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2015年10月12日 (月)

江戸時代のガビチョウシリーズ(その4)高木春山は画眉鳥を描いたか

江戸時代に『本草図説(ほんぞうずせつ)』(天保3年~嘉永4年/1832年~1852年頃か)
を著わした高木春山(しゅんざん)。

春山は画眉鳥を描いたか。 取り上げたか。

早速調べてみました。
『本草図説 動物』高木春山著 荒俣宏 奥本大三郎監修(リブロポート 1989)には画眉鳥の絵はなし。
『本草図説 8 鳥』高木春山著 林知左子編(岩瀬文庫 2010)にも画眉鳥の絵はありませんでした。

いずれも『本草図説』に収録されている膨大なスケッチの中からの抜粋のようです。

上記リブロポート版に興味深い記載をみつけました。

巻末の「本草図説動物目次一覧」。
春山の直筆と思われる鳥獣の名前の羅列に明らかに「画眉鳥」と読める一行があるのです(p115)eye

本草図説補遺巻之五」の「ヘルベルデール」のあと、「火鶏」の前です。

岩瀬文庫で『本草図説 補遺巻之五』の原本を閲覧しなければ確かめられません。

早速岩瀬文庫さまに問い合わせしてみました。
一個人の調べものにお手を煩わせてしまうのは恐縮だったのですが丁寧なご回答をいただきました。

「本草図説補遺巻之五」の画は、ヘルベルデールの次は火鶏となっており、
目次には名の記載があっても実際に画眉鳥のスケッチは収録されていない そうです。

『本草図説』は春山存命中には未完成だったために、目次に名前があっても画がないもの、また画が遺されていても何を描いたのか判別不可能なものがあることをご教示いただきました。

高木春山による画眉鳥のスケッチがないのはとても残念なことです。

でも、ロマンもたかまります。

1)目次に挙げたけれど春山は画眉鳥を描いていない
2)未発見なだけで春山は画眉鳥を描いた

さて、真実はどちらでしょう。

もし2)の場合 春山の画眉鳥が今後発見されるかもしれませんし、
別の人による「春山の画眉鳥」の模写スケッチが発見されるかもしれません。

もしかしたら、私が江戸時代の画眉鳥のスケッチをまとめたこの中のどれかが春山による画眉鳥の模写だったりするのかもしれません。

逆にここに取り上げた画眉鳥の絵を春山が模写した可能性もあるのかも。というのも、
『舶来鳥獣図誌 博物図譜ライブラリー 5』(八坂書房 1992)に興味深い記述があるからです。
磯野直秀氏・内田康夫氏による巻末の「『唐蘭船持渡鳥鳥獣之図』と『外国産鳥之図』」という解説です。

高木春山の『本草図説』には『外国産鳥之図』に瓜二つの絵が17点存在することがわかりました。
しかも興味深いのは画眉鳥の名が目次に掲載されている「補遺巻之五」には3点あります。
ただ磯野氏内田氏によると『外国産鳥之図』からの模写ではなく、原本は別にあるのではとのことです。
(p130参照)

いずれにしましても、春山の描いた雪の結晶やぼうふり
(江戸時代の顕微鏡シリーズのこちらをご参照)
が好きな私は、いつかshine画眉鳥by春山shineに出会えたらいいな~と願っています。

ガビチョウシリーズINDEXはこちら

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2015年10月11日 (日)

チェシャ猫やスマイルマークやAmazon、そして象牙

この何日間の明け方の月は楽しかったです。

こちらは9日の5時30分ごろの月。
左上に光っているのは金星。
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左目がないけれど、スマイルマークに見えませんか。

引いた方が「顔」になっている様子がわかりやすいかも。
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いかがでしょうか。

月だけをアップで。
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ニカッ。まるでチェシャ猫の笑い口。

この片目スマイルマーク。6時46分ぐらいの空でもかすかに見えました。
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こちらはほぼ一日経った10日の明け方の月。
ブレブレですが、地球照の月のうさぎがかすかに見えます。
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月をアップで。

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輝面比は8%。チェシャ猫というよりもAmazonのロゴマークスマイルのよう。

右側の見える∞はシッカルトとフォキュリデスでしょうか。
中央やや左寄りに黒い丸に見えるのはライナーでしょうか。
シャープな弧の形のせいか。文様が彫られた象牙のオブジェのようでかっこいいです。

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金星との位置関係。上にある点が金星。下にみえるのが月。
一晩でこんなに動いてしまいました。

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夜明けの蒼い空での地球照、影の部分もブルーグレーに見えて、幻想的です。







2015年10月 4日 (日)

馬琴と画眉鳥シリーズ(その3)半分解決。馬琴が『禽鏡』の刊行広告を何に出したのか

画眉鳥調べ、継続中。
今、一番気になっているのが、馬琴が出したという『禽鏡』の出版予告です。

『随筆滝沢馬琴』(真山青果著 岩波文庫 2000年)にこんな記述があるのです。

『八犬伝』の第八輯か九輯かの奥附に、馬琴は諸鳥飼養法の広告を出し、薩摩老侯栄翁の諮問をうけていることや、彼の後年に『禽鏡』なる著作があって、鳥類数百種の精密なる図譜を編述しているのを考えても、彼の青年時代などにあるいは鳴禽飼養を試みた時期があったかも知れない。 (p166より)

また、鈴木道男氏が論文「馬琴の鳥研究(1)『八犬伝』と鳥」内で上記の真山氏の記述を紹介し、
筆者はかねてから『八犬伝』の種々の版に当って探しているが、かかる広告を見出すには至っていない。
(『国際文化研究科論集』東北大学大学院 第十八号 p47)と書いているのです。

迷宮入りを嫌い、足でコツコツ探し当てるのが好きな「刑事(デカ)魂」を持つ私は、この広告を探しあてたくなり・・・。
重要な手がかりを『馬琴書翰集成 第一巻』(滝沢馬琴著 柴田光彦・神田正行編 八木書店 2002年)に発見しました!!

