江戸時代のガビチョウシリーズ(その1)江戸時代の画眉鳥一覧ダイジェスト
江戸時代の文献で画眉鳥はどんな風に登場するのでしょうか。
そのダイジェストです。
江戸時代の博物、鳥類関係に関しては磯野秀男氏、鈴木道男氏、細川博昭氏の著作が素晴らしく、感動しました。
『日本鳥名由来辞典』巻末の「図譜中の鳥類古名と対応する現代名」もありがたかったです。
これらの本に登場する資料の現物確認することで80%ほど把握できました。
残りの20%は私自身が博物館、図書館等のデジタル資料を探しあてたものです。
あくまで私の調べです。
何かありましたらその都度加筆修正いたします。
無断転載ご遠慮ください。
資料名。刊行年。著者。掲載されている画眉鳥の名称。所蔵館。の順です。
青字は画眉鳥の絵が掲載されているものです。
画の旧字の「畫」を用い「畫眉鳥」と表記されているものもこのブログでは「画」にしています。
ただし書きは一番下に。
◆1「訓蒙図彙(きんもうずい)」/寛文6年(1666年)中村惕斎(てきさい)。「画眉」。国図。
○1z「和爾雅(わじが)」/元禄7年(1694年)。「画眉鳥」としながらルビは「ほうじろ」。早稲田。
○1z「本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)」/元禄10年(1697年)。人見必大(ひとみひつだい)。「画眉鳥」。
頬白は画眉鳥なりとしている。国図。
◆3「和漢三才図会(わかんさんさいずえ)」/正徳2年(1712年)寺島良安。
「画眉鳥」としながらルビは「ほうじろ」。国図。
◆4「大和本草(やまとほんぞう)」/正徳5年(1715年)。貝原益軒。「画眉鳥」。国図。
◆5「画図百花鳥」/享保14年(1729年)。狩野探幽。「画眉」としながらルビは「ほうじろ」。国図。
◆5’「百華鳥」/享保14年(1729年)。守範。「画眉鳥」としながらルビは「ほうじろ」。国図。
※5と同資料。
○5z「来禽図巻(らいきんずかん)」/※発行年不詳。小原慶山。画眉鳥らしい絵あり。
鳥の名前は未記入。神戸市立博物館。※慶山の没年は享保18年(1733年)。
◆7「百(花)鳥図」/※渡来は元文2年(1737年)。余曽三。「画眉」。国図。
※中国の清で描かれたのは1700年頃
◆8「外国産鳥之図」/元文5年(1740年)頃。長崎の御用絵師によるものか。「画眉鳥」。国図。
○8z「衆禽図譜」/宝暦5年(1755年)以前か。
讃岐高松藩松平頼恭侯の命で作られた図譜。絵師不明。高松松平家所蔵。詳細はこちらに。
◆10「唐紅毛渡鳥写生(からこうもうわたりどりしゃせい)」/明和7年(1770年)頃。
宋紫石(楠本雪渓)が転写か。「画眉鳥」。国図。
○10z「百千鳥(ももちどり)」/安永2年(1773年)。城西山人巨川(じょうさいさんじん きょせん)撰。
「画眉鳥」。国図。
○11z「物類称呼」/安永4年(1775年)。越谷吾山。「画眉鳥」ただし「ほうじろ」としている。早稲田。
◆12「訓蒙図彙大成(きんもうずいたいせい)」/寛政元年(1789年)。中村惕斎。
「画眉」としながらルビは「ほうじろ」。国図。※1の資料の増補版。
○12z「海舶来禽図彙説(かいはくらいきんずいせつ)」/寛政5年(1793年)。
関盈文(せきえいぶん)撰。北尾政美(きたおまさよし)画。「画眉鳥」。国図。
