カーニバルオンアイス2017 鈴木明子と本田真凛に魅了されました
平昌オリンピックまであと4ケ月のカーニバルオンアイス2017をTV観戦。
高橋大輔、前衛的なアボット、情感たっぷりのクリス・リード&村元、
「白鳥の湖」の世界観を一人で大胆に魅せた町田樹ほかみんな素晴らしかったのですが
特に印象に残ったのは鈴木明子と本田真凛でした。
【鈴木明子】
タイムスリップしてショパンの腕をつかんでこの世界に戻り、テレビの前に座らせたくなりました。
「あなたの曲がこんな素晴らしい芸術になったのよ」と。
一音一音のテンポや曲調の明暗と振付がぴったりあっているだけではなく、
ピアニストの細やかな指運び、鍵盤を叩く力の強弱と体の動きが見事に連動。
細部にいたるまで丁寧につくりこまれた芸術性に魅了されました。
同じメロディーを繰り返し、鍵盤で指がぐるぐるしているだろうところで、ツイズル。
鈴木明子がぐるぐるまわったり。
トゥルトゥルルルルルルルルルルルル~というところでは、片足でスッ~~~~~~~~と滑ったり。
ピアニストが手を高く振り下ろして激しく連打していそうなところでは、
鈴木明子も両腕を高くあるいは左右に激しく降りかざしていたり。
鳥肌!
鈴木明子の表現力(こまやさと激しさ)が見事に活きた名プログラムでした。
【本田真凛】
今季のショートプログラムを初披露。
本来やるはずだったタンゴもアンコールでお披露目がありました。
まずタンゴ。
あどけない16歳がタンゴを滑ることで、
「こんな妖艶な大人の世界も演じられる」と表現力の幅を示したり、
ギャップがインパクトにもなるのでしょう。
はっとさせられる振付もいくつもありました。
でも今の時期にこのプログラムを滑るのはもったいないと思いました。
ヒトはすぐ大人になってしまうんだもの。
16歳の今だからこその輝きがみたい。
赤い口紅を塗って、大人っぽく見えるのもアリだけど、
ピンクベージュのリップグロスで16歳ならではの美しさがみたい。
それを満たしてくれるのが新ショートプログラム「ザ・ギビング」。
このプログラム変更は大正解だと思います。
妖艶さもケレンミもない、ポップで観客を手拍子で乗らせる曲でもない。
けれどひたすら美しく心をおごそかに、あたたかく、清々しく満たすような
朝の清らかな光のような曲。
清楚、繊細さ、ひたむきさ…
本田真凛の存在、放つ光がそのまま形になったようなプログラム。
静かに心を打ちました。
ゴージャスな宝石よりも、朝露やビーズ。
ベルベットよりも、上質のコットンやレース。
等身大の「日常の中の上質」のような。じんわりしたあたたかさ。
髪に当てた手を首元に持ってくるような「はじらい」のような振付もあれば、
両手両足をえい!って四方に伸ばす躍動感(おてんばな雰囲気)ある振付も魅力的。
本田真凛は鈴木明子の表現力+浅田真央の天性のスター性、2つをあわせもった選手だと思います。
今シーズンの躍進が楽しみ。
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