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2015年8月20日 (木)

江戸時代のガビチョウシリーズ(その5)江戸時代の輸入の記録

画眉鳥シリーズ。もう少ししたらリンクをつけたり整理しようと思います。
今回は画眉鳥が江戸時代に輸入されていた記録資料のご紹介です。

「唐通事会所日録」に記されています。
※あくまでも私自身の調べですので、もっと古い文献があるのかもしれません。
※四拾三番と書かれているものを43にする、読み方を加えるなど自分がわかるように表記に変えています。

最初に持ち込まれた記録は宝永5年(1708年)の4月22日です。
中国(当時の清)から船で持ちこまれました。

◆宝永5年(1708年)4月22日◆

同22日、43番船(寧波船(にんぽうせん))より持渡候ぐわび鳥一羽構において落申候(以下私による略)。

※欄外に43番寧波船持渡のぐわび鳥死す の注釈あり。

(『大日本近世史料 唐通事会所日録 4』(東京大学出版会 1984)p358より)


◆宝永6年(1709年)3月20日◆
同20日、(私による中略)30番船(寧波船)よりぐわび鳥(頬白)1羽、
31番船(南京船)より金雀鳥(かなりや)1羽持渡候
(以下私による略)。

(『大日本近世史料 唐通事会所日録 5』(東京大学出版会 1984)p137より)


◆宝永7年(1710年)閏8月26日◆
御用物役高木忠榮より鳥類の礼銀を渡さる
と注釈が書かれているところで
いろんな鳥にまじって画眉鳥の名が。

9番船(寧波船)
一 同15斤1箱、画眉鳥(頬白)1羽代

11番船
一 同15斤1箱 画眉鳥 1羽代

15番船(南京船)
一 同15斤1箱 画眉鳥 1羽代

(『大日本近世史料 唐通事会所日録 5』(東京大学出版会 1984)p287より)

◆宝永7年(1710年)9月25日◆

同25日、高木作右衛門殿より錦鶏、相思鳥、画眉(頬白)・孔雀・砂糖鳥、
この五色の出所・飼様唐人共へ聞合、書付1通ならび和ケ、
共に今日中に遣候様にと申来候に付、則遂吟味、
段々書上候通唐人共へ吟味仕、書付1通認させ
(以下私による略)

欄外に 忠榮の命により鳥類の出所飼育法を記し提出す

(『大日本近世史料 唐通事会所日録 5』(東京大学出版会 1984)p301より)

--------------------------------------------------
画眉鳥は少なくとも300年前に日本にもたらされ、
そしてごく一部の人かもしれませんが、
あの鳴き声を耳にし、白いアイラインの顔立ちを見ていたのですね。

<寧波船について>
さて、画眉鳥を運んできた寧波船(にんぽうせん)って何?と調べてみました。
中国(当時は清の時代)の浙江省の寧波からの船のようですね。

寧波船の絵は長崎県平戸市の(財)松浦史料博物館所蔵の「異国船絵巻一巻」で見ることができます。

ネットでは2か所で閲覧できます。
●長崎県のHP。長崎県の文化財→エリアでさがす→県北地区→異国絵巻一巻
リンク切れになるかもしれませんが直接のURLは
ttp://www.pref.nagasaki.jp/bunkadb/index.php/view/398

●日本財団図書館HPで企画展「平戸藩主 松浦家と海展」解説書で検索
→第1章 代表的資料写真とその解説
リンク切れになるかもしれませんが直接のURLは
ttps://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2005/00253/contents/0001.htm

画眉鳥の自然分布について、国立環境研究所の侵入生物データベースでは
「中国南部、海南島、台湾、香港、ベトナム北部、ラオス北部」となっています。
浙江省も中国南部といえば南部になるのでしょう。

『錦窠禽譜(きんかきんぷ)』伊藤圭介の中のガビチョウも「浙江産」と記されています。
Gabicho_45zz_kinkakinpu_2

<高木作右衛門について>
上記の唐通事会所目録に高木作右衛門の名前がでてきて、
画眉鳥調べが進んでいる私は、「おおお、あの家ね」と思いました。
この人名は『外国産鳥之図』の資料を調べる中で目にしていました。
『舶来鳥獣図誌』磯野直秀・内田康夫解説(八坂書房 1992)p107から抜粋要約します。

高木家は江戸時代の長崎の代官や町年寄をつとめた家柄で、代々作右衛門を名乗っていた。
長崎に渡来した外国の産物を幕府に通報する役割を命じられ、
鳥獣については絵を江戸に送ることになった。

『外国産鳥之図』↓内の画眉鳥の絵、素晴らしいと思います。
Gabicho_08gaikokusantorinozu

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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