ロプーヒナ(その1)ロシアのトレチャコフ美術館にあるマリア・ロプーヒナの肖像画
ほとんどの方が興味を持たない人物のお話です。
何か検索をされて、こちらに行きあたった方は相当マニアック(^_^.)
中学時代。美術の時間か選択の美術クラブの時間だったでしょうか。
学校にある画集から気になる絵を選んで模写するという課題がありました。
海外のいろんな美術館の画集を手に取ってパラパラ。
その時、ガーンと打たれた絵がありました。まるでヘレンケラーがWATERを思い出した時のように。
私、この人知ってる!!! このまなざしを…。
それがロシアのトレチャコフ美術館所蔵の、マリア・ロプーヒナの肖像でした。
白いドレスのやわらかな質感が伝わってくるようで、
ベルトのように巻いた布の水色も美しくて、
そして何よりロプーヒナがうっとりとした表情なのが印象的なんです。
実際にトレチャコフ美術館にこの絵を見にいった時は、画集で見ている以上に色合いが豊かで感動しました。
芍薬の淡いピンクや背景の緑色、そしてストールでしょうか、淡いラベンダーも。
トレチャコフ美術館のHPではこちら
ttp://www.tretyakovgallery.ru/en/collection/_show/image/_id/403
で、この絵と解説がご覧いただけます(英語)。
私がこの絵に惹かれたのはウン十年前。
画集では文豪レフ・トルストイの親戚と紹介されているくらいで
この女性についてそれ以上の情報を得ることはできませんでした。
ですが、私がロシア語文献を読めるようになり、ロシア語のサイトも訪ねられるようにもなり、
今では随分この女性についてわかるようになりました。
得た情報をまとめてみますと。
画家は
ボロヴィコフスキー(1757—1825)
制作年は1797年。
モデルは
マリア・イワノーヴナ・ロプーヒナ(1779~1803)
狩猟官アブラム・ロプーヒンの妻だったマリアは24歳の若さで結核で亡くなったようです。
絵が描かれたのは18歳の頃でしょうか。
絵はパーベル・トレチャコフがモスクワ知事のペルフィレフと
その妻プラスコーヴィヤ(ロプーヒナの姪)から取得したようです。
上記のトレチャコフ美術館のサイトでは、この作品がかなりのズームアップでご覧いただけます。
背景のヤグルマギクの青も美しいです。ニュアンスのある色彩をぜひお愉しみください。
拙いですし、書きかけですし、保存が悪くて紙が折れていてお恥ずかしいのですが、
こちらが私が中3の時に描いたロプーヒナです。
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♪私メモ
ウラジーミル・ルーキチ・ボロヴィコフスキー
(Владимир Лукич Боровиковский/Vladimir Lukich Borovikovsky)
マリア・イワノーヴナ・ロプーヒナ
(Мария Ивановна Лопухина/Maria Ivanovna Lopukhina)
※旧姓はマリア・イワノーヴナ・トルスタヤ
アブラム・ステパノヴィッチ・ロプーヒン
(Авраам Степанович Лопухин/Abraham Stepanovich Lopukhin)
パーベル・ミハイロヴィッチ・トレチャコフ
(Павел Михайлович Третьяков/Pavel Mikhailovich Tretyakov)
ヴァシリー・ステパノヴィッチ・ペルフィレフ(1826—1890)
(Василий Степанович Перфильев/Vasily Stepanovich Perfilyev
プラスコーヴィヤ・フョードロヴナ・ペルフィレーヴァ(1831-1887)
(Прасковья Фёдоровна Перфильева /Prascovia Feodorovna Perfilyeva)
ロプーヒナ その1 その2 その3
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