『君の名は。』(その1)映画、よかった~。東京の雑踏を歩くのがうれしくなります
ずっと気になっていた新海誠監督の『君の名は。』を見ました。
私の大好きなツボを押さえた映画だろうなと思った通り。
すごくよかったでした!
↑まだ会ったことのない君を、探している
のコピーがこの映画を象徴しています。
前世の話ではありません。
初めて逢ったのに昔から知っていたようななつかしい感じがする。
ずっと誰かに呼ばれているような気がする。
訪ねたことのない風景に胸が締め付けられる。
思い出せないけれど、その言葉の響きが気になる。
そんな誰かといつか出会える気がする…
そんなテイストのお話が好きな人はマストな映画です。
絵もすごく綺麗。
青い空、白い雲。
田舎の緑の風景も美しいんですが、東京の風景がいいんですよ。
ビルビルビル、人人人。
三軒茶屋、新宿、千駄ヶ谷。
なじみのある道路標識や看板も登場。
いかにも都会の雑踏、の風景がいいんです。
決して美化された景色ではないのに。
映画が終わったあと、都内を歩いて
「映画の世界を歩いているみたい~」とうれしくなってしまいました。
普段だったら、「人が多いなあ。緑が少なくて味気ないなあ」って思うのに。
きっと、「アニメ作品の絵の世界が実写で再現されている~」と脳が変換してしまうのかも。
本末転倒。二次元の世界を3D化したわけではないのに、
いろんなごちゃごちゃした看板やビルのライン、小さく並んだ窓などを見て、
現実の風景に思えないような不思議な感覚がしました。
↑ 映画の舞台とは関係ありませんが、
こんな東京の普通の景色が、
なんだかうれしくなります。
RADWINPSの音楽もよかったです。野田洋次郎さんの声もぴったり。
♪前前前世と歌っているので、前世が関係するのかなと思ったら、この映画自体は前世は関係なしでした。
以下、ネタバレになるので黄色い文字で書きます。
恋愛ドラマなどで、出会って恋に落ちる前の二人を描くことってありますよね。
連ドラでいえば、第一話の40分ぐらいまでとか。
それぞれ、別の日常を送りながら、どこか満たされなくて、
誰かに呼ばれているような、まだ逢わない誰かを探し求めているような。
それぞれの日常を俯瞰で描き、ニアミスしながらいまだ出会えない二人・・・
この映画の最後に描かれているのはそんな王道のシチュエーション。
もどかしくてせつない。
このシーンに行きつく前に、あのような設定(本筋)が仕掛けられている。
そこに監督の非凡さを感じました。
女子高生が時を超えるという設定では細田守監督の『時をかける少女』と対の存在感を放つ作品ですね。
弾けた今どきの女子高生、その疾走感。
そして、普通の女の子が世界を救うという意味では『サマーウォーズ』、宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』と三つ巴かも。
サマーウォーズとの共通点は、青い空、白い雲、声が神木くんというところも。
『君の名は。』で髪を切って、組みひもを髪に巻いた三葉が、お父さんのところに談判に行く場面。
その気迫ある顔、立ち姿、みなぎる使命感は、オウムに立ち向かうナウシカを彷彿とさせました。
監督自身が意識していたのか知りたいところです。
ネタバレ終わり。以下再び黒文字。
出会う前から知っていたような気がする・・・
そんな男女の縁(えにし)を描いた作品がお好きでしたら、
森瑶子さんの『アイランド』もおすすめ!!
不思議な引力に溢れた作品です。
アイランド
小説 君の名は。 (角川文庫)
(その2)2回目を観ました。
(その3)小説版
(その4)スピンオフ小説
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