インク沼シリーズ(その3)沼で知った2つのこと
2017年9月28日の続きです。
カートリッジの万年筆は以前使ったことはあります。
コンバーターでインクボトルからインクを吸い取って使う方式ははじめて。
人生うん十年生きてきて初めて知ったことがありました。
その1)
インクってしゃぼん玉みたいに膜が張るんですね。
インクの瓶を持ち歩きで揺らしてしまった後などにふたを開けた時。
その膜をツンとペン先でつつくと、ポワッと音がして弾けます。
と、ともに瓶の口の内側をインクがたら~と下に降りていきます。
濃い色のインクがなだらかに降りていく様子も美しいです。
しばしみとれてしまいます。
色彩雫の「月夜」。瓶の口に、しゃぼん玉のように薄い膜が。
ペン先でつつくのは
まるで新雪に足を踏み入れる時のような、大切な紅茶の封を切るような「儀式感」が。
プワッと音がして割れます。
金魚が水面で口を開けた時のような
フェイスブックでメッセンジャーでの新着のお知らせ音のようでもあります。
濃いインクが瓶の口の内側をタラ~。
復唱します。膜が張ってる→ツン→プワッ→たら~の3段階。
色彩雫の「稲穂」も。
ツン→ポワッ。
たら~。
みとれます。
その2)
水で薄まるとインクの色が変わる。
インクが乾燥気味(煮詰まる)になると、黒っぽくなるのはわかっていました。
色彩雫の見本はあちこちの文具店にあるのでありがたいのですが、
セピア~黄土色系と思っている稲穂が土筆(茶色)と同じくらいになっている見本もありましたので。
その逆で水分が増えると淡い色になるのですね。
というのは。ボルドー系の甲南マルーン。少し水がついた状態で走らせたら、
とてもきれいなピンク色がかった色合いになりました。コーラルピンクを渋くしたような。
うまく撮れていないのですが、左が少し薄めたもの、右が通常の甲南マルーン。
このくらい色味が変わります。
びっくりしました。こんなに色が変わるなんて。
私は九谷焼の赤絵細描作家、架谷庸子さんの大ファンなんですが、
赤絵の実演を撮らせていただいたことがあるのです。
鳥居の朱色を思わせる絵の具を溶いて用いるそうですが、筆の下にある花の濃い赤も
左上の花のはなびらのピンク色の花も同じこの絵の具から生まれているのです。
こちらも全部同じ赤絵の具、の濃度違い。不思議~。
水で溶く濃度で緋色のなったり、ピンク色になったりする、九谷焼の赤絵の具。
万年筆の濃いボルドーのインクが水で薄まるとピンク色が現れるのは、
一緒の原理なのかしらと、興味が湧きました。
インクの沼は水深が深いですね~。小さいと思っても遠くまで広がっていますね~。
次回は気になる色たち、を。
インク沼シリーズINDEXはこちら。
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