雪の結晶を観察した人たち(その16)レオナルド・ストッケ(Leonard Stocke)
現代の何がありがたいって、図書館他の資料のデジタル化です。
海外の貴重な古典資料を家にいながらにして閲覧できるのですから。
19世紀ごろまでの雪の結晶観察者を調べた先人や
日本で雪の結晶の本といえばこの方、という小林禎作氏も知り得なかった資料がザクザクみつかります。
レオナルド・ストッケもその一人。
イギリスの王立協会の所蔵資料に彼が描かれた雪の結晶を発見をした時、
夜空に新しい星を一つ発見したみたいにうれしくなりました。
1741 レオナルドストッケ(Leonard Stocke)雪の結晶24種を描く
人物/オランダ人医師。(1700年代)
掲載文献/なし。現物は手紙に添えたスケッチ。イギリスの王立協会(Royal Socaiety)に所蔵あり。
詳細/24種の雪の結晶が描かれています。
王立協会さんの許可をいただきましたので、
クレジットの透かし入りの画像をご紹介いたします。
(転載はご遠慮ください)
" Snowflakes " by Leonard Stocke
© The Royal Society
王立協会のこの画像ページの説明によると。
オランダのMiddelburgで1740年1月2日から3月1日まで、12月25日~31日に観察した雪の結晶。
この24種の結晶は1741年6月29日にイギリス人医師クロムウェル・モーティマー(Cromwell Mortimer)に宛てた手紙に添えたもののようです。
この結晶スケッチの何が興味深いかと言いますと、土井利位の結晶スケッチと非常に酷似していること。
■土井利位の結晶観察が1830年代前後。レオナルド・ストッケはその90年ほど前。
いかにオランダが進んでいたかがわかります。
■両者の酷似結晶が多いことから、土井利位がストッケと同等の精密さの顕微鏡を
用いたのではと推測できます。
■酷似しているものが多いことから、土井利位が描いたスケッチの正確さも実感できます。
私が酷似していると思った結晶を挙げてみます。
「L8」などの記号は、古河歴史博物館の図録「雪の華」の雪華図での通し番号です。
ストッケの結晶は左上から右下に1~24まで並んでいます。
ストッケ6番=土井利位雪華「M2」
ストッケ7番=土井利位雪華「L8」
ストッケ9番=土井利位雪華「A6」
ストッケ10番=土井利位雪華「E5」
ストッケ14番=土井利位雪華「L4」
(※13の数字が縁起が悪いからか欠番で12の次は14のようです)
ストッケ15番=土井利位雪華「H4」
(※15番が2つあるようです)
ストッケ15番=土井利位雪華「K4」
ストッケ17番=土井利位雪華「B9」
ストッケ19番=土井利位雪華「R4」
以上、とても興味深いストッケのスケッチをご紹介いたしました。
※私自身がみつけた資料をもとに書いております。
正確さを心掛けておりますが、もし間違いがありましたらがあらためて加筆修正いたします。
転載はご遠慮ください。
【3.雪の結晶と科学】 INDEXはこちら
雪の結晶INDEX(全般)はこちら
« 幻の名曲の名前がわかりました。一風堂の「NEVER MIND」 | トップページ | 雪の結晶を観察した人シリーズ(その17)トーマス・ベドウェル »
「 雪の結晶」カテゴリの記事
- 雪の次の日。生まれて初めて見た光景。降り注ぐ雪しぶき。(2022.01.15)
- こたべのパッケージに雪の結晶発見!(2020.01.26)
- 2020年1月18日の雪で結晶は撮れるか(2020.01.23)
- 榛原(はいばら)の御朱印帳を手に入れました。土井利位侯の雪華がいっぱい(2020.01.12)
- 雪輪はもっとも好きな雪の文様の図案のひとつ(2019.12.29)
« 幻の名曲の名前がわかりました。一風堂の「NEVER MIND」 | トップページ | 雪の結晶を観察した人シリーズ(その17)トーマス・ベドウェル »
コメント