人(マルチネット、スコレスビーやグレイシャーなど)の筆遣いと比べると、ネティスのタッチが土井利位とよく似ています。
イギリスで1755年に発表された論文を土井利位や鷹見泉石が目にする機会はないと思うのですが、大変興味深いスケッチです。
スケッチ以外ではこの論文ではどんな顕微鏡を使ったか、どんな風に注意を払って観察&スケッチをしたか、その形状の様子(言葉でこまかく表現)などが述べられています。

翻訳本/なし

ネットで閲覧/主な2か所をあげます。
『フィロソフィカル ・ トランザクションズ』のHP(ttp://rstl.royalsocietypublishing.org/)内。
直接のURLはttp://rstl.royalsocietypublishing.org/content/49/644.full.pdf+html?sid=f1b226ab-1081-4da8-8600-b3e8389ea033

アメリカの「インターネットアーカイブ」(ttps://archive.org/)内。
直接のURLはttps://archive.org/details/philtrans07080665

パブリックドメインと考え、91種の結晶図をご紹介します。
(画像はクリックで拡大します)
John_nettis1_2


John_nettis2
91種の形が描きわけが見事ですよね。

土井利位の雪華とよく似ているものもあります。脇に置いてみました。
「E1」をはじめとする番号は古河歴史博物館の図録「雪の華」での土井利位雪華分類番号です。
Nettis_doi1


Nettis_doi2_2


【ネティスと土井利位の雪華が似ているということ】
雪の結晶はまったく同じものはないといわれていますが、代表的なパターンがあります。
1700年代にネティスが眺めた雪華と、1800年代に江戸や大阪で土井利位が眺めた雪華が似ていてあたりまえ。ですが国や時代を越え、同じ形にときめくことができるという雪の結晶の魅力を感じます。

【2人の雪華のタッチが似ているということ】
「似た形をスケッチしたら誰が描いても似るでしょ」と思われるかもしれませんがそうでもないんですよね。

土井利位は『雪華図説』の中で、オランダのマルチネットの雪の結晶のスケッチを見たことを述べ、その図を転載しています。マルチネット(シリーズその11)は黒地を背景に白抜きで結晶を描いていて、土井利位とは違います。

ネティスの雪の結晶図が発表されたのは、土井利位が観察を始める50年以上前。
鎖国の時代であっても、土井利位の家臣鷹見泉石は海外の文献を精力的に入手しています。
鷹見泉石日記にはその文献名がいくつも登場するのですが、ネティスの名前はその中にありません。
ですがもしこのネティスの結晶図が日本にやってきて、2人が見る機会があったのであれば面白いなあと思います。


※Johannes NettisのプロフィールはNieuw Nederlandsch Biografisch Woordenboek (NNBW)
(ttp://resources.huygens.knaw.nl/retroboeken/nnbw/) を参照しました。

【雪の結晶を観察した人たちシリーズ】INDEXはこちら
雪の結晶INDEX(全般)はこちら

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コメント

emiさん

こんにちは☆

先日、「天国にいちばん近い島」を観ました。

その中で、ニホンに関する紙芝居が読まれていて
ふと思いました。

雪が花の形をしているのは、冬に咲く花がめっきり少ないからではと。

だから、こんなにも沢山の種類の雪の華を降らせてくれるのかな。。。

地球が出来たての頃は、まだ雪はなかった筈。。。
進化の途中で生まれたのか。。。

はたまた宇宙のどこかには、地球と同じ形をした雪が降る星があるのか。。。

あの美しさは、人間で言うとアーティストの「意思」を感じさせます☆

おんぽたんぽさん。
雪が花の形をしているのは、冬に咲く花がめっきり少ないから

まさにそうだと思います!

地上に花のない季節だからこそ、天からの贈り物の花が届くのでそう。
花がなく、葉がない冬の枯れ木をさみしく思わせないように、雪の花が咲かせるのでしょう。

「天国に一番近い島」は原田知世の映画ですか?
主題歌、好きです

emiさん

こんばんは☆

映画は、原田知代さんのです。
曲も、ステキですよね。。。

今日、生協の本コーナーに「ユカリ」と言う雑誌があり
月の特集をしていました。
http://magazineworld.jp/books/paper/8792/

emiさんのカレンダーも紹介して下さっていたら
尚嬉しいのですが^^、月見そばまで載っていて
笑ってしまいました♪

もしかしたらご覧になられたことあるかも知れませんが、
一応、お知らせまで。

おんぽたんぽさん。

♪天国にあなた~ いちばん近い島~のフレーズのところだけはつい今でも時々口ずさむ時がありますhappy01

「ゆかり」知りませんでした。早速ご紹介いただいたページをみてみました。
月の満ち欠けの絵も味がありますね。

本屋さんでみつけてみます。

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emi (秋田恵美)

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。
    コンタクト: メールアドレスはhoshibiyorihappy*yahoo.co.jp このyahooの前の*を@に変えてご連絡下さいませ
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