○12z「百千鳥」/寛政11年(1799年)。泉花堂三蝶。「画眉鳥」。国図。
◆16「禽譜」(衆芳軒旧蔵)/寛政12年(1800年)頃。著者不明。「画眉鳥」。東洋文庫。
◆18「百鳥図」/寛政12年(1800年)頃。増山正賢(ましやままさたか)。「画眉鳥」。絵あり。国図。
○18z「鳥賞案子(ちょうしょうあんし)」/序は享和2年(1802年)。比野勘六撰。「画眉鳥」。国図。
○18Z「飼鳥必用(かいとりひつよう)」/享和2年(1802年)以降。転写者不明。
※『鳥賞案子』の転写。「峩眉鳥」。国図。
※『鳥名集』『養禽物語』『鳥養草』『鳥はかせ』も『鳥賞案子』を転写した別名書。
○19z「飼籠鳥(かいこどり)」/序は文化5年(1808年)。
佐藤成裕(せいゆう)(号は佐藤中陵(ちゅうりょう)) 、滕成裕撰。「画眉鳥」。国図。
◆20「鳥譜写生図巻」(衆芳軒旧蔵)/文化7年(1810年)。著者不明。「峨眉鳥」。東洋文庫。
◆21「水谷禽譜(みずたにきんぷ)」/文化7年(1810年)頃。水谷豊文(とよぶみ)。「画眉鳥」。国図。
○21z「花鳥写真図彙」/文化2~文政10年(1805~1827年)頃。北尾重政画。「画眉鳥」。国図。
○21z「大和本草会式」/文政3年(1829年)。小野蘭山。「画眉鳥」。国図。
◆28「堀田禽譜(ほったきんぷ)」/文政13年(1830年)頃。堀田正敦編。
※画眉鳥の一種として「黄山烏鳥」を絵入りで掲載。国図。
○28z「観文禽譜(かんぶんきんぷ)」/序は寛政6年(1794年)。校訂作業終了は天保2年(1831年)か。
堀田正敦。「画眉鳥」。国図。
○30z「鳥名便覧」/序は文政13年(1830年)。島津重豪。「画眉鳥」。国図。
◆31「不忍禽譜(しのばずきんぷ)」/天保4年(1833年)頃。屋代弘賢(やしろひろかた)。
「画眉鳥」。国図。
◆32「禽鏡」/天保5年(1834年)。滝沢解。すなわち滝沢馬琴、曲亭馬琴。「画眉鳥」。東洋文庫。
◆33「唐船持渡鳥類」/天保8年(1837年)。著者不明。
※ガビチョウの絵があるようですが(cf.日本鳥名由来辞典より)現物未確認。東京国立博物館。
◆34「長崎渡来鳥獣図巻」/天保10年(1839年)頃。著者不明。「画眉鳥」。東京国立博物館。
○34z「本草図説」/天保3年(1832年)~嘉永4年(1852年頃か。高木春山。
「本草図説補遺巻之五」に記載あり。「画眉鳥」の名のみ。岩瀬文庫。
◆38「薩摩鳥譜図巻」/江戸末期。著者不明。「画眉鳥」。国図。
◆45「博物館禽譜」/明治8~12年(1875~79年)。田中芳男編。
「画眉鳥」。関根雲停による絵あり。東京国立博物館。
○45z「類衆禽譜(るいじゅうきんぷ)」/江戸~明治か。著者不明。「画眉鳥」。東京国立博物館。
○45z「錦窠禽譜(きんかきんぷ)」/江戸~明治か。伊藤圭介。「画眉鳥」「峨眉鳥」。国図。
ただし書き
◆資料の数字は『日本鳥名由来辞典』での通し番号です。
○は『日本鳥名由来辞典』に記載のないもの。便宜上私がナンバリングしました。
たとえば、5Zとしましたのは5の資料の後の年代という意味。5の資料と関係があるわけではありません。
1訓蒙図彙、3和漢三才図会には画眉鳥の絵がありますが、ホオジロと混同されています。
ガビチョウシリーズINDEXはこちら
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