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2017年9月25日 (月)

その輝きはまるで火打石の火花かマグマ。高校生の和太鼓演奏。気迫、ほとばしるエネルギーに圧倒

縁ある学校の文化祭に行きました。

そこでの高校生男子の和太鼓演奏が素晴らしくって、二日経った今も思い出すだけで鳥肌が立ちます。

ホールでのステージは、一列に並ぶ。Vの字に並ぶなどフォーメーションがよくわかります。
また、演出も工夫されていて、太鼓奏者たちに照明を当てず、
黒いシルエットとなって背景の赤いスクリーンに浮かび上がる場面では
振り上げた手とバチのシルエットなどが切り絵のように浮かび上がり印象的でした。

そして圧巻は、このホールだけではなくもう一箇所での演奏。

それは教室の前のスペース。
Taikotaiko

「廊下」よりも幅の広い通路(15メートルぐらいあるでしょうか)になっています。
教室の反対側は1、2階部分はコンクリートの壁。その上は吹き抜け。
という多目的に使える空間。

ここに太鼓を設置して演奏するわけです。
見る人は、「奥まで続く」と記した空間から眺めたり、
演奏スペース脇にロープで仕切られた通路側で眺めたり、吹き抜けになっている上から見下ろしたり。

今回は早く着いたので演奏スペース脇のロープで仕切られたところに立ちました。
フォーメーションによってはロープをはさんですぐ向こう側(手を伸ばせば太鼓が叩けるぐらい)に
太鼓が設置されることもあり演奏の迫力に圧倒されました。

耳の鼓膜を太鼓の音がびんびん震わします。つんざくほどの音量。
そして震動が床から足を通じて響いてきます。

それだけではなく、空気そのものがビュッビュッと震えて肌に届くのです。
これは生まれて初めて味わう感覚でした。

なわとびで二重跳びをする時、縄がビュッと鳴る時のような。

この空気の震えが伝わってくる 体験はこの空間の特性ならではだと思うのです。
演奏スペースの片側が2階部分までコンクリートの壁なのでそちら側に音や空気が通り抜けていかない。
だからこそ黄色の通路側やベージュのスペース、吹き抜けの空間の上に音や振動が伝わっていくのかなと。

聴くだけではなく波動砲を浴びているような感覚でした。

そしてすごい気迫。奏者すべてが一糸乱れずリズムを合わすための集中力の凄まじさ。
全身全霊で専念、そして渾身のエネルギーで叩き続ける。
その気迫たるや。

鳥肌は立ち、目もウルウルしてきました。

一人一人の顔つきが本当に凄かったです。
これだけ集中して、気迫にあふれた顔を見たことがないなと思いました。

たとえばスポーツ。
マウンドのピッチャー、打席のバッター。その対峙は火花バチバチでしょうし、
卓球の試合も台を挟んで選手同士のバチバチがすごいなと思います。

スポーツ以外でも百人一首の対決も頭の一音に耳を研ぎ澄まして札を取り合う。
その集中力と火花は迫力あるでしょう。

でも自分がその当事者にならないで、観戦ギャラリーでいる限りは、
気迫あふれる人を近距離で見ることはないのですよね。

どんなにマウンドでのピッチャーに凄味があったとしても、その隣で眺めることはできないし。

なので、人生で生まれてはじめてでした。
こんなにまぢかで、凄まじい気迫に触れるのは。
本当に一人一人が輝いていていました。
この輝きっていうのは「笑顔がキラリン」と表現するような太陽光や、ふんわりした光ではなく、
火打石をカッカカッカこすりあって飛び散る火花のような輝き。

演奏とともにみんなの顔つきに圧倒感動しました。

そして太鼓とは別に笛を吹く人や小さなシンバルのようなものをもって跳ねる人がいるのですが、
跳ねる人の軽やかさ、太鼓を叩く人たちとは違って笑顔で観客を盛り上げる役者ぶりにも
普段は普通の高校生のはずなのにとびっくりしました。

いろんなところでの演奏活動を経験していることもあるのでしょうけれど
MCも素人とは思えないうまさ。

演目で特に印象的だったのはけんか太鼓(ぶち合わせ太鼓)。
一つの太鼓を3人で奪い合うようにして素早くかわるがわるに打つのも圧巻。
タイミングが少しでもずれたらアウト、の素早さで次々位置を変えて太鼓を叩きあいます。
それから掛け声も威勢がよくて。
叩き手がばちを持ったまま観客に歌舞伎のような見栄を切ったり(にらみをきかせたり)、
叩き手同士でにらみ合ったり、「けんか」と名のつく通りの荒々しさも魅力。

演奏中、何本もばちが割れたり、割けたりしていました。
そしてばちが飛ぶことも。
右手のばちがなくなった人、どうするのだろうと思ったら、
右は素手のままそのまま叩き続けました。
(ドラマーが普段、ばちがないままエアで練習する時のように)。

ばちがない分、手の振りおろしが難しいと思うのですが
あっぱれでした。

体力の限界、を超えるような凄まじい時間。
ほとばしるエネルギー。
ストイック。
「捧げる」という言葉が浮かびました。
「祈り」という言葉も浮かびました。

太鼓が古来「神事」に使われるのがわかりました。

だらんとしていた細胞にエネルギーが注入されてシャキーンとなりましたし、
空間を震わして邪気を祓う神事そのもの。

とにかくすごかったの一言。
輝いていたの一言。

まったくうまく文章がまとまらず、同じ表現の繰り返しになってしまっているのですが
自分メモとしてあの、圧倒された「ひととき」を記しておきたくて書いてみました。

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emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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