エルメスのスカーフやっぱり大好き(その1)30年以上愛用しているきのこ柄のスカーフ
秋になると何がうれしいってスカーフを巻けるようになること。
エルメスのスカーフが大好きです。
20代の頃に大ブームの洗礼を受けました。
30年以上愛用している一枚が「シャンピニオン」。
きのこの柄です。
(画像はサムネイル。小さく少し不鮮明。
クリックして拡大でご覧いただけましたら)
父が海外旅行した時にリクエストして買ってきてもらったのです。
その時は、『時の輪舞』のようなあでやかな色彩、ゴールド(に見える黄色)を使った華やかなものがほしかったので、
オレンジ色のパッケージを開けた途端、「こんな地味なのいやだ!」と父につきかえしたのです。
どちらかというと直情型の父なのですが、「おみやげで買ってきたのに文句言うな!」と怒鳴るでもなく、
せっかく貴重な時間を使って見立てて買ったものを気に入らない娘にがっくりするわけでもなく、
毅然と「いや、こういう色や柄が、この先ずっと使いたくなるんだ」と答えたのです。
私は自分がひどい態度を取りながら、落ちこまない父にほっとしたのを覚えています。
花が描かれているわけでもない、色も地味。
私は本当にその時、まったく魅力を感じていなかったのです。
ただ、シルクのハリ、肌触りに惚れこみました。
そのあと、自分でもいくつもスカーフを買いましたが、
ゴージャスな色やモチーフは好みではないと自分でわかりました。
エルメスのシルクは本当に上質で、派手な色でもケバクならない
渋い色のものも地味では終わらせない良さがありますが、
私は後者。渋い色のものこそ、一番魅力が引き立つと使うにつれて感じてきました。
このシャンピニオンのスカーフもモスグリーンが地味だけど、シルクのつややかさのおかげで、地味で終わらない存在感があります。
ダイヤモンドのきらびやかさではないけれど、真珠の控えめな輝きのような。
よく見れば、赤く描かれたキノコが可愛かったり、ラベンダー色や少し蛍光イエローに見えるキノコがいたり。
当時、モスグリーン、ボルドー、深いピーコックグリーンのニットを着ていた私に
このスカーフは色合わせぴったりだったのです。
そこまで父は見立てていたのでしょうか。
この秋で、33年目ぐらいになるでしょうか。
この秋も、父が「こういう色合いがずっと使いたくなるんだ」と毅然と言った言葉を思い出しながら、巻いています。
「ほんとだよね」と空を見上げて感謝し、
「買ってくれた時に文句言ってごめん」と少し胸を痛めながら。
(父はすでに亡くなっているのですが、幸いにも元気な間に、
シャンピニオンを買ってくれた時に暴言を吐いたおわびと、
父の見立て通り、このスカーフは飽きることなく本当にいい柄だと思うという感謝を
と伝えられています)
その2に続きます。
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