文政13年3月26日馬琴が篠斎に宛てた手紙の中です。

『八犬伝』七輯下帙の簡端、闘牛考の附録に、ちぬの略説を書あらはし、又「衆鳥図説」といふ拙著の書名を、西村やの合巻中、目録の部へ加入いたさせおきたり。 (私による略)
右之著述の志はありながら、年々書肆より被頼候戯作ものに追れ、いつ稿し可申哉、難斗候。なれども、手透を得候はば、著し可申物に候へば、書肆の好に任せ、先署名のみ著し置候事に御座候。 (p280より)

私の推測ですが、おそらく真山氏はこの馬琴の文章をどこかで目にして、八犬伝に広告が出たと思ったのではないでしょうか。
ちぬの略説を書あらはし、で文章は切れているはずです。
つまり、「衆鳥図説」の広告が出ているのは西村やの合巻。

ざっくり訳しますと、
「衆鳥図説」を出版したいと思うけれど依頼される戯作ものの執筆に追われて、なかなか原稿が進まない。
けれども手が空いたら著わしたいと思っているので、まずは書名を近刊予告として西村屋の合巻の目録に加えた。


鈴木氏が八犬伝を探してもみつからないはずです。

さっそく 、国立国会図書館、早稲田大学図書館、専修大学図書館他を「永寿堂」「西村屋屋八」「合巻」などのキーワードで調べてみました。

文政10年~天保4年頃の西村屋の合巻をデジタルライブラリーで閲覧。

こちらは文政9年に西村屋与八から出版された合巻『還魂紙料』。
こんな風に巻末に近刊広告が出ているのですね。(クリックで拡大します)
Goukan_kinkanmokuroku_2

(↑国立国会図書館デジタルコレクションより)


結論としては、「衆鳥図説」の書名の広告はみつけられませんでした。
ですので半分だけ解決。

※ネットで閲覧できない合巻もあったので、 あらためて図書館に出かけた時にとりこぼしている合巻をチェックしようと思います。


ガビチョウシリーズINDEXはこちら

2015年10月 1日 (木)

中秋の名月&スーパームーン&その後

このところ幸い天気に恵まれ、秋の美しい月がたのしめました。

9月27日(日)中秋の名月

天気予報では夜遅くにならないと雲の切れ間がないのかな~と思ったのですが、中秋の名月がよく見えますた! 

9/27の18:30頃の月です。(以下画像はクリックで拡大します)
150927_1830ese141th_99_17a

満月の一日前ですので、
↓右上のへりがのっぺりしているのに対し、
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↓左下あたりがまだ若干クレーターなどのゴツゴツが見えています。
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こちらは23時52分頃の月。
宵は黄色かった月がずいぶん白くなっています。
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お月見のお友は、ぬれせんべい。中秋の名月との2ショットを。
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9月28日(月)満月(スーパームーン)

月の出1時間後ぐらいのお月さま。ぽってり黄色い満月です。
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満月の瞬間が28日の11時50分だったので、厳密には少しずつ欠け始めています。
そのため、昨日はのっぺり見えていたこの右上部分。
↓若干クレーターのメリハリが見えています。
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↓逆に、昨日は陰影が見えていた左下部分が今日はのっぺり。
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↓22時すぎ。高いところに昇った白い月。
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↓並木のてっぺんの銀杏との2ショット。(ピントを銀杏に)
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↓ピントを月に。
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海のそばに住んでいないので、海を見たいな~という時はわざわざ行かないとみられません。
でも月は便利。
海よりはるかに遠いところにあるのに、晴れてさえいれば見えるし、遠く離れた人とも同じ月を見て盛り上がれる。
人と人をつなぐ存在。

9月29日(火)満月プラス1

中秋の名月、スーパームーンと連日、多くのカメラやスマホを地上から掲げられて大注目を浴びたMOON。
今日も気を良くして、夕方、東の地面の下から「じゃじゃじゃーん」と顔を出して・・・。
(´・_・`) となったことでしょう。
昨日あんなに自分を待ち望んで、「綺麗~」と言ってくれたギャラリーが少ないことに。
満月+1の今晩の月もなかなか美しかったです。

↓19時すぎの東の空。ガラス窓越しの撮影。
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↓私が「草野球をする人」と呼ぶあたりがはっきりと欠けています。
満月よりはやくも3%欠けているのです。
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↓深夜2時過ぎ。欠け始めている右側のクレーターの陰影がよくわかります。
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「月日和かな~」と思うと何度も起きては空をみます。

朝になっても、月が出ています。
9月30日6時前、西の空の月です。
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↓7時9分ぐらいの朝の月。
空の明るさにまぎれてみつけづらくなっています。
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富士山も見えました。
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私のところでは
月の入りは7:40ぐらいのようですが、
でも、地平線に沈むまでは見れませんでした。
というのは沈み切る前に、空中でしゃぼんだまのように透けて、青空の中に消えたから。

↓地平線に沈む間際、肉眼で見えた最後の月です。
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見つけづらいので目印の黒丸をつけてみました。
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月はどんどん欠けていきます。
10月1日朝4時前の西の空の月です。
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草野球をする人の下半身がどんどん見えなくなっています。

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emi (秋田恵美)

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。
    コンタクト: メールアドレスはhoshibiyorihappy*yahoo.co.jp このyahooの前の*を@に変えてご連絡下さいませ
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