広重「永代橋 佃しま」の描かれた日を推測する(その2)
(その1)の続きです。
広重の「名所江戸百景」春の部「永代橋 佃しま」
(以下、画像はクリックで拡大します。はみでる場合はリンクを新しいタブで開くを)
画像提供:国立国会図書館デジタルコレクション
アストロアーツさんのステラナビゲータ10を使って、安政時代の夜空を再現。
旧暦11~3月。方角南~南南西(南西微南)。
範囲は1854~1857年2月に絞り、このような形の月が出る日を調べてみました。
ところで、この作品では月の左下から右上にかけて星が目立っていますよね。
↑水色のラインに星が目立っています。
月のまわりの星の並びも絞りこみ要素に加えます。
そうすると、「この日ではない」という日がわかります。
たとえば、1857年(安政4年)3月6日(旧暦2月11日)21:45頃。
月の形はいい線いっていますが、方角がアウト。南西のやや西寄りです。
星も月の下に目立っています。
たとえば、1855年(安政3年)12月17日(旧暦11月9日)もアウト。
19時頃の星空。
月の形、いい線いっています。方角も南南西で◎。
でも、
月のまわりに星がなく、がらんとしているのでアウト。
というように、ステラナビゲータ10で安政の夜空を再現して調べていきました。挙がった候補日を(その3)で。
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※ステラナビゲータ再現にあたって。
◆恒星を3.2等星ぐらいまでの明るい星に絞っています。
江戸時代は現代のような照明設備がなく、夜は満天の星空が広がっていたはず。
ですが、「永代橋 佃しま」。月の背景に満天の星空がありません。
この浮世絵が発表された1857年(安政4年)、広重は60歳。
広重の視力の衰え具合を記した文献をみつけていないのですが、
目が悪くなっていたと推定して暗い星は排除してみました。
◆星のならびをわかりやすくするため、星像で大きさを2.5に設定。
月の大きさに比べて星ひとつひとつが大きく再現されています。